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【ロイヤルエンフィールド スーパーメテオ650 試乗】伝統的なバイクらしさをクルーザースタイルで!

ロイヤルエンフィールド久しぶりのクルーザーを発表!

スーパーメテオ650で走り出すと、僕は自然と頷き、そして静かに感動した。違和感や不安感みたいなものが一切なく、すべてが理想的な反応を見せるのだ。その車体構成は近年登場する新車の中では信じられないほどシンプルで、スペックの数値だけを見たら特筆すべき点はどこにもない。それなのに、この説得力は本当に凄い。

2021年のEICMAで発表されたロイヤルエンフィールドのスーパーメテオ650とスーパーメテオ650ツアラーは、日本でも人気のメテオ350の兄貴分として登場。メテオとは流星の意味で、EICMAの会場の天井には星空をイメージしたオブジェが吊るされていた。

メテオとは流星という意味。EICMA2022のロイヤルエンフィールドのブースには、星空をイメージしたオブジェが飾られていた

ロイヤルエンフィールドのバイク作りはここ数年で大きく進化している。2015年あたりから抜本的な改革が行われ、イギリスとインドにテクニカルセンターを設立。2つの場所でR&Dを行い、それまで外注に出していた仕事を内製化。その技術をどんどん社内に蓄積し、さらに品質も大きく向上させている。

スーパーメテオ650に搭載される648ccの空冷SOHCエンジンは、コンチネンタルGT650やINT650のものをベースとし、トラディショナルな佇まいからイメージさせる鼓動感の他にきちんとしたポテンシャルも確保。いつだって排気量以上の加速を約束してくれる。

排気量の割に大きな存在感のあるエンジンを搭載。シンプルな車体構成がトラディショナルな雰囲気を高める

空冷648ccのSOHCパラレルツインエンジンは、270度クランクを採用する不等間隔爆発で、47ps/7250rpmを発揮。ツアラーの特性に合わせ、コンチネンタルGT650やINT650よりもローギヤード化。エアボックス容量も増やしている。ミッションのタッチは感動的なほど素晴らしい

バイク好きが作ったバイク、それがスーパーメテオ650

冒頭で書いた馴染みやすさを、僕はこの2〜3年で登場した多くのロイヤルエンフィールドのバイク、すべてで感じていた。キャリアを問わず乗りやすく、それでいてバイク本来の魅力を感じやすいのだ。一言でいうとどれもが「良いバイク=バイク本来の楽しさを教えてくれるバイク」であり、車両価格の割にはそれほどコストダウンしたディテールもなく趣味性に溢れているのだ。

リラックスできる手前に引かれたハンドル。スピードメーターの隣にある小さなメーターは簡易ナビのトリッパーで、スマホに専用アプリを入れて使用する

ティアドロップ型の燃料タンク。容量は15.7リットルだ

2日間で370kmほど走行したがお尻が痛くなることはなかった。ロイヤルエンフィールドのシートはどれもとても上質だ

ロイヤルエンフィールドに乗ると「バイクを好きな人が作っているんだろうなぁ」と思うことが多かったのだが、今回の試乗会に参加して納得。試乗会には開発陣の他に、ロイヤルエンフィールドを傘下に収めるアイシャーグループの社長やロイヤルエンフィールドの社長も参加。一緒に走って60名ほどのジャーナリストと交流していた。

試乗会には世界中から60名ものジャーナリストが参加。インドやイギリスのテクニカルセンターからも多くの開発陣が参加し、100台ほどのバイクが用意されていた

車体から伝わるインフォメーションが常に正確

この試乗会はインド北部の街であるジャイサルメールを2日間走行する内容。初日は撮影とインドの交通事情に慣れることを目的に70kmほど走行。2日目は高速道路を使って300kmほどをツーリング。途中、スーパーメテオ650とスーパーメテオ650ツアラーを乗り換えながら移動した。

