ヤマハ発動機販売株式会社は、”クロスプレーン・コンセプト*¹”に基づく水冷・4ストローク・DOHC・直列3気筒・888cm³エンジンを軽量アルミフレームに搭載したスーパースポーツモデルの新製品「YZF-R9 ABS」を10月30日に発売します*²。価格は1,496,000円 [消費税10%含む]です。
「YZF-R9 ABS」について
「YZF-R9 ABS」は、「Re-DNAed Supersport」をコンセプトに開発しました。幅広いライダーから支持を得ている「MT-09」のパワーユニットをもとに、ミドルクラス最強のトラックパフォーマンスを具現化。最高のエキサイトメントと、スキルやステージを選ばない親しみやすさを併せ持つ懐の広いモデルに仕上げています。
主な特徴は、以下です。
1) トルクフルで余力のあるパワーを発揮するCP3エンジン(クロスプレーン・コンセプトの3気筒)
2) 当社歴代スーパースポーツ*³最軽量の新型重力鋳造アルミフレーム
3) 足つき性と快適性も考慮したスポーティなライディングポジション
4) 緻密な減衰調整が可能な前後KYB製新型サスペンション
5) ウイングレットの採用などエアロダイナミクス効果の高い外装
6) “YZF-R”シリーズらしさを受け継ぎ進化させたデザイン
7) 「YRC(Yamaha Ride Control)」やクルーズコントロールシステム、「YVSL(Yamaha variable speed limiter)」などの走行支援
8) ラップタイム計測や走行データの可視化が可能なアプリ「Y-TRAC Rev*⁴」など”つながる”機能
※1 クロスプレーン・コンセプトは、慣性トルクが少なく、燃焼室のみで生み出される燃焼トルクだけを効率良く引き出す設計思想
※2 本モデルは、YSPおよびアドバンスディーラーのみで販売する「ヤマハモーターサイクル エクスクルーシブモデル」です。ご購入につきましては当社Webサイト掲載の取扱店までお問合せください
※3 YZF-R1、YZF-R6を指します ※4 アプリは2025年10月14日リリース
企画について
2022年2月に国内発売したスーパースポーツモデル「YZF-R7」は、レーシングマシンを想起させるスタイリングそのままに、カジュアルにスポーツライディングを楽しめる新しいカテゴリーを生み出しました。幅広い層に受け入れられ、需要の高まりを見せています。
こうした時代の声に応え、ヤマハはスーパースポーツの理想を詰め込んだ新しいミドルクラス・900ccの姿を追求。多彩な新技術を織り込み「YZF-R9 ABS」を開発しました。600cc直列4気筒スーパースポーツYZF-R6に匹敵する性能を備えながら、幅広いスキルやステージに対応できる親しみやすさを併せ持つ本モデルの誕生により、”YZF-R”シリーズのラインアップがさらに充実します。
製品情報
■製品名:YZF-R9 ABS
■メーカー希望小売価格:1,496,000円 [消費税10%含む](本体価格 1,360,000円)
■カラー:
・ディープパープリッシュブルーメタリックC(ブルー) NEW COLOR
・マットダークグレーメタリック6 (マットダークグレー)NEW COLOR
・ブルーイッシュホワイトパール1 (ホワイト)NEW COLOR
※価格は参考価格です。メーカー希望小売価格は消費税率10%に基づく価格です。
※メーカー希望小売価格(リサイクル費用含む)には保険料、税金(消費税除く)、登録などに伴う諸費用は含まれていません。
※画像はCG合成によるイメージで、国内モデルとカラーおよび仕様が一部異なる場合があります。
YZF-R9製品サイト: https://www.yamaha-motor.co.jp/mc/lineup/yzf-r9/
「YZF-R9」の主な特徴
1)トルクフルで余力のあるパワーを発揮するCP3エンジン
888cm³・水冷・4ストローク・DOHC・3気筒・4バルブのCP3(クロスプレーン・コンセプトの3気筒)エンジンを搭載しています。燃料供給系には、「YCC-T(Yamaha Chip Controlled Throttle=ヤマハ電子制御スロットル)」を採用し、よりきめ細やかな吸入空気量制御を行っています。
またドライバビリティに寄与する吸排気音に着目し、CP3エンジンらしさを活かすサウンドをデザイン。エアクリーナーボックスの形状とそのカバーに設けたフィンによって、低速・低回転域では排気音が心地よく、高速・高回転域では吸気音を強調、トルク感と加速感を際立たせています。
2)当社歴代スーパースポーツ最軽量の新型アルミフレーム
専用開発の重力鋳造アルミフレームを採用。低荷重域でのしなやかさと、高荷重域での強度の両立を狙いました。ベースモデルの2024年「MT-09」から各剛性はねじり18%、縦37%、横16%アップしています。こうした剛性を充分確保しつつ、軽量化も実現。メインフレームの単体重量は、ヤマハの歴代スーパースポーツ(YZF-R1/YZF-R6)の中でも最も軽い9.7kgです。
