皆さんはバイクに乗るときプロテクターを装備していますか?真夏は通気性も悪いし、薄手の私服で乗りたいという人もいるかもしれません。
夏にバイクに乗っていると、『風が気持ちいいでしょうね!』等と言われますが全然そんなことはないですよね(苦笑)
高い気温と湿気でこまめに休憩と水分補給をしていないと熱中症の危険があります。
しかしだからといってあまりにも薄着でツーリングに出かけるのも危険。そこで重要となるのが、涼しく保ちつつも高い保護性能を有するバイク用プロテクターです。
この記事では、事故でプロテクターのありがたさを実感した経験のある私が、暑い季節でも快適にバイクを楽しむために、通気性と安全性を兼ね備えたプロテクターをご紹介します。
プロテクターの基本
バイク用プロテクターは、事故が発生した際にライダーの身体を保護する役割を果たし、重大な怪我を防ぐための重要な役割を担っています。
プロテクターなしでバイクに乗ると、小さな転倒や事故でも大きな怪我を負う可能性も。
これらのプロテクターは、特に肩、肘、背中、胸など、衝撃により怪我をしやすい部位にそれぞれ装着するものが多く、中にはすべてが一体となったウェアも存在します。
その中でも、CE規格(欧州連合の安全基準)に準拠したプロテクターは安全面で一定の信頼性があります。
CE規格に認定されたプロテクターは、定められた安全基準を満たしており、その品質と保護能力が保証されているからです。
この規格に準拠したプロテクターは、厳しい衝撃試験や耐久試験をクリアしており、高い安全性を期待できます。安全で快適なライディングのために、適切なプロテクターを選択しましょう。
CE規格とは
CE規格とは、EUにおける製品の安全性、健康、環境保護の基準に関する規格です。適合した製品には、EUの広範な要求を満たしていることを示す【CEマーク】が表示されます。
このCEマークはその製品が特定の安全基準と性能基準を満たしていることを保証するものです。
CE規格の種類
バイク用プロテクターには、主に以下のようなCE規格が適用されます。
- EN 1621-1: 肩、肘、膝、および脚の保護具に関する規格。衝撃吸収性能に焦点を当て、特定の衝撃テストをクリアしている必要があります。
- EN 1621-2: 背中のプロテクターに関する規格。これも衝撃吸収テストを行い、ライダーの背骨を守るための設計が求められます。
- EN 1621-3: 胸部のプロテクターに関する規格。衝撃吸収テストを行い、胸部を衝撃や外部からのダメージから保護するために設計されています。
- EN 13595: バイク用ジャケット、パンツ、ツナギに関する規格。耐摩耗性、引裂き抵抗性、縫製の強度が試験されます。
CE規格の重要性
CE規格に準拠したバイク用プロテクターを選ぶことは、ライダーにとって多くのメリットをもたらします。
CEマークが表示されている製品は、一定の品質と安全性が保証され、事故時の保護能力が高さが期待できます。CE規格はバイク用プロテクターを選ぶ際の信頼の基準です。
プロテクターの種類
バイク用プロテクターは、ライダーの安全を確保するためにさまざまな種類があります。以下に、主なバイク用プロテクターの種類とその特徴を解説します。
1. ライディングジャケット
ライディングジャケットには、肩、肘、背中にプロテクターが内蔵されています。これらはライダーが転倒した際に重要な部分を守るために設計されています。
- 肩プロテクター: 肩の関節を保護し、衝撃を分散。
- 肘プロテクター: 肘の関節を保護し、転倒時の怪我を防ぐ。
- 背中プロテクター: 脊椎を守るために設計され、特に重大な怪我を防ぐ役割を果たす。
服の下に着るインナープロテクターもあります。
2. ライディングパンツ
ライディングパンツには、膝と腰の部分にプロテクターが内蔵されています。
- 膝プロテクター: 膝の関節を保護し、転倒時の衝撃を吸収します。
- 腰プロテクター: 腰部を保護し、背骨の下部へのダメージを軽減します。
パンツの下に履くインナープロテクターもあります。
3. 胸部プロテクター
胸部プロテクターは、胸の重要な器官を守るために設計されています。EN 1621-3規格に準拠しているものは、一定の衝撃試験をクリアしており、高い保護性能を提供します。
最近のライディングジャケットには、胸部プロテクター用のポケットが付いていたり、最初から胸部プロテクターが装備されているものもあります。
私の愛用しているメッシュジャケットにも、標準装備ではないものの胸部プロテクター用のポケットはあります。
標準装備でCE規格を取得しているものが付属していることは少ないですが、ジャケット選びの参考にして下さい!