インドの交通社会は動物との共存だ。未舗装路も多く、厳しい環境でしっかりと開発されていることが随所から伝わってくる

2日目の夜、砂漠に到着するとこんなシーンが。砂漠のオアシスっぽいところをライティングしてプレゼンの会場にしていた

跨ると身長165cmの僕には少し大柄だが、重くて大きいというよりはしっかり頼れる安心感があるイメージ。クルーザーポジションが初めてだと何度かステップを探してしまうかもしれないが、すぐになれると思う。足着き性もそれほど良い感じはないが、不安なほどではなかった。

身長165cm/体重65kgのポジション。小柄なライダーには少し大柄に感じるが走り出すとリラックスできる。装備重量241kgは排気量にしては重め。取り回しにはビッグバイク並みのコツが必要だ

身長165cm/体重65kgの足着き性。シート高は740mmでスーパーメテオ350よりも低いのだが、ご覧の感じ。ただし、キャリアがあればそれほど気にならないはず

走り出すと、ただまっすぐ走ることが嬉しくて、砂漠の街に馴染んでいる自分とスーパーメテオの世界観がとても心地よい。スロットルを開け、風を感じ、止まって、曲がる。この一連の動作がとても素直。サスペンションやエンジン、フレームから感じられるインフォメーションが豊富だし、正確なのだ。

インドの路面は砂が浮き、大きなギャップが頻繁に現れる。しかし、そんな中でもショーワ製の前後サスペンションは上質な動きを披露。しっかりと踏ん張り、底付きしてしまうようなこともなかった。また、前後ブレーキもコントロール性が高く、さらに砂地や動物の飛び出し時によるABSの介入も自然だった。

フロントフォークはロイヤルエンフィールド初の倒立を採用。ショーワ製のビッグピストンフォークで大きな路面のギャップを超えても底付きしたりしないのが良い

リヤはプリロードの調整が可能なショーワ製の2本ショック。タンデムもきちんと想定した若干硬めのセッティングだが、乗り心地も良い

とにかく常にコントロールしている実感を得ることができ、これはロイヤルエンフィールド傘下であるハリスパフォーマンス製のフレームによるところが大きく、車体やサスペンションを厳しいインドのシチュエーションでしっかりテストして作りんでいるのが伝わってくる。

高速道路では速さも発揮!

「スタイルはクルーザーだけど、ロードスター的なコーナリングも楽しめます」と車両をトータルで管理しているマークさん。その言葉通り、ハンドリングはロングホイールベースを感じさせない軽快さで、コーナリングも楽しめる。タイヤはインドのシアット製。スーパーメテオ650専用のチューブレスで、グリップも乗り心地もとても良い。

ロー&ロングなクルーザーのシルエットだが、よく曲がるののもスーパーメテオ650の魅力

高速道路では100km/h、120km/h巡航がまったく苦にならない。それどころか120km/hから6速固定のまま全開にしてみたけれど、まだまだ加速していく余裕を持っていた。
低回転域では豊かな鼓動感を持ち抜群に気持ちの良いエンジンだが、高回転域では振動もなくレスポンスの良さを披露してくれる。

2日間、スーパーメテオ650とスーパーメテオ650ツアラーを様々なシーンで乗り比べながらのツーリングだったが、低速域ではスーパーメテオ650の方がハンドリングが軽く、ツアラーは安定型。サスペンションは同じだというからスクリーンの影響だろう。

スーパーメテオ650ツアラーの巨大なウインドシールド。かなりの速度域でもライダーは走行風に耐えなくて済むため疲労度が全然違う

そして高速道路での移動は当然ツアラーが快適だった。速度が上がっても走行風を感じさせないスクリーンは、上半身と腕を完璧にリラックスさせてくれるのだ。

クルーザーポジションは特に速度が上がると車体をホールドするのが難しいのだが、上半身と腕をリラックスできると自然と下半身で車体をホールドでき、無駄な力が入らないため疲労度が全然違うのだ。

