皆さんこんにちは、整備士ライダーのヨシキです。今回のライテク記事は“崖登り”。ヒルクライムとも言いますね。
目の前にそびえたつような急斜面をクリアするにはそれなりに勇気とテクニックが必要です。特にエンデューロを始めたばかりの方なら崖登りは怖くて苦手という人もいるでしょう。
実際、急斜面が怖いのは無理もありません。公道では絶対に存在しないシチュエーションですし、林道ツーリングでもめったにお目にかかることはないでしょう。あくまでコース専用のテクニックです。
そこで今回は崖登りの恐怖心を少しでも和らげるヨシキ流の登り方テクニックをご紹介します。
“来シーズンこそヒルクライムセクションをクリアしたい”そんな方必見です。
崖登りは恐怖心との戦い
正直、崖登りは余程の斜面でもない限り、ほとんど恐怖心との戦いです。腰が引けずに助走が足りていれば基本的に登れます。とはいえ、その恐怖心が厄介者。なかなか勢いよく助走をつけるのも勇気がいりますし、腰が引けていると捲れて怖い思いをします。
アクセルと姿勢さえ気を付ければ登れる崖登りは、最初の一回が鬼門かもしれません。
恐怖心を克服するには練習あるのみ
どうしても恐怖心がぬぐえない時は、何度もトライするしかありません。根性論になってしまって申し訳ないのですが、十分な助走が取れる崖登りはアクセルを開けて姿勢を正しく保てば大体登れます。
初めて挑戦する崖がどうしても怖いという方は“ちょっと勇気を出せば登れそうだな”と思うレベルの斜面を何度も走って練習あるのみです。
崖や上り坂を攻略するためにはスタンディングが必須
さて、先程から崖登りは姿勢とアクセルが大事といってきましたが、具体的に解説していきましょう。まず、上り坂の基本姿勢はスタンディング。なるべく前に乗ってステップに踏ん張る形で立ち上がります。
そうするとトラクションが抜けずに、しっかりとバイクが進み、重心が前に移動しているので捲れる心配もありません。
ヒルクライムの動画を見ると、シッティングで斜面に侵入しているシーンが見られますが、あれは少しでもトラクションを稼ぐための動作なのと、信じられないくらいの急斜面を上っているので初心者には難しいテクニックです。
上手く前重心に乗れない時はハンドルをお腹にぶつけるように意識してみよう
スタンディング中の姿勢が上手くできないという方は、ハンドルバーにお腹をぶつけるようなイメージで立ちます。腰が引けていると絶対にハンドルにお腹が近づくことはありません。正しい姿勢が取れていない時はまだ恐怖心が残っているのかもしれませんね。
斜面に入ったらアクセルは固定、助走は手前で済ませておく
上手く崖を登れないもう一つの理由は斜面でアクセルを開けてしまっているとき。斜面では平地に比べてどうしてもトラクションが掛かりにくくなります。助走が足りない状態で斜面からアクセルを開けても上手く前へ進まず、失速の原因に。
助走をしっかり付けて、アクセルを開けて斜面へ侵入するのも崖登りを上手くクリアするコツです。
ちなみに助走がない場所での崖登りはまた違うテクニックが必要なので解説は別の機会に。
転んでしまったらバイクにしがみつかないで横に逃げよう
急斜面のセクションに挑む以上、転倒は避けられません。万が一転んでしまった場合にはバイクから手を離して横へ逃げましょう。
斜面の転倒で一番怖いのは自分のバイクが降って来たり、バイクに巻き込まれたまま坂から転げ落ちることです。こういう転び方は高確率でケガをしてしまうので、バイクが捲れてしまったり、途中で減速して登れなくなったときはバイクを捨ててすぐに逃げましょう。
そして逃げる方向はなるべく横方向へ。下へ逃げるとバイクに巻き込まれて下敷きになる恐れがあるので要注意です。
イメージトレーニングができたらいざ挑戦!
どうですか?登れそうなイメージが湧いてきましたか?最後にヨシキ流の上り坂練習メソッドで崖登りに挑戦すればきっと登れるようになるはずです。
レッツチャレンジ!
最初に挑戦する坂は手をつかないと登れないくらいの斜面がオススメ
まずは坂に対する恐怖心を払しょくしましょう。何度も斜面を登っているうちに自然と崖登りの恐怖心が和らいできます。
練習におすすめの斜面は手をつかないと登るのがきついくらいの坂道。距離は5メートルくらいで良いでしょう。最初は助走をつけて上る感覚を身に付けたら徐々に助走を短くしてフォームを確認しながら登っていきます。
この程度の斜面なら、もし転んでもケガをしにくいのでどんどんチャレンジできます。慣れてきたら、わざと転んでみるのもいいでしょう。
トレールバイクで挑戦するときは助走が大事
トレールバイクで崖登りに挑むときは助走が命です。レーサーに比べてトルクが少ないトレールバイクは急斜面では失速してしまいます。
ある程度助走をつけてエンジンの回転数を上げておかないと長い上り坂は厳しいでしょう。
装備は必ずフル装備で!
最後に、これが一番大事。装備はなからずフル装備で練習してください。ちょっとの練習だからといってヘルメットだけの軽装だと確実にケガの原因になります。
最低でもブーツ、ニーブレース、ネックブレ-ス、チェストブレースは装備して練習に挑みましょう。
ケガには気を付けて、安全に配慮して崖登りに挑戦しよう
崖登りができると、エンデューロはもちろん、林道ツーリングでの遊びの幅が広がりとっても楽しくなります。しかしその反面、普通のライディングに比べてケガのリスクは格段に高まる遊び方でもあります。
コース内のセクションとしても存在する崖登りをする以上完璧にケガを避けることは難しいかもしれません。ですが、装備を怠らない、練習をきちんとする、開けた安全な場所で練習するなど、ケガをしないための対策はいくらでもできます。
せっかくのバイクライフを怪我無く楽しむためにも安全に配慮して挑戦して下さいね。
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投稿者プロフィール
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元モトクロス国際B級ライダーのヨシキです。
趣味は林道探検、オフロードバイクでどんな山道も散策します。
今は整備士として活躍しているので、メンテナンス、DIYでできる整備など、お役に立てる情報を発信していきたいと思います。もちろんレーサーならではのライテク記事も執筆していくのでおたのしみに。
【愛車たち】
SUZUKI RM-Z250,HONDA CR125,SUZUKI RM80L
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