バイクのレースを観たことがありますか?
レースに使用されている車両は、素人には扱えないモンスターマシンや一般人には縁遠い超高額なものばかりではありません。
カリカリにチューンされた競技専用車両もあれば、街中で普通に見かける市販車もあります。
「時速350km以上でこんなバトル、同じ人間とは思えない!!」
「こんなすごい走りをするなんて、私が乗っているのと同じバイクとは思えない!!」
1/100秒や1/1000秒を争う限界バトルは、どんなレースカテゴリーでも感動的!速さだけでなく、ライバルとの駆け引き、ライディングフォームやライン取り、マシンのカッコよさなど、見どころを挙げればキリがありません。
バイクのレースに関しては他のスポーツのように地上波放送で気軽に中継が観られる状況でないのが残念なところですが、最近ではYouTubeで中継を行うレースも増え、またオンデマンドを利用すればかなりマニアックなレース観戦も楽しめるようになりました。
今回は、レース大好きライターKanabunが、世界のロードレースから国内の草レースまでをご紹介します。
世界のロードレース
各国のトップライダーたちによるレースは、技術もスピードも圧巻!日本人選手の活躍にも期待が高まっています!
FIMロードレース世界選手権 Moto GP
ロードレースの最高峰・Moto GP。
世界一速い選手たちがヨーロッパ・中東・アジア・オセアニアを転戦して繰り広げられる超絶バトル!2024年シーズンは史上最多の22戦開催となります。
開催クラスはMotoGP(1000cc)、Moto2(765cc)、Moto3(250cc)の3クラスで、全てのクラスにおいてレギュラー参戦中の日本人ライダーが活躍中!
毎秋モビリティリゾートもてぎで開催される日本グランプリは大きな盛り上がりを見せています。
FIMスーパーバイク世界選手権 WSB
FIM公認の市販車最高峰ロードレースです。ヨーロッパを中心に世界を転戦して争われます。2024年は全12戦が開催予定。
参加車両はCBR1000RR-RやYZF-R1、ZX-10Rといった市販車をベースとしています。改造範囲に制限が設けられており、市販車の本来のポテンシャルが試される場となっています。
ここで観られます!
FIM世界耐久選手権 WEC
ル・マン(フランス)24時間、スパ(スペイン)8時間、鈴鹿(日本)8時間、ボルドール(フランス)24時間の全4戦が開催されている世界耐久選手権。
真夏の祭典・鈴鹿8耐は、実は世界耐久選手権のうちの1戦なのです。2024年は7月19〜21日に開催が決定しています。
ここで観られます!
Road to MotoGP
国籍や経済力による格差を解消し、レースに参加しやすい環境を整えるために創設されたプログラム。若く才能のあるライダーたちに、同じステージで競い合い世界へ羽ばたくチャンスを与えています。
Red Bull ルーキーズカップ
ヨーロッパの代表的なサーキットでMotoGPと並行して開催され、6戦12レースで競われます。ランキング上位者がMotoGPの軽量級クラスMoto3への昇格チャンスを掴みます。
出光アジアタレントカップ
アジアとオセアニア地域でのヤングライダー発掘と育成を目的に2014年からスタートしました。
HRCのレース専用車両NSF250Rによるワンメイクレースで、日本、インドネシア、カタールなどで年間6〜7戦が開催されます。Moto3クラス参戦中の古里太陽選手は2021年度のチャンピオンです。
FIM Mini GP World Series
2021年から開始されたRoad to MotoGPの新たなプログラムです。
世界各地で開催される大会を傘下に置き、車両規定やレギュレーションを統一化することで世界中のキッズライダー(10〜14歳)に平等な戦いと学びの場を提供しています。
2023年から日本でもシリーズ開催され、富樫虎太郎選手と国立和玖選手がスペインで行われたWorld Finalに出場。富樫選手は世界ランキング2位を獲得しました!
ここで観られます!
Moto GPビデオパス MotoGP公式サイトでの配信サービス
YouTube公式チャンネル RedBullルーキーズカップ
YouTube公式チャンネル 出光アジアタレントカップ
YouTube公式チャンネル MiniGP World Series
YouTube公式チャンネル MiniGP JAPAN Series
国内のロードレース
全国を転戦する全日本選手権と、全日本へのステップアップをかけて争われる地方選手権。各地のサーキットで熱戦が繰り広げられています。
MFJ全日本ロードレース選手権
国内最高峰のロードレースであり、地方選手権を勝ち抜いたライダーたちにより繰り広げられるハイレベルな戦いです。
排気量とマシンの改造範囲により区分される4クラス(JSB1000、 ST1000、ST600、J-GP3)が開催されています。
2024年シーズンは3月9日に鈴鹿サーキットで開幕、スポーツランドSUGO、モビリティリゾートもてぎ、オートポリスなどを転戦し全8戦で争われます。
ここで観られます!
YouTube motoバトルLIVE
地方選手権
ロードレースの地方選手権は、北海道、東北、関東、中部、近畿、中国・四国、九州の7エリアにおいてサーキットごとのシリーズ戦として行われ、全日本選手権を目指すライダーの戦いの場となっています。
開催クラスは全日本選手権に準じており、JP250(市販車250cc)クラスを加えた5クラスとなっています。
ミニバイクのレース
ミニバイクレースは4ストローク100cc・125ccや2ストローク50cc・80ccといった小排気量のバイクを用いたカテゴリーです。
ポケバイからステップアップしてロードレースを目指すキッズライダー、ミニバイクを専門とする(ガチな)大人のライダーなど、乗り手はさまざま。「サーキットは初めて」というライダーも取り組みやすく、幅広い層に楽しまれています。
HRC GROM Cup
ホンダのGROM(125cc、市販車とレース専用車が存在します)によるワンメイクレースです。全国各地のサーキットでスプリントレース、耐久レースが多数開催されています。
年齢制限がなく、ビギナーからエキスパートまでが楽しめるレースです。
GROMは体格が大きな方であってもライディングポジションがさほど窮屈でなく、どんな方でも乗りやすくフレンドリーなバイクです。
エンジンの耐久性も高く、サーキットデビューのためのバイクとしてもおすすめです。
サーキットをナンバー付きのグロムで走っている方もたくさん見かけますよ!