スーパーメテオ650ツアラーのシートは、ライダー部分もコンフォート仕様で、パッセンジャー部分にはシーシーバーを装備。今回はカメラマンを乗せて走ったが、シーシーバーはかなり頼れるし、疲労感も少ないとのこと

ウインドスクリーンとシーシーバー付きシートの付いたスーパーメテオ650ツアラー。どちらの装備も長距離移動時やパッセンジャーの疲労を軽減してくれる

高速道路メインのロングツーリングが好きなら迷わずスーパーメテオ650ツアラーをオススメしたい。

ライバルはホンダのレブル

スーパーメテオ650のライバルはホンダのレブル500。ちなみにメテオ350のライバルはレブル250。どちらもレブルよりも大柄で豪華な作りが魅力だ。エンジンの造形やメッキパーツの採用、丸みを帯びた各部のディテールは、トラディショナルでありながら昔ながらのバイクを思い出させてくれるもの。

決定的にフィーリングが異なるのはスロットルを開けた時トラクションの生み方だ。どちらのメテオも排気量以上のトルクで後輪のグリップを生み出し、加速させてくれるのだ。

スーパーメテオ650の日本上陸時期は未定だが、楽しみに待ちたい。

スーパーメテオ カラーバリエーションと主要諸元

スーパーメテオ650 アストラル・ブラック

スーパーメテオ650 アストラル・グリーン

スーパーメテオ650 アストラル・ブルー

スーパーメテオ650 インターステラ・グリーン

スーパーメテオ650 インターステラ・グレー

スーパーメテオ650ツアラー セレスティアル・レッド

スーパーメテオ650ツアラー セレスティアル・ブルー

【主要諸元】

Engine
Type Parallel twin, 4 stroke, SOHC, Air-Oil Cooled
Displacement 648cc
Bore x stroke 78 mm x 67.8 mm
Compression Ratio 9.5 : 1
Maximum Power 34.6 kW (47PS) @7250 rpm
Maximum Torque 52.3 Nm @5650 rpm
Clutch Wet, multi-plate
Gearbox 6 Speed constant mesh
Fuel Supply Electronic Fuel Injection
Air Cleaner Paper element
Engine Start Electric
Chassis & Suspension
Type Steel Tubular Spine Frame
Front suspension 43mm Upside Down Telescopic Fork, 120mm travel
Rear suspension Twin Shocks, 101mm travel, preload adjustable
Electricals
Battery 12 volt, 12 Ah, VRLA
Head Lamp FPL 1.55 W LED
Tail Lamp 2.5 W, LED
Charging Port USB 2.0 Type A - 5V 2A Output
Dimensions
Wheelbase 1500 mm
Ground Clearance 135 mm
Length 2260 mm
Width 890 mm (without mirrors)
Height 1155 mm
Seat Height 740 mm
Kerb Weight 241 kg (with 90% fuel & oil)
Fuel Capacity 15.7 litres
Brakes & Tyres
Tyres Fr. 100/90 - 19 M/C 57H (Tubeless Type)
Tyres Rr. 150/80 B16 M/C 71H (Tubeless Type)
Brakes Front Single 320mm disc, twin piston oating caliper
Brakes Rear Single 300mm disc, twin piston oating caliper
ABS Dual Channel
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小川 勤

1974年、東京都生まれ。18歳からバイクライフをスタート。出版社に入社後、 20年以上バイク雑誌一筋で編集者生活を送り、バイク誌の編集長を8年ほど 経験。編集人生のモットーは、「自分自身がバイクに乗り、伝える」「バイクは長く乗るほど楽しい!」。過去 には、鈴鹿4耐などの様々なイベ ントレースにも参戦。海外のサーキットで開催される発表会に招待いただくことも 多く、現地で試乗して感じたことをダイレクトに誌面やWEBに展開してきた。 2022年、フリーランスのモーターサイクルジャーナリストとして始動。

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