バイクのガソリンが残り少なくなったら、必ず行くガソリンスタンド。ご存知とは思いますが、ガソリンスタンドは危険物がとても多い場所です。ガソリンはちょっとしたことでもすぐに引火し火災につながります。
この記事では、危険物が多いガソリンスタンドでの安全策や気を付けることを、バイク歴40年のベテランライダーが、初心者ライダーのために詳細に解説いたします。
そのほか、セルフ式ガソリンスタンドについても詳しく解説しているので、セルフ式ガソリンスタンドに苦手意識があるライダーも必見ですよ。
中堅・ベテランライダーにも役に立つ情報が満載なので、ぜひ最後までご覧くださいね。
バイクでガソリンスタンドに入る前に注意すべきこと
この章では服装など、注意すべきポイントについて解説します。ガソリンスタンドに入る前に確認しましょう。
服装は大丈夫?確認しよう
万一に備え、安全な服装を心がけましょう。
服装選びのポイント
安全を優先する服装を心がけましょう。
- 静電気の発生を抑える素材がよい
綿や麻などの天然素材由来のジャケットやパンツ類(化学繊維は静電気を発生しやすい) - 火花が飛び散っても燃えにくい素材がよい
綿や麻など難燃性素材の服装(ナイロンやポリエステルなどの化学繊維は引火しやすい) - 転倒時の衝撃を吸収する服装
なるべくプロテクター付きのジャケットやパンツなどを着用する - 動きやすく、視認性の高い服装を選ぶ
給油操作に支障がなく、明るい色で反射材のある衣類(周囲に存在を認識してもらうため) - 金属製の鋲や装飾のない靴やブーツを履く
火花が散ると、引火の恐れがあるため
危険な服装の例
下記のような服装はやめましょう。夏場も、安全性を考慮して長袖・長ズボンを推奨します。
- 静電気の発生しやすい服装は避ける
化学繊維製の衣服、フリース素材の衣服など - 引火しやすい素材の服装も避ける
ナイロン製のジャケット、ポリエステル製のパンツ - 転倒時の衝撃を吸収できない服装はNG!
薄手のTシャツ、短パン、サンダル - 動きにくい服装は危険
厚手のジャンパーなど - 視認性の低い服装も危険!
黒色など暗い色や迷彩柄の衣服
ガソリンスタンド内の混雑状況を確認する
ガソリンスタンドに入る前に、混雑状況を確認しましょう。混雑していると、ほかの車両との接触事故が発生するかも知れません。また、給油待ちで長時間待たされることもあります。こういった事故や混雑を回避するため、Webサイトやアプリで、混雑状況をリアルタイムで確認できるガソリンスタンドも最近はあるようです。
混雑を避けるには…
- 空いている時間帯を狙う
朝早くや夜遅くなど、比較的空いている時間帯 - 混雑しやすい曜日を避ける
土日祝日や連休は混雑しやすいので、平日に利用する - 別のガソリンスタンドを探す
現金やカードは持ってる?支払いに必要な物を確認する
ガソリンスタンドに入る前に、支払いに必要な物を忘れずに持っていることを必ず確認しましょう。
- 現金
現金だけしか受け付ないガソリンスタンドがまれにある - クレジットカード
支払いがスムーズ - ポイントカード
ポイントを貯めたい場合は忘れず提示 - プリペイドカードやQRコード決済(スマホ)など
【よくある失敗】
よくある失敗は「財布忘れ」です。筆者のバイク仲間が実際にやらかしてます。筆者は「QR決済の残高が100円しかなかった」という失敗をやらかしました。
いずれも、出発前に確認さえしておけば防げる失敗です。確認は大切ですね。
ガソリンスタンドでの基本動作
超危険物を扱うガソリンスタンドでは、ルールに従った基本動作を心がけましょう。
ガソリンスタンド出入口でのルール
入口や出口の指示を守りましょう。多くのガソリンスタンドでは入口と出口を決めてあり、一方通行になっています。ガソリンスタンド内での衝突事故を防ぐためです。
道路から見て左側が入口、右側が出口のパターンが多く、看板表示のほか「入口・出口」などの文字や、矢印などを地面にペイントしてあるパターンもあります。
ガソリンスタンドの指示に従い、ガソリンスタンド内での衝突事故を防ぎましょう。
給油するときの停車位置
白線を引いてある場合は、その内側に停めましょう。給油機との距離は、遠すぎても近すぎてもいけません。給油機から1〜1.5mの位置に停車するのがよいでしょう。
給油するときはエンジンを必ず停止する!