3)良好な足つき性と快適性を達成したスポーティなライディングポジション
優れたハンドリングと高い一体感を実現するため、前後荷重配分、ホイールベース、キャスター角、トレール量、前後サスペンションのストロークに伴うバネ上固有値、アンチスクワット率(加速時に車体後方の沈み込みを穏和する割合)などを相互最適化。その上で理想のライディングポジションを決定しました。
適度な前傾姿勢を実現するため、ハンドルポジションからヒップポジションの距離を既存の”YZF-R”シリーズよりも短くし、良好な足付きを確保するため、ヒップポイントと膝周りが窮屈にならないようフートポジションを下げて、運動性とサーキットに限定しないさまざまなシーンにおける乗りやすさを両立しています。
なお、ハンドルはハンドルクラウン下方にマウントするセパレートタイプを採用。スーパースポーツとして求められるフロント荷重を確保しつつ、適度な前傾姿勢による日常的な扱いやすさも重視しました。
4)緻密な減衰調整が可能な前後KYB製サスペンション
新構造のKYB製サスペンションを「YZF-R9」専用にセッティングし、前後に採用しました。
フロントには、2025年モデルのフラッグシップ「YZF-R1」と同じ、インナー径φ43mm・ストローク量120mmの倒立式サスペンションを搭載。イニシャル調整の他、減衰力は右が伸び側、左が圧側を受け持つ左右独立方式を採用。圧側はさらに高速と低速の2WAYセッティングが可能です。ベースバルブを追加しており、ボトム部分へ流入するオイルを制限、もしくは抑止することによって、シリンダー内の圧力を最適化。ストローク時の応答性を高めています。
リアには、極低速減衰力発生構造を持つ新設計のリンク式モノクロスサスペンションを装備。イニシャルの他、伸び側減衰力、圧側減衰力、車高の調整機構を備えています。ピストンロッドの先端に微低速領域を司るバルブを加え、フリクション領域に近い部分の減衰力をコントロール。バネ下の不要な動きを抑え、上質なストローク感と接地感に貢献します。
なお、フロントのアウターおよびリアのリザーバータンクには、外観品質に優れ、耐摩耗性に優れるカシマコートを施しています。
5)ウイングレットを採用したエアロダイナミクス効果の高い新外装
風洞実験や流体解析を幾度も重ね、これまでのヤマハスーパースポーツモデルのなかで、最も空気抵抗が少ない「YZF-R6」より優れたCd・A値*を達成しました。
また、ウイングレットをポジションランプ下部に採用。サーキット走行などでのウィリー限界を高めるためではなく、公道走行時、横風などの外乱を抑制しつつ、旋回中により接地感を高めることを目的とした形状としています。ウイングレットを採用したことにより、直進時は6~7%、また旋回中は、フロントM字ダクト下に設けたスポイラーとの組み合わせで、10%程度前輪揚力を抑制します。
さらに車体の横方向と下方向へ熱を放出する機構を設置。エンジンからの放熱やそれを除去するためのラジエターからの排風による、ライダーへの熱の伝達を抑制するとともに、冷却性能に貢献します。
※Cd値(車両の持つ空気抵抗係数)にA(前面投影面積)を乗じた係数で、数値が低いほど空気抵抗をうけにくく、最高速に有利となる
6)各種走行支援
ライダーが自身の好みや路面状況にあわせて、エンジンフィーリングや各種電子デバイスの介入度を選択できる機能「YRC(Yamaha Ride Control)」を搭載。あらかじめプリセットされた3種のパターン(SPORT/STREET/RAIN)の他、2種のカスタマイズ枠(CUSTOM1~2)、またTRACKモードでは4種の枠(TRACK1~4)から、シーンに応じてモード選択が可能です。
走行をサポートする制御設定可能な項目は、クルーズコントロールシステムや設定した速度に最高速度を制限できる「YVSL(ヤマハバリアブルスピードリミッター)」やトラクションコントロールシステムの他、PWR(パワーデリバリーモード)、SCS(スライドコントロールシステム)、LIF(リフトコントロールシステム)、 QS(クイックシフター:加減速時のアップ/ダウン共に可能)、LC(ローンチコントロール)、EBM(エンジンブレーキマネージメント)、BC(ブレーキコントロール)、BSR(バックスリップレギュレータ)、ABSリアOFFです。
7)ラップタイム計測や走行データの可視化が可能なアプリ「Y-TRAC Rev」など”つながる”機能
5インチのフルカラーTFTディスプレイを採用。速度やデジタルバーによるタコメーターの他、燃料計、平均燃費、水温計、気温計、シフトインジケーターなどの表示機能を搭載。各機能の情報操作、セレクトは、コンパクト化に貢献するFPC(Flexible Printed Circuits)を組み込んだ直感的操作が可能なハンドルスイッチで行います。表示パターンは、4種のテーマとラップタイムをメインにしたTrackモードがあり、好みや走行シチュエーションに応じて選択可能。
