車でもバイクでも、移動の際に渋滞に巻き込まれるのは嫌なものですが、酷暑が続く近年の夏場では、バイクで渋滞にはまる事は、命の危険を感じる事もありますよね。
特に世間が長期休暇となるお盆の時期などには、毎年ニュースなどでも、「〇〇高速道路で△十kmの渋滞が予想されます。」なんて事が報道されます。
そこで今回は、関東を中心とした渋滞を避けて走れるツーリングルートやスポット、いわゆる“裏道、穴場”などを紹介したいと思います。
【前提】渋滞が発生しやすい場所や時間帯を避ける事は大事
いくら渋滞を避けて行ける、走れるといっても、その場所に至るまでに渋滞箇所がある場合、そこに行く事自体が嫌になってしまいます。
例えば東京を出発地点とした場合には、千葉方面であれば、「東京湾アクアライン」、中部地方へ行く場合には、「八王子ジャンクション近辺」、東海地方であれば、「大井松田インターチェンジ付近まで」、北側に向かう場合、常磐自動車道方面では、「守谷パーキング付近まで」、東北自動車道方面では、「羽生パーキング付近」まで、関越自動車道方面では、「花園インターチェンジ付近まで」は、午前7時前後から下り方面の渋滞が激しくなります。
このため、高速道路を使って移動する場合には、少なくとも6時台にこうした渋滞発生地点を通過しておくことが重要になってきます。
それでは、渋滞を回避できる“かもしれない”ツーリングルートやスポットを紹介していきます。なお、各ルートやスポットの説明において示しているマップは、表示の段階で選択ルート(太い青線)が、指定ルートからズレてしまう場合があるため、“イメージルート”として認識いただければと思います。
【東京都】都心部の下道
一昔前までは、企業が長期休暇に入ると都心部は閑散として走りやすくなる傾向が強かったのですが、近年では円安の影響で外国人観光客が多く、日中はバスや貸し切りのタクシーなどで、思わぬところで渋滞が発生するという事があります。一方で、そうした外国人観光客の方々は個別の足(車などの移動手段)を持たない事が多いため、観光地や店舗が営業を開始する時間帯までは比較的動きが少ない事が多いです。
このため、朝の9時から10時位までの気温が上がりきらない都心部は、観光地がギュッとつまったスポットとして、ショートツーリングにお勧めです。朝の早い時間帯であれば、日中は人でごった返す浅草の雷門前などであっても、写真のように“人がいない”景色を楽しむ事ができたりもします。
なお、選択ルートが多岐にわたるため、ルートを示すマップは割愛させていただきます。
【埼玉県】奥武蔵グリーンライン
埼玉県の飯能市や日高市から、埼玉県ツーリングの定番である秩父方面へ、国道299号線を使わずに抜けることができる道です。いわゆる舗装林道という道で、全線が舗装路となっているため、オンロードバイクでも走る事ができます。しかし、県道にも満たない山間の細い道であるため、ところどころ轍や陥没などが発生しております。このため、綺麗な道を気持ちよく走りたいという方にはお勧めしませんが、とにかく渋滞を避けて走りたい!という方にはお勧めです。
近年、写真のようなコケアートが作られていたりと面白い道ですが、一部区間で工事による通行止めとなっている場合もあるため、奥武蔵グリーンラインを抜ける場合には、事前に通行止め区間の有無などを確認しておくと良いでしょう。
【埼玉県&群馬県】小鹿野町・神流町・上野村(R299,R462)
秩父地方、特に皆野から三峯あたりにかけての国道140号線は、お盆休みなどには激しい渋滞が予想され、その影響で、南側から国道140号線にアクセスする国道299号線も渋滞する事が多いです。一方で、国道140号線の北側に位置する国道299号線が通る小鹿野町や、さらに北側に位置する神流町や上野村付近の国道462号線、及びその近辺の県道は、比較的車通りが少なく快適に走る事ができる場合が多いです。
個人的には、国道299号線から県道71号線の土坂峠を通って国道462号線へ抜けるルートが好きですね。
【群馬県】あかぎ・風ライン(R353)
赤城山の南側麓を走る国道353号線は、観光地や道の駅、温泉施設(富士見温泉見晴らしの湯ふれあい館)なども点在するにも関わらず、比較的車通りが少なく、快適に走る事ができる場合が多いです。途中に存在する道の駅ぐりーんふらわー牧場・大胡には、オランダ型風車も存在するため、写真を撮ることが好きなライダーにもお勧めです。
【群馬県&栃木県】あかぎ・風ライン~足尾バイパス(R122)
群馬県の大間々・桐生から栃木県の日光へと抜ける国道122号線は、私も良く使う快走ルートです。トラックなどの通りも多いのですが、何故かペースが速い場合が多いため、渋滞に陥る事が少ない道と言えるでしょう。
途中には、道の駅やドライブイン、草木ダムの展望台なども存在します。比較的道も綺麗でとても走りやすいルートですよ。
【栃木県】もみじライン(K19)
