50cc、125cc、250cc…バイクの排気量は様々ですが、150ccクラスはあまり見る機会は少ないかと思います。150ccは主にスクーター類が発売されていますが種類は控えめ。
ただ、それは国内モデルだけの話で、インドやベトナムといった東南アジア圏の国では非常にメジャーな排気量です。国内では少数であるマニュアル車も多数ラインナップされています。
この記事では150ccクラスのバイクの特徴と、2023年現在で新車で購入できるモデルをいくつか紹介します。
150ccは海外輸入車が多い排気量クラス
150ccクラスはホンダをはじめとした国内メーカーが東南アジア圏の国々に向けて様々なモデルを販売しています。これらの国々ではバイクが主な移動手段となっており、街中には多くのバイクが行き交っています。そのため、低排気量である150ccクラスが脚光を浴びているのです。
一方で日本で上記のクラスが浸透しない理由は、日本特有の法律や仕組みの影響があるため、と言われています。しかし、日本の事情を抜きにしても、150ccは他の排気量にはない様々な魅力が詰まったクラスです。
免許の種類・保険の有無
海外では排気量の違いによるバイクへの乗車制限を設けていませんが、日本では免許の種類に応じて乗れる排気量も変わってきます。125ccまでは小型二輪免許を持っていれば乗れたバイクが、150ccでは乗れなくなります。
また、保険の面では125ccまでのクラスはクルマの保険とセットで加入可能なファミリーバイク特約が適用でき、保険料が安く抑えられた一方、150ccでは適用できず250ccと同様の任意保険料を支払う必要があります。
そのため、125ccと250ccの中間に位置する150ccという排気量はマイナーな存在に見られるようです。
街乗りから高速走行までこなせる
150ccクラスのバイクは125cc、250cc双方の利点を兼ね備えた特徴を持ちます。
125ccクラスのいわゆる「原付二種」と呼ばれるバイクは街乗りに向いていると言われますが、150ccクラスも同様の利点を持っています。低速での走行時の取り回しに優れ、ストップ&ゴーが発生しやすい信号や右左折時のバンクをそつなくこなせます。日本でメジャーな250ccクラス(160kg台が多め)に比べると130~140kg台が多め。車重が20kg程違うだけで押し歩き時の負担も軽くなるのです。
高速走行の面では125ccでは法律で入れなかった自動車専用道路が利用可能。排気量や馬力の影響で高速巡航はやや苦手ですが、いざとなれば高速道路を利用してどんな場所にも行けてしまいます。
総じて街乗りも長距離も両方こなせる排気量と言って良いでしょう。
海外輸入車の購入方法と注意点
150ccバイクの海外輸入車は主にバイク販売チェーン店(新車なら「バイク館」、中古なら「バイク王」等)で取り扱いがあり、比較的購入しやすくなっています。国内の新車に比べると価格も安い点も魅力の1つ。
しかし、故障した際のパーツ交換ができない、あるいは時間がかかる点に注意が必要です。保証が付くバイク販売店でも海外からパーツを輸入して修理を行うため、長くて3~4ヶ月か、それ以上かかる可能性があります。不具合によるリコールが発生してもサポートが受けられない点も覚えておきましょう。
また、ホンダの「HONDA DREAM」や「スズキワールド」といった正規ディーラーではそもそもパーツの取り扱いがなく、サポート不可となっています。
新車で買える150ccのバイク おすすめ7選
2023年現在、日本国内で新車で購入可能な150ccクラスのバイクを紹介します。(一部発売予定あり)
なお、本記事に掲載している各車両の購入価格について、国産車はメーカーの希望小売価格は各メーカーの公式サイト、海外輸入車はバイク館の公式サイトに掲載されている情報を参考にしています。
【国産車】スズキ GIXXER 150
現行の国産モデルのうち、ギア車で購入できるバイクはスズキ発のジグザーのみ。平成32年(令和2年)の排ガス規制に適合したモデルが2023年に販売されました。馬力は2022年までに発売されていた同モデルよりわずかに劣るものの、リッターあたり50kmに迫る燃費の良さは健在。カラーリングはそれぞれ印象が異なる3種類から選べます。
価格も国産モデルの中では安価なため、スポーツネイキッドタイプの入門に最適と言えるでしょう。
