クルーズコントロール付きのバイクが増えてきつつあります。自動車では浸透してきている機能ですが、バイクにも搭載されるようになってきました。クルーズコントロール付きバイクにはどんなものがあるのか、一覧を作成しましたのでご紹介します。
クルーズコントロールとは
バイクのクルーズコントロールとは、スロットル操作をしなくても、ライダーがあらかじめ設定した任意の速度を維持して走ることができる機能のことです。操作は主にハンドル部についたスイッチで設定をして操作します。長距離、長時間のツーリングの際に、ライダーの疲労軽減や運転時の負担を減らす効果があります。
四輪車では1980年代以降から徐々に普及して一般的になっている機能ですが、近年ではバイクにもクルーズコントロール搭載のモデルが増えてきました。輸入車や、長距離ツーリングを想定したクルーザー系から始まり、大排気量のスポーツタイプにもクルーズコントロールが搭載されてきています。
さらに、もとは一定速度で走行するだけのクルーズコントロール機能でしたが、前走車がいる際には一定の距離を保って追従する機能も追加されたACC(アダプティブ・クルーズ・コントール)