夜間は視界が悪く、対向車や街の灯りで歩行者や自転車が見えづらいのであまり走りたくありません。みなさんは自身や周囲の安全のためになにか対策していますか?
夜間の街乗りは、日中に比べて視界が悪く、対向車や歩行者の動きを視認するのが遅れるため、ライダーにとっては不安の多いシーンです。
しかし、適切なマナーや注意点を理解しておけば、安全に走行することが可能。
本記事では、夜間走行での基本的なルールやマナー、視認性を高める工夫、そして走行中に気を付けるべきポイントを解説します。
夜間走行の原則はハイビーム
夜間走行時は、外が暗く視界が制限されるためヘッドライトの使用は欠かせません。とは言え、古いバイクでなければ日中でもバイクはヘッドライトが点灯しています。
日中も点きっぱなしなので夜間走行時にあえてハイビームを活用しているライダーは少ないのではないでしょうか?
しかし、夜間走行時の基本はハイビームです。これは、ハイビームの正式名称が「走行用前照灯」であることからわかります。(ちなみにロービームの正式名称は「すれ違い用前照灯」)
道路交通法 第五十二条 (車両等の灯火)
- 車両等は、夜間(日没時から日出時までの時間をいう。以下この条及び第六十三条の九第二項において同じ。)、道路にあるときは、政令で定めるところにより、前照灯、車幅灯、尾灯その他の灯火をつけなければならない。政令で定める場合においては、夜間以外の時間にあつても、同様とする。
- 車両等が、夜間(前項後段の場合を含む。)、他の車両等と行き違う場合又は他の車両等の直後を進行する場合において、他の車両等の交通を妨げるおそれがあるときは、車両等の運転者は、政令で定めるところにより、灯火を消し、灯火の光度を減ずる等灯火を操作しなければならない。
また、【他の車両等の交通を妨げるおそれがあるときは、灯火を消し、灯火の光度を減ずる等灯火を操作しなければならない。】
とも定められていますが、バイクの場合光度を減ずるためにはハイビームからロービームにする以外に方法がありません。
夜間の峠道や海岸線沿い、田舎道などでは街灯も少なく非常に暗いので、ぜひハイビームを活用して安全運転を心がけて下さい。
夜間の市街地ではロービームを使わざるを得ない
【他の車両等の交通を妨げるおそれがあるときは、灯火を消し、灯火の光度を減ずる等灯火を操作しなければならない。】
ということはつまり先行車や対向車、歩行者がいる場合はロービームにする必要があるという解釈ができます。
市街地ではよほどの深夜や早朝でもない限り人やクルマの往来はそれなりにあるでしょう。みなさんも対向車からのハイビームを受けて目が眩んだ経験があるはず。
目が眩んでしまうと、前方の視界が奪われ、歩行者などに気が付けない場合があり大変危険です。
夜間に市街地を走行する場合には、街の灯りもあり、走行する車両の灯りもあるのでロービームで走行しても視界は十分に確保されます。暗くて前が見えづらいと感じたときだけハイビームにすればいいでしょう。
夜間の視認性を高める工夫
夜間走行において周囲からの視認性を高めるためには、いくつかの工夫が必要です。
まず、ライディングジャケットやヘルメットに反射素材を取り入れると、車のヘッドライトなどで反射するため、他のドライバーにとって視認しやすくなります。
特に、夜間は車のドライバーが遠くからバイクを視認するのが難しいため、反射材を使った工夫は非常に効果的。
最近では、デザイン性の高い反射素材付きのジャケットやアクセサリーも多く販売されており、ファッションを損なわずに安全性を確保できるのもポイントです。
服装に関しては反射材などの活用だけでなく、色選びも視認性を左右する重要な要素です。暗い色は、周囲と同化しやすく、特に街灯の少ない場所では視認が困難になります。
さらに視認性を強化するための工夫として、LEDライトの導入も効果的。
ライト自体を明るくすることで、ライダーが周囲を確認しやすくなるだけでなく、他の車からも存在を認識されやすくなるため、夜間の安全性が大幅に向上するでしょう。
夜間走行中の注意点
夜間走行では視界が悪いため、突然の事態に素早く反応するのが難しくなります。夜間に安全に走行するための具体的なポイントを詳しく解説するのでぜひ最後まで読み進めて下さい。
まず、スピードを控えめにすることは最も基本的な対策です。交通量が少ないからといって、スピードを出し過ぎると路面の障害物や歩行者に気づいた時にはすでに回避が難しい状況になりかねません。
また、日中にも言えることですが、急ブレーキや急ハンドルなどの急な操作は車体のバランスを崩しやすく、夜間は特に避けるべきです。緩やかに減速や方向転換を行いましょう。
さらに、信号が青であっても交差点では細心の注意を払うことが重要。スピードを出しすぎているクルマや信号無視、無灯火のクルマが存在する場合があるからです。
また、交差点に近づく際には、一時停止や減速をして左右確認を行うことで、万が一の事故を防ぐことが可能です。特に右左折する際には、対向車や歩行者の動きを見極める必要があります。
夜間の運転は集中力が切れやすく、他の車両の動きが予測しづらいことも多いため、慎重な運転が求められます。常に危険予測と慎重で冷静な運転を心がけることで、安全な夜間走行が可能です。
周囲の環境への配慮
夜間走行時には、自分の安全だけでなく、周囲の環境や住民に対する配慮も忘れてはいけません。
特に住宅地や自然の多いエリアを通る際には、エンジン音やライトの使い方に注意することで、地域住民や周辺の環境への影響を最小限に抑えることが大切です。
夜間は、音がより遠くまで響き渡りやすく、特に静かな住宅街や人が少ない地域ではエンジン音や排気音が目立ちます。
カスタムマフラーを装着している場合は、特に音量が大きくなりがちなので、アイドリング音や発進時の加速音にも注意を払いましょう。
音のトラブルは住民との摩擦の原因にもなり得るため、穏やかな走行を意識することがマナーといえます。
特に、信号待ちでのスタートや追い越しの際には、アクセルを緩やかに操作するなどして、落ち着いた運転を心がけましょう。
住民への配慮を欠かさない走行を心がけることで、快適でトラブルのない夜間ツーリングを楽しむことができます。
まとめ
夜間は視界が悪く、車両や歩行者の動きが見えにくいことから、ライダーにとって特に不安を感じやすいシーンです。しかし、適切な対策とマナーを意識することで、安全で快適な走行が実現できます。
まず、ライトはハイビームが夜間走行の基本であり、視界が確保しやすい状態を作ることで安心感が増します。ただし、市街地では夜間とはいえ交通量も多いので、必要に応じてロービームと使い分けて下さい。
また、視認性を高める工夫として、反射素材や明るい服装、LEDライトの導入を取り入れることで、他の車や歩行者からも自分の存在をしっかり認識してもらえます。
さらに、夜間ならではの注意点を守り、急ブレーキや急ハンドルを控え、交差点での安全確認を怠らないことで、事故を未然に防ぐことが可能。
加えて、静かで穏やかな走行を心がけることで、地域住民や他のドライバーにも配慮した運転ができます。
夜間走行の日中とは異なるリスクを理解し、落ち着いて対策を取ることで、夜のツーリングを楽しんでください。
投稿者プロフィール
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バイクやキャンプなどのジャンルを専門にライターをしているえもと申します。
モトコネクト立ち上げからライターをさせていただき2022年12月に会社を退職。合同会社Cap.Nemoを設立しました!
バイクの楽しさや便利グッズなどをわかりやすくお伝えしていきます。
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