給油するとき、エンジンは絶対停止です! これは法的な義務です。エンジンが動いている状態では、引火や火災の危険性があります。給油の際は、絶対にエンジンを停止しましょう。
ヘルメットは脱がなくてもよい
給油の際、ヘルメットに関する法的規定はありません。着用のままでも、脱いでもOKです。筆者は、ツーリング先では給油と同時に休憩をすることがあるので、ヘルメットを脱ぐ場合があります。
多くのガソリンスタンドには休憩スペースがあるので、トイレを済ませて自販機のジュースを買って飲むなどすれば、リフレッシュできますよ。
セルフ式ガソリンスタンドの給油方法
セルフ式のガソリンスタンドに「苦手意識」があり、ツーリング先でセルフ式ガソリンスタンドを避けていませんか? 難しそうだけど、仕組みを理解しルールを守って給油すれば大丈夫ですよ。
ここでは、セルフ式ガソリンスタンドの手順(使い方)を簡潔に説明します。
- バイクを給油機の横1〜1.5mあたりに停車する
- エンジン停止
- サイドスタンドを出す
- 給油機の手続き(油種、支払い方法など)
- 静電気除去パッドにタッチ(重要!)
- ガソリンタンクのキャップを開ける
- 給油ノズル(ピストルみたいなヤツ)を持つ
- ガソリンタンクの給油口に給油ノズルの先を入れる
- ガソリンタンクの中を見ながらゆっくり給油ノズルの引き金を引く
- 油面が給油口近くにきたら給油ノズルの引き金をゆるめる(給油を止める)
- 給油ノズルからガソリンがしたたり落ちないないように気をつけながらノズルをもどす。
- ガソリンタンクのキャップを確実に閉める
筆者はプロ(ガソリンスタンドのスタッフさん)の給油の仕草を観察してマネしています。給油の最後にガソリンがしたたり落ちないないようにする仕草など、勉強になりますよ。
給油のあとの注意点
燃料タンクのキャップが確実に閉まっていることを確認しましょう。ガソリンが漏れたら危険です。火災につながります。
そのほか「予備タンク」のガソリンを使用したのであれば、燃料コックを「RES」から「ON」にもどしておきましょう。
ガソリンスタンドでの安全対策
一般道(公道)と同じように、ガソリンスタンドにおいても安全対策を考えて行動しましょう。
ほかの車両との接触事故を回避する
ガソリンスタンドの中でも、一般道(公道)と同じように交通ルールを守りましょう。特に安全確認が第一です。安全を確認することは、事故を未然に防ぐことにつながります。
盗難対策をする
盗難にも注意が必要です。ガソリンスタンドでバイクが盗まれたという悲しい話を聞くことがあります。ヘルメットを盗まれた話も聞いたことがあります。
バイクを離れるときの基本は、バイクのキーを抜くことです。そのほか、貴重品が入ったタンクバッグや高価なヘルメットなど盗まれたくないものは、必ず手に持ちましょう。
たったこれだけの心がけで、盗難を予防できますよ。
火災リスクへの配慮
ガソリンをこぼしたり、ばらまいたりしないよう、燃料タンクのキャップを確実に閉めましょう。キャップが開いている状態でバイクを倒すと、ガソリンをばらまくことになります。
給油の際はサイドスタンド(またはセンタースタンド)を出してバイクを停めておくのが基本です。前の章で紹介した服装も重要なポイントです。
ガソリンスタンドでトラブルが発生したときは?
事故・トラブル発生時は、すぐにスタッフに知らせる!
たとえば「ガソリンをこぼした」などの場合、すぐにガソリンスタンドのスタッフに知らせましょう。スタッフが適切に処置してくれます。自分で処理できないと判断したら、すぐに知らせることが大切です。
保険加入の重要性
対物賠償保険に入ってますか? 他人の物を壊したときに賠償するための保険です。入っておけば、安心ですよ。多くは任意保険のオプションとして用意されてます。
マナーを守ろう
他人(他車)への思いやりが一番です。思いやりを持って行動することは、最終的に自分を守ることにもつながります。
ほかの利用者への配慮
たとえば、給油が終わったら速やかに移動して、順番待ちの車両に場所を譲ることを心がけましょう。給油のあとにトイレや休憩をするのであれば、邪魔にならない場所にバイクを移動しましょう。
アイドリング停止
前章でも述べましたが、エンジン(アイドリング)は停止が義務です!
アクセルをふかさない
給油が終わって出発するとき、無用にアクセルをふかさないようにしましょう。
ルールとマナーを守ってガソリンを安全に給油しよう!
危険物が多いガソリンスタンドですが、危険性をよく理解し、ルールとマナーを守って行動すれば大丈夫です。セルフ式ガソリンスタンドに苦手意識があるライダーも、この機会にぜひチャレンジしてみましょう。
この記事が読者の皆さまのお役に立てば嬉しいです。読者の皆さまのバイクライフを応援しています。
投稿者プロフィール
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熊本県在住。生まれも育ちも熊本。
阿蘇をこよなく愛する生粋の熊本人。
昭和の時代に限定解除し、原付/中型/大型の所有歴あり。
現在の愛機はKawasaki 250TR。
愛機250TRで一日500km(下道)を走破することもある、元気おやじライダー。
「安全第一、無事帰る」をモットーに、今も安全運転を模索しながら走り続けている。
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