NSF100 HRC Trophy
4ストローク100ccのミニバイク競技専用車両・NSF100のワンメイクレースです。
車両の改造範囲が厳しく制限され、ほぼノーマル状態の車両が使用されるミニバイクレースのエントリークラスです。
100ccのエンジンを搭載した小柄な車体に12インチのホイールサイズで、ポケバイを卒業したキッズからサンデーレースを楽しみたい大人まで、さまざまなライダーが参戦するカテゴリーです。
未来のGPライダーを目指すキッズライダーも多数参戦しているため、小排気量ながらレースの見応えは充分!
「草レース」だって超スゴイ!!
「草レース」というと、趣味でのんびりと楽しんでいるようにイメージされるかもしれませんが、実際には恐ろしくハイレベルな戦いが繰り広げられる草レースも存在します。
趣味で楽しんでいるうちにプロ顔負けの腕前に…ということはスポーツや芸術などではあることですが、バイクのレースは忖度なしのタイム勝負。プロとアマチュアが入り混じって激戦を繰り広げる、なんていうこともあるのです!
テイスト・オブ・ツクバ(筑波サーキット・茨城県)
国内最大規模といわれる草レースです。
「1980年代までに生産された鉄フレームの車両」というざっくりとした車両規定により、車種選択はさまざま。中古価格が高騰し「お宝」といわれるようになった往年の名車も多数登場するのがこのレース。個性豊かな参加車両がズラリと並んだパドックを歩くだけでも楽しいものです。
アマチュアレースでありながら、参加台数200台超え、観戦者数は数千人と、全日本格式のレースに優るとも劣らない盛り上がりを見せています。
もて耐(モビリティリゾートもてぎ・栃木県)
「世界最大の草レースを目指す」というテーマの下に1998年にスタートした「もて耐」。
ビギナーからベテランライダーまでが一緒に楽しめるレースには現在も多くのライダーが集います。
出場車両の排気量差や性能差を解消するための独自の規則が存在するため、「”いつか、一度は表彰台の真ん中に立てる!”チャンスと夢のあるレース耐久レース!(もて耐HPより引用)」といわれています。
2024年は6月29〜30日に開催されます。通常入場料金+駐車料金のみで観戦可能なので、気になる方はまずは見学から!!
関東ロードミニ選手権(桶川スポーツランド・埼玉県)
「親子からエキスパートまで楽しめるバイクレースイベント」をコンセプトに開催される、桶川スポーツランドのシリーズ戦。
キッズバイククラスからトップライダーがしのぎを削るエキスパートクラスまで、参加車両と走行タイムに応じた細かなクラス分けにより、誰もが安全に楽しくレースを楽しめる内容となっています。
コースレコードには、世界選手権Moto2クラス参戦中の小椋藍選手の名前も!!
【番外編】MotoGPはイケメンの宝庫〜推しライダーを見つけよう〜
ちょっと趣向を変えて、超ミーハーな目でレースを観てみましょう。
「天は二物を与えず」とは、誰が言ったのか!?
Moto GPのライダーは、バイクの技術は言わずもがなですが、そのルックスも超一流!驚くほどのイケメン揃いなのです!
レースにさほど興味がないという方も、だまされたと思って(!?)ぜひ一度ご覧ください。
GPライダーたちはサービス精神も旺盛で、自分にカメラが向いていることに気づくと、ニッコリ笑って手を振ったり、ウインクしたり…
レース中継を見ていて、思わずドキッ!としてしまうこともしばしばです。
走る姿がカッコいいのはもちろんですが、ピットカメラから目が離せなくなること間違いなし!ですよ(笑)!!
Kanabunの独断と偏見で、各クラスの注目ライダーをご紹介します!
MotoGPクラス #49 ファビオ・ディ・ジャンアントニオ選手(イタリア)
Moto2クラス #96 ジェイク・ディクソン選手(イギリス)
Moto3クラス #99 ホセ・アントニオ・ルエダ選手(スペイン)
おわりに
ロードレースに参戦する選手たちは、冬のあいだマシンテストやフィジカルトレーニングを積み、新たなシーズンに備えています。
2024年はMotoGPと全日本ロードレース選手権が同時期に開幕します。
レースの世界をのぞいてみると、バイクという乗り物の奥深さや難しさ、ある局面では怖さを感じる面もありますが、結論としては、技と速さを競い合うことが、どんなカテゴリーのレースでも”とにかくめちゃくちゃカッコいい!!”のです。
来たるシーズン、バイクの楽しみ方の選択肢に「レース観戦」を加えてみてはいかがでしょうか♪
投稿者プロフィール
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神奈川県横浜市出身。バイク歴・二輪業界歴ともに20年。愛車はヤマハYZF-R6(バイク)、ホンダS660(車)。
バイク以外の好物は、鳥、猫、アメ車、蒸気機関車、カメラ、ピアノ、テクノ音楽、ボサノヴァ、オートバイレース、スリランカカレー、イギリス菓子、コーヒー。
夫はMFJ全日本スーパーモト選手権に参戦中!ヘルパーとして遠征に同行すること17年。レース観戦やサーキット走行の楽しさも発信していきたいと思っております。
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