また専用アプリ「YAMAHA Motorcycle Connect(略:Y-Connect)」をインストールしたスマートフォンとペアリングすると、「YRC」セッティングや「Y-TRAC Rev」アプリを楽しめるほか、ディスプレイに、電話やメールの着信、スマートフォンの電池残量などを表示。一方、スマートフォン画面では、エンジン回転数、スロットル開度などの表示、オイル・バッテリーのメンテナンス推奨時期のお知らせや燃費管理、車両の最終駐車位置の確認などが行えます。さらに無料のナビアプリ「Garmin StreetCross」をインストールしたスマートフォンと車両を接続すると、ディスプレイをナビ画面として使うことができます。
なお「Y-TRAC Rev」は、サーキット走行中のラップタイム表示をはじめ、ピットクルーからの指示や情報をディスプレイに表示するバーチャルピットボード機能、また車体のCANデータに基づいた走行データをスマートフォンやタブレットで確認ができるなど、サーキット走行を楽しめる無料アプリです。2025年10月14日リリースを予定しています。
8)便利な機能・装備
以下のような便利な機能・装備も採用しています。
• 新設計の14段階アジャスタブルクラッチレバー
• 質感と剛性の高いアルミ鍛造のブレーキペダルとシフトペダル
• ブレンボ製のモノブロックキャリパー「Stylema(R)」
• フラッシャー機能とハザード時の点滅機能に加え、「二段階フラッシャー機能」「エマージェンシーストップシグナル」「消し忘れ機能」を搭載したフラッシャー
• 良好な足つき性と乗降性を実現したシート
• USB Type-C端子に対応した充電ソケットをシート下に設置
9)”YZF-R”シリーズのアイコンを受け継ぎ進化させたデザイン
フロントフェイスのM字ダクトや二眼ポジションランプ、サイドビューの水平を基調とした「ホリゾンタル・ムーブメント」など、”YZF-R”シリーズのDNAを継承しつつ、ウイングレットの採用など、新世代”R”としての進化も感じさせるスタイリングを採用しました。
カラーリングは、3色を採用。”YZF-R”のブランドを象徴するヤマハレーシングブルーを表現した”ブルー”、シリアスなスポーティネスを表現し、幅広い層に向けた”マットダークグレー”、初代「YZF-R1」の《白と赤》のトーンを本モデルの造形&時代感にマッチするように仕上げた”ホワイト”です。
YZF-R9 | ||
---|---|---|
認定型式/原動機打刻型式 | 8BL-RNA3J/N722E | |
全長/全幅/全高 | 2,070mm/705mm/1,180mm | |
シート高 | 830mm | |
軸間距離 | 1,420mm | |
最低地上高 | 140mm | |
車両重量 | 195kg | |
燃料消費率*1 | 国土交通省届出値 定地燃費値*2 |
34.0km/L(60km/h) 2名乗車時 |
WMTCモード値 *3 | 20.9km/L(クラス3, サブクラス3-2) 1名乗車時 | |
原動機種類 | 水冷・4ストローク・DOHC・4バルブ | |
気筒数配列 | 直列, 3気筒 | |
総排気量 | 888cm3 | |
内径×行程 | 78.0mm×62.0mm | |
圧縮比 | 11.5:1 | |
最高出力 | 88kW(120PS)/10,000r/min | |
最大トルク | 93N・m(9.5kgf・m)/7,000r/min | |
始動方式 | セルフ式 | |
潤滑方式 | ウェットサンプ | |
エンジンオイル容量 | 3.50L | |
燃料タンク容量 | 14L(無鉛プレミアムガソリン指定)) | |
吸気・燃料装置/燃料供給方式 | フューエルインジェクション | |
点火方式 | TCI(トランジスタ式) | |
バッテリー容量/型式 | 12V, 8.6Ah(10HR)/YTZ10S | |
1次減速比/2次減速比 | 1.680(79/47)/2.687(43/16) | |
クラッチ形式 | 湿式, 多板 | |
変速装置/変速方式 | 常時噛合式6速/リターン式 | |
変速比 | 1速:2.571 2速:1.947 3速:1.619 4速:1.380 5速:1.190 6速:1.037 | |
フレーム形式 | ダイヤモンド | |
キャスター/トレール | 22°35′/94mm | |
タイヤサイズ(前/後) | 120/70ZR17M/C (58W)(チューブレス)/180/55ZR17M/C (73W)(チューブレス) | |
制動装置形式(前/後) | 油圧式ダブルディスクブレーキ/油圧式シングルディスクブレーキ | |
懸架方式(前/後) | テレスコピック/スイングアーム(リンク式) | |
ヘッドランプバルブ種類/ヘッドランプ | LED/LED | |
乗車定員 | 2名 |
■リリース:ヤマハ発動機株式会社
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