温泉地として有名な鬼怒川の北側に位置するワインディングロードです。スキー場として有名なハンターマウンテンなどがあるため、標高も高く、木陰の中を走るため、暑さを逃れて気持ちの良いライディングができるのではないでしょうか。
名前の通り、秋口の紅葉の季節には、紅葉狩りをしながらのツーリングを楽しむ事ができる道ですが、そういった季節では無いこれからの季節だからこそ、渋滞を避けて楽しく走れるという事もできます。なお、雪が降る地方なので仕方が無い事なのですが、舗装が荒れている部分もあるため、道路状況をよく見て走るようにする事をお勧めします。
【山梨県】八ヶ岳高原ライン(K11)
清里と小淵沢を結ぶ約20kmのルートです。車通りが少なく、東沢大橋の駐車場などからの眺望も楽しめる大好きなルートです。埼玉県側から甲府市などの渋滞地区を抜ける場合には、フルーツラインや広域農道といった、国道から一本外れた道を利用すると、比較的快適に走る事ができる場合が多いですよ。
なお、清里周辺では、昔からの観光地である清泉寮の他、新たな観光地としてスポットをあびている清里テラスなども存在しますが、清里駅周辺はリニューアルされた駅前と対照的な清里全盛期(80年代)の面影を残した静かな街並みを歩いて見て回るというのも楽しいですよ。
【茨城県】ビーフライン
茨城県の中腹を南北に走る快走路です。ワインディングを楽しめるところもありますが、緩やかなアップダウンのある比較的長い直線路などもあるため、停車して写真を撮るなどといった楽しみ方もできるでしょう。
一方で、林に囲まれた区間は一本道でルートを把握しやすいのですが、途中、田園区間に入るとルートを迷う事があります。マスツーリングで訪れる場合には、林間区間はそれぞれのペースで、田園区間はまとまって走るといった感じにすると、各々にあったペースで走る事もでき、メンバーが迷子になってしまう事も無いでしょう。
【千葉県】房総半島内陸部の県道、および国道
夏場なので、海沿いは避けたいところですが、房総半島内陸部の道は複雑で、比較的空いている道が多いです。房総半島へツーリングに行きたいという場合には、海沿いを避けて内陸部の道をチョイスするようにしましょう。
房総半島は山が少ないため、内陸部の道が多く、県道等多くの道を迂回ルートとして使う事ができる(主要な県道や国道を東西、あるいは南北に接続する道が多く存在する)という特徴があります。このため、こうした道を上手に使う事で、目的地へ向かう際の時短にもなりますよ。
なお、選択ルートが多岐にわたるため、ルートを示すマップは割愛させていただきます。
【神奈川県】芦ノ湖スカイライン~箱根スカイライン
厳密に言うと静岡県になってしまうのですが、この道に至る道路が神奈川県ということで・・・
有名所の道ですが、有料道路という事もあり、土日休日、長期休みなどであっても、比較的道は空いています。
途中に休憩場所や展望台なども存在するため、そういった場所に立ち寄りながら走るのも楽しみの1つと言えるでしょう。ただし、有料道路の割に、舗装が荒れていたり、急激なアップダウンなどもあるため、道路状況を見ながら走るようにする事をお勧めします。
まとめ
ご紹介したスポットやルート自体は空いてても、そこに至るまでに渋滞に巻き込まれてしまっては元も子もありませんよね。特に都心部や各県の主要都市部を抜ける際には、渋滞に巻き込まれる事が多くなってしまいます。
そうした事態を避ける手段として、第1には、最初に記載したように、出発の時間帯を早めるという事があります。しかし、“そんなに早く出発する事はできない!”、あるいは“寝坊してしまった!”なんて事もあるでしょう。そうした場合には、幹線道路を避けて一本脇の道を行くといった方法があります。
近年では、ライダーもドライバーも、ナビ(ナビゲーションシステム)頼りに目的地に向かっていう方が多いです。そして、そうしたナビで“最短ルート”として選ばれる事が多いのが幹線道路です。
このため、幹線道路を避ける事で、早朝の時間帯以外であっても、渋滞を避ける事ができる可能性を上げることができます。
たまにはナビに頼らず、地図を基に独自のルートを模索するのも良いのではないでしょうか?もっとも、川を渡る場合には、通過可能なルートが限られてしまうため注意が必要です。
投稿者プロフィール
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BMW F900XRとDucati MonsterS2Rでチョイノリからロングツーリング、サーキット走行まで楽しむリターンライダー。
リターン後のツーリングは首都圏内での日帰りをメインとして、美味しい物や良い景色を堪能している。
ご当地"グルメ調査隊"と称してマスツーリングの企画運営なども手掛けることから、バイクの様々な楽しみ方を伝えて行く事を目標としている。
若い頃は、日帰りで埼玉-青森間を往復したことがある、 "自称"やれば出来る男。
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