全国各地に点在している、奇妙な建物や巨大なモニュメント「珍スポット」。なんだかよくわからない魅力に惹かれて、ついつい立ち寄ってしまうバイク乗りさんも多いのではないでしょうか。もちろん、私もその一人です。
これまでに立ち寄った珍スポットを整理していて気づいたのですが、珍しい地名の付近には珍スポットが集まっているような気が・・・。
そこでこの記事では、実は福岡県に住んだことがあるカゲモトが、九州地方にある珍地名と、周辺に点在する珍スポットをまとめてご紹介します!地名4か所+スポット13か所のうち、あなたはいくつ知っていますか?
ぜひ、最後までお付き合いください。
九州の珍地名は「志布志市志布志町志布志」だけじゃない
つい声に出して読みたくなる珍地名「志布志(しぶし)」。以前、フェリーが発着する志布志港について少しご紹介したところ、MotoConnect編集長に誤植じゃないかと心配されたことから、今回のテーマが決まりました。
大阪南港発のさんふらわぁが入港する、鹿児島県の港の住所はなんと「鹿児島県志布志市志布志町志布志3292志布志港」。冗談のような地名ですが、志布志町周辺は志布志であふれかえっています。
ちなみに地名の由来は、この地に訪れた天智天皇に向け、地元女性とその侍女が布を献上したところ「上下より布を志す、誠にこれは上下の志布志である」といわれたことが始まりだそう。志布志は日本一「志」の多いまちとして、メディアでも取り上げられています。
そして九州には、深い意味がありそうな難読の珍地名が多いです。まずは、九州西部にある刺激的な地名をご紹介しましょう!
二度見してしまう「女の都」|長崎県
ツーリング中に「女の都」と書かれた標識を見つけてしまったら、二度見は避けられません。バス停には「女の都入り口」や「女の都団地」など、なんとも刺激的な名前がつけられています。でも、残念ながら?女性だけが住む町というわけではありません。女の都は「めのと」と読み、町内には男性も住んでいます。
地名の由来は、「乳母(めのと)」が転じて女の都になったとか、平家の女官が落ち延びた地だったとか、諸説あります。
長崎県の珍スポット
想像力を掻き立てる地、女の都周辺の珍スポットをご紹介します。
ベイガ船長
南島原市にあるフェリー乗り場のすぐ横には、ご当地キャラ「ベイガ船長」が意味ありげなポーズで立っています。口之津港の開港450年記念事業のPR大使として登場したそうです。モデルになったのは、1567年に入港したポルトガル船の船長「トリスタン・ヴァス・デ・ヴェイガ」さん。
巨大なベイガ船長はフェリーの運営会社、島鉄バスの敷地内に立っています。確認したところ、現在は立ち入り禁止の看板があるため、近づけないかもしれません。ですが、入り口付近で記念撮影は可能です。
ちなみに、南島原市周辺には野生のイルカが生息しています。運が良ければ、フェリーから見えることもあるそうです。
楠浦の眼鏡橋
フェリーで天草市に渡り、18kmほど南下すれば、方原川にかかる渋い橋「楠浦の眼鏡橋(くすうらのめがねばし)」が現れます。明治初期に地元の石工によって建設されたアーチが美しい石橋です。橋は芝生と苔に覆われ、物語のワンシーンに出てきそうな趣があります。
すぐそばに、バイクも駐められる舗装の広場と東屋があるので休憩にも最適です。
眼鏡岩
ハウステンボスやハンバーガーで有名な佐世保からご紹介するのは、2連アーチが特徴的な「眼鏡岩」です。昼寝をしていた大鬼が寝起きにぐーっと伸びをしたところ、足元の大岩を突き破ってしまったらしいです。鬼の「あちゃ~」という声が聞こえてきそう。
眼鏡岩は、実写映画化もされたアニメの聖地で、最近はテレビでも紹介された注目のスポットです。
フルーツのバス停
国道207号を諫早市(いさはやし)内から志賀方面に向かって走ると、突如現れるのが「フルーツのバス停」。イチゴやスイカ、メロンやトマトなどありますが、お気に入りは阿弥陀崎のミカンです。ミカンのオレンジと青い海のコントラストが良い感じ!