項目 | ジクサー150 |
全長 | 2,020 mm |
全幅 | 800 mm |
全高 | 1,035 mm |
シート高 | 795mm |
車重 | 139 kg(装備重量) |
燃費(WMTCモード値) | 50.0 km/L |
最高出力 | 9.6 kW〈13 PS〉 / 8,000 rpm |
最大トルク | 13 N・m〈1.3 kgf・m〉 / 5,750 rpm |
タンク容量 | 12L |
メーカー希望小売価格 | 385,000円(税込) |
【国産車】ホンダ ADV160
長らく150ccクラスとして発売されていたホンダのADVが、平成32年(令和2年)排ガス規制に適合し排気量を156ccに上げてモデルチェンジ。同メーカーで人気のスクーターであるPCXは既に「PCX160」として排気量を上げたモデルが登場していましたが、PCXに遅れること約2年でADVが排気量に並びました。
シート高は従来に比べて15mm程度低くなり、本モデルの懸念点と言われた足つきは非常に良くなりました。それでいて、PCXに比べてゴツめの見た目は変わらず。標準で2段階調節が可能なウインドスクリーンが搭載されている点も見逃せません。
比較対象であるPCX160はADV160に比べてシート高は低く、丸みを帯びた見た目といった違いはあるものの、その他の性能に大きな違いは見られず。乗りやすさや好みで選ぶと良いでしょう。
項目 | ADV160 | PCX160 |
全長 | 1,950 mm | 1,935 mm |
全幅 | 760 mm | 740 mm |
全高 | 1,195 mm | 1,105 mm |
シート高 | 780mm | 764mm |
車重 | 136 kg | 133 kg |
燃費(WMTCモード値) | 42.5 km/L | 43.7 km/L |
最高出力 | 12 kW〈16 PS〉 / 8,500 rpm | 12 kW〈15.8 PS〉 / 8,500 rpm |
最大トルク | 15 N・m〈1.5 kgf・m〉 / 6,500 rpm | 15 N・m〈1.5 kgf・m〉 / 6,500 rpm |
タンク容量 | 8.1L | 8.1L |
メーカー希望小売価格 | 473,000円(税込) | 412,500円(税込) |
【国産車】ヤマハ トリシティ155
3輪バイクで注目を集めるヤマハのトリシティですが、2023年4月14日に平成32年(令和2年)排ガス規制に適合したモデルが発売予定です。今回のモデルチェンジで車体からキーに至るまで従来モデルから全面的にアップデートされます。
新たに「Smart Motor Generator」(アイドリングストップ機構)が搭載され、ストップ&ゴーの多い街乗りにより適したバイクとなりました。さらに、バイクそのものがヤマハのスマートフォンアプリ「YAMAHA Motorcycle Connect」に対応し、ペアリングすることで燃費管理や故障通知といった機能を利用することができます。
ヤマハの一般的な150ccクラスの二輪スクーターはスポーティな見た目の「NMAX155」、フラットシートで比較的安価に購入可能な「XFORCE」が発売されています。見た目は違えどエンジンの性能は同じのため、仕様や好みで選んでみましょう。
項目 | トリシティ155 | NMAX155 | X FORCE ABS |
全長 | 1,995 mm | 1,935 mm | 1,895 mm |
全幅 | 750 mm | 740 mm | 760 mm |
全高 | 1,215 mm | 1,160 mm | 1,1120 mm |
シート高 | 770mm | 765mm | 815mm |
車重 | 172 kg | 131 kg | 130 kg |
燃費(WMTCモード値) | 42.1 km/L | 44.6 km/L | 40.9 km/L |
最高出力 | 11 kW〈15 PS〉 / 8,000 rpm | 11 kW〈15 PS〉 / 8,000 rpm | 11 kW〈15 PS〉 / 8,000 rpm |