4. ネックプロテクター
ネックプロテクターは、首の動きを制限し、事故時に首が過度に動かないようにすることで、頸椎の怪我を防ぎます。
5. ライディングシューズ
ライディングシューズは、足首、かかと、つま先を保護するために設計されています。強化された素材と硬いシェルが特徴です。
6. ライディンググローブ
ライディンググローブは、手の甲、指関節、手のひらを保護します。転倒時に手をついた際の怪我を防ぐために重要です。
7. フルボディスーツ
フルボディスーツは、いわゆるレーシングスーツ(革ツナギ)です。前述のすべてのプロテクターが一体化されており、全身を守るための最も包括的なプロテクション機能を有します。
プロテクターの選び方
真夏でも涼しく快適にバイクライディングを楽しむためには、適切なプロテクターの選び方が重要です。以下に、夏の暑さに対応しつつ高い安全性を確保するプロテクターの選び方を解説します。
1. メッシュ構造のプロテクター
メッシュ構造のプロテクターは、通気性が高く、体温を効果的に逃がす設計になっています。これにより、夏の暑い日でも涼しく快適に過ごせます。
- 通気性の高い素材: メッシュ素材は空気の流れを確保し、汗をかいても素早く乾燥します。
- 軽量設計: 軽量な素材を使用することで、着用感が軽く、長時間のライディングでも疲れにくいです。
2. エアスルー機能を備えたライディングギア
エアスルー機能は、ウェアの中に空気の通り道を作り、走行中に自然な風を取り込む設計になっています。
- エアダクトの配置: ジャケットやパンツにエアダクトが配置されているものを選ぶと、走行中の風が内部を通り抜け、涼しさを維持します。
- 調整可能な通気口: 開閉可能な通気口があると、気温や天候に応じて通気性を調整できます。
3. 安全性の高いプロテクター
夏でも涼しく過ごせるプロテクターであっても、安全性を犠牲にしてはいけません。CE規格に準拠したプロテクターを選ぶことで、確実な保護性能を確保できます。
- EN 1621-1: 肩、肘、膝のプロテクターに適用されるCE規格。
- EN 1621-2: 背中のプロテクターに適用されるCE規格。
- EN 1621-3: 胸部のプロテクターに適用されるCE規格。
おすすめの夏用プロテクター
様々な種類のプロテクターについて解説してきましたが、ここからはEN 1621-1、EN 1621-2、EN 1621-3を取得しているプロテクターに絞っておすすめ商品をご紹介します。
【コミネ】エニグマ エアスルーシリーズ
コミネのエニグマシリーズは、特に夏のライディングに適したプロテクターとして、多くのライダーに支持されています。
世界最薄を謳っているプロテクターで、CE規格のレベル2を取得しています。メッシュ構造のため風も通りやすくつけ心地は快適。
安全性と快適性を両立したこのシリーズは、初心者からベテランまで幅広い層におすすめです。
【デイトナ】耐切創プロテクタースリムフィットインナー ジャケット
デイトナの耐切創プロテクタースリムフィットインナージャケットは、胸・肘・肩・背中にCE規格レベル1のトリプルフレックスを装備しています。
トリプルフレックスは、シート状でフレキシブルに身体に追従するので着用時のストレスが少なく快適です。
タイトなフィット感でプロテクターが目立たず、日常のおしゃれ着の下にも快適に着用可能。また、通気性の良いメッシュ生地で、長時間のライディングでも快適さを維持します。
高い耐摩耗性と耐引裂性を持ち、フレキシブルな保護性能を兼ね備えているため、どんなシーンでも安心して使用できます。
【ダイネーゼ】PRO-ARMORシリーズ
ダイネーゼのPRO‐ARMORシリーズは、柔軟性と軽量性、堅牢性を完璧に組み合わせた構造のプロテクターです。
通気性の高い構造により、夏の暑い日でも快適に着用することができます。プロテクターのデザインには大きな通気孔が設けられており、ライディング中に身体の熱を効果的に逃がします。
まとめ
夏でも涼しく安全にバイクライディングを楽しむためには、適切なプロテクターの選び方が重要です。
メッシュ構造やエアスルー機能を備えたプロテクターを選ぶことで、通気性を確保し、体温を効果的に逃がすことができます。これにより、暑い日でも快適に過ごせます。
また、CE規格に準拠した製品を選ぶことで、高い安全性と保護性能が保証されます。これらの製品は、軽量で通気性が良く、衝撃吸収性能が高いため、夏のライディングに最適です。
さらに、ジャケットやパンツの内側に着用するインナープロテクターも検討しましょう。これにより、薄手のアウターを重ねることで涼しさを保ちつつ、安全性を確保できます。
夏のライディングを安全かつ快適に楽しむために、これらのポイントを参考にして、最適なプロテクターを選んでください。しっかりとした装備で、安全で楽しいバイクライフを送りましょう。
投稿者プロフィール
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バイクやキャンプなどのジャンルを専門にライターをしているえもと申します。
モトコネクト立ち上げからライターをさせていただき2022年12月に会社を退職。合同会社Cap.Nemoを設立しました!
バイクの楽しさや便利グッズなどをわかりやすくお伝えしていきます。
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