ぜひ、お気に入りのフルーツのバス停を見つけてください。
旧佐世保無線電信所
異様な雰囲気のある「旧佐世保無線電信所」は長崎ツーリングでぜひ立ち寄ってほしいスポットです。国道202号線を南下しカーブを抜けると、異世界に迷い込んだような景色が広がります。3本の電信塔は直径12.1m、高さ136mもあり、国内に唯一残る長波通信施設として国重要文化財に指定されています。
巨大な電信塔とそばにある電信所は、内部の見学が可能です。電信塔は近づけば近づくほど巨大さを感じられて迫力満点!内部から見上げると、塔の途方もない高さを実感できます。電信所の中では、当時の雰囲気が感じられ、見ごたえたっぷりです。施設は30分くらいで一通り回れるので、ぜひ内部も見学してみてください。
旧佐世保無線電信所の詳細情報
電話番号 | 0956-58-2718 |
観覧料 | 無料 |
開館時間 | 9:00~12:00 13:00~16:00 |
定休日 | 年末年始 |
公式サイト | https://www.city.sasebo.lg.jp/kyouiku/bunzai/kengaku.html |
伝説が残る街「鯰」|熊本県
熊本県の嘉島町にある「鯰」の読み方は、そのまま「なまず」で正解です。その昔、阿蘇を開拓している神様がカルデラに貯まった水を抜こうと山をけ破ったところ、湖の主だった大鯰が飛び出てきたそうです。神様との話し合いの末、大鯰が流れ着いたのがこの地域でした。
流れ着いた大鯰がどうなったかというと、隣町「六嘉」という地名の由来から、おそらく食べられたようです。大鯰が大きすぎるので6つに切り分けたとか、残った骨が六荷(約360キロ)あったという伝説が残っています。
大鯰への感謝を忘れないために鯰に鯰神社が建立され、今も神様として大切に祀られています。
熊本県の珍スポット
ちょっと不憫に感じる大鯰へお参りした後は、鯰周辺の珍スポットを巡りましょう!
でっかい学校椅子 オブジェ
阿蘇のご当地グルメ、あか牛丼が食べられる「いまきん食堂」のすぐ隣にあるのが「でっかい学校椅子 オブジェ」です。懐かしい学校の椅子が、そのまま巨大化しています。巨大椅子の下には人間用の椅子も設置されているので、記念撮影に最適!
ところで、いまきん食堂は人気店のため、いつも行列が絶えません。色々巡りたいから並ぶ時間がない!そんなときはテイクアウトをお試しください。ほとんど待ち時間もなく並ばず購入できるので、先を急ぐバイク乗りさんにオススメです。
阿蘇にはご馳走ロードの他に、巨大狛犬や巨大バイクなどの珍スポットも多くあります。あか牛丼をお弁当に阿蘇ツーリングを楽しんでみてはいかがでしょうか。
いまきん食堂の情報
電話番号 | 0967-32-0031 |
予約 | テイクアウトのみ可 |
開館時間 | 11:00~15:00 |
定休日 | 水曜日 |
公式サイト | http://aso-imakin.com/ |
あか牛丼のテイクアウトは10:00から予約が可能です。最短提供時間は45分後なので、余裕をもって注文してください。
八角トンネル
熊延(ゆうえん)鉄道が廃線になった後も残り続ける八角形のトンネルは、ご存じの方も多いのではないでしょうか。見た目のとおり「八角トンネル」と呼ばれていて、落石除けとして作られたとされています。なぜ八角形なのか、なぜ等間隔に隙間があるのかなど、謎が多く残る遺構です。
駐車場から森の中を200mほど歩けば到着。自然の中に突如現れる不思議なトンネルは、異次元への入り口のような異様な雰囲気があります。駐車場は未舗装なので取り回しに気をつけてください。
八朔祭大造り物小屋
熊本県の山都町では、毎年9月に五穀豊穣と豊年祈願の祭り「八朔祭(はっさくさい)」が行われています。八朔祭の主役、町内を引き回される巨大な山車「大造り物」は見逃せません。11の連合組が技術を競い合いながら作る大造り物は迫力満点です!