最大トルク | 14 N・m〈1.4 kgf・m〉 / 6,500 rpm | 14 N・m〈1.4 kgf・m〉 / 6,500 rpm | 14 N・m〈1.4 kgf・m〉 / 6,500 rpm |
タンク容量 | 7.2L | 7.1L | 6.1L |
メーカー希望小売価格 | 566,500円(税込) | 423,500円(税込) | 396,000円(税込) |
【輸入車】ホンダ X-BLADE
2018年よりインドホンダにて販売された、エッジのきいたデザインが特徴的な160ccのスポーツネイキッド。見た目のスポーティさとは裏腹に低速での操作性に優れており、そのギャップに驚くことでしょう。シート高は790mmですが、サスペンションの沈み込みにより足つきが良好で、小柄な人でも乗車できます。そのスポーツネイキッドらしい見た目と価格の手出しのしやすさから、バイク初心者におすすめできるモデルです。
新車購入価格:299,000円(税込み)
【輸入車】ヤマハ YZF-R15M
日本でも人気のスーパースポーツバイクであるヤマハYZF-Rシリーズ。その150ccモデルがインドヤマハにて「YZF-R15M」として販売されています。低回転のトルクから高回転域の伸びの力強さを実現させるVVA(バリアブル・バルブ・アクチュエーション)を持つ点が最大のポイント。低速の取り回しと高速巡行を両立させたモデルとなっています。車重も軽く、その見た目から街乗りでの存在感を発揮しそうです
新車購入価格:459,000円(税込み)
【輸入車】ホンダ WINNER X 150
ベトナムホンダからの輸入モデルで、スクーターやビジネスバイクの様にシートの前に燃料タンクがない「アンダーボーン」と呼ばれる車種です。6速マニュアル車であり、スーパースポーツであるCBR150R系統と同様のエンジンを搭載しているため、外見から想像もつかない太い回転音と力強い走りを実現します。アンダーボーンは東南アジアでは多く見られる一方で、日本ではあまり浸透していない車種のため、普段乗らないようなバイクに触れたいという方におすすめです。
新車購入価格:389,000円(税込み)
↓↓本サイトではkanaeさんが試乗レビュー記事を公開しているため、より詳しく知りたい方は是非ご覧ください。
【輸入車】GPX レジェンド150Fi
タイ発のメーカー「GPX」のネイキッド「レジェンド150」がインジェクション式になって発売されています。トコトコ回るエンジン音に、高回転域に達するまでのスイスイした加速が印象的です。クラシックらしい見た目かつ華奢なボディ、そしてハンドルの軽さから取り回しもしやすく、街乗りをより楽しくしてくれるでしょう。
一般的に車体価格が高額になりがちな倒立フォークを採用していますが、新車でも手が出しやすい値段も魅力的。海外輸入車のデメリットである修理待ちの面も、後述するディーラーからのサポートを受けることで軽減ができます。
新車購入価格:399,300円(税込み)
ちなみにGPXのバイクは正規のディーラーにて試乗ができます。「レジェンド150Fi」以外の車種も試乗可能なので、興味を持たれた方は是非足を運んでみてください。
関連リンク(GPX千葉):https://gpx.chronicle521.com/
150ccバイクはどんな道も駆け抜けられる
東南アジアの道路事情等により主に海外で大きく浸透する150CCクラス。
その魅力は国内の道路でも発揮でき、街乗りから高速巡行まで幅広い走行スタイルを網羅できます。
今後も進化を重ねる150ccクラスのバイクの存在から目が離せません。
↓↓150ccクラスのバイクに関する記事はこちらにも掲載されているため、是非とも併せてご覧ください!
投稿者プロフィール
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主に千葉、神奈川へツーリングに行くことが好きな鈴木敬です。ライダー歴は今年で3年になりました。スズキですがYAMAHA MT-25乗りです笑
一緒にツーリングに行っていた友人がバイクを降りてからソロツーリングメインになり、月一の遠出やソロキャンプを楽しんでいます。
一人気ままなツーリングをしながら得た知見をお伝えしていきたいと思いますので、よろしくお願い致します。
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