大造り物は祭が終わっても町中のあちこちで展示されています。山都町の観光名所「通潤橋(つうじゅんきょう)」とセットでお立ち寄りください。
森の妖精ゆかりの地?「土々呂」|宮崎県
宮崎県延岡市にある土々呂町は、名作アニメに登場するキャラクターと同じ「ととろ」と読みます。偶然にも県名と監督の名前が同じことから「なにかゆかりがあるのでは?」と深読みしてしまいます。実際のところ、どうなのでしょうか。
調べたところ、まったく関係ありませんでした。地名の由来も不明です。
宮崎県の珍スポット
人気キャラクターと同じ名前の土々呂町周辺にある珍スポットをご紹介します。土々呂町とジ◯リの関係性は見つけられませんでしたが、摩訶不思議な珍スポットは多くあります。
ジ◯リの苔アート
各地で突如出現した苔アート。宮崎県北部、五ヶ瀬川沿いの快走路でも発見しました!こちらのトトロはコンパクトで愛嬌のある顔をしています。この付近でジ◯リにまつわる苔アートは、トトロ以外に2か所で確認できました。
トトロのすぐ近くには有名なネコのバスが描かれています。ちょうどバス停の近くなので、うまく撮ることができれば、ワンシーンが再現できそうです。トトロから北上すると、あのロボットに似た苔アートも出現します。デザインも壁画チックで雰囲気があります。
現在、Googleマップに登録されているのはロボットだけなので、苔アートを巡る際はロボットから南下すると良いでしょう。
トンネルの駅
山の駅や川の駅は見たことがありますが「トンネルの駅」は珍しいですね!トンネルの駅では、休憩はもちろん、宮崎県や高千穂ならではのお土産を買うことができます。売り場面積は高千穂最大級です。
ちなみに、このトンネルは実際に使われていたわけではないようです。九州中部横断鉄道の工事中に大量の水が噴出したことで中断され、今は「麦焼酎のくろうま」で知られる神楽酒造の貯蔵庫として利用されています。トンネルは無料で見学が可能です。
トンネルの駅の詳細情報
電話番号 | 0982-73-4050 |
見学料 | 無料 |
開館時間 | 9:00~17:00 |
定休日 | 第1水曜日 (祝祭日の場合は第2水曜日) |
公式サイト | https://tonnerunoeki.com/ |
高鍋大師
宮崎県にいながら、四国八十八ヶ所巡りができる珍スポットが「高鍋大師(たかなべだいし)」です。高鍋町にある高台の上には、神仏混在の石像約700体が林立しています。何かしら祀ってあるというわけではなく、そばにある持田古墳群の霊を慰めるため、町内でお米屋さんを営んでいた岩岡保吉さんが作ったそうです。
石像たちの中には水戸黄門ご一行など神様に関係のないものや、亀の親子などのオリジナルキャラクターもありました。ちなみに、特徴的な石像は、高鍋商工会議所のゆるキャラ「たか鍋大使くん」のモチーフになっています。
陰陽石
鹿児島県南部に、自然のいたずらが作った奇岩「陰陽石」があります。なんともコメントしづらいスポットですが、世界的に見ても珍しい奇岩だそうです。別名「夫婦岩」が示すとおり、奇岩が対になっているのだとか。毎年9月には、神事や踊り、太鼓演奏などが行われる「こばやし陰陽石まつり」が催されています。
三之宮峡
奇岩の上流には、神秘的な景色が広がる「三之宮峡」があります。全長約1kmの遊歩道には、手彫りのトンネルやそそり立つ屏風岩、ちょっと不気味な河童洞など、見どころが満載です。終点にある橋満橋(はしみつばし)は鉄筋ならぬ竹筋コンクリート製のアーチ橋。戦時中に地元住人が中心になって作った、とっても珍しい橋です。
水面から22メートルの高さにかかる橋は今も現役で渡ることができます。道路まで出る階段が少し急なので注意してください。
全国の珍スポット情報を求む!
今回は、九州地方の珍地名と、周辺に点在する珍スポットをまとめてご紹介しました。立ち寄ったことのある珍地名や珍スポットはあったでしょうか?人気観光地よりも珍スポット・B級スポットの方が好きなあなたにも、グッとくる珍スポットがご紹介できていればうれしいです。
ちょっと寂し気な珍スポットが大好物のカゲモトですが、まだ訪れたことのない、知らないスポットはたくさんあります。これからも、不思議な魅力がある珍スポットはツーリングに欠かせません。ぜひ、オススメ珍スポットを教えてください!取材を名目に突撃させていただきます。
ではまた!
投稿者プロフィール
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バイクと旅が大好きな夫婦ライダー、カゲモトです。ハネムーンの東本州1周をきっかけに、北海道1ヵ月旅、九州1年移住をへて、全国を走破しました。
今は関西を拠点に日本中を走り回って、ご当地グルメやB級ツーリングスポット、ミニマムキャンプを楽しんでいます。
愛車はNUDA900R・トリッカー・XL883R改。
執筆担当のカゲ太とご意見番のカゲ美が「実体験にもとづいたモトライフを楽しむヒント」をお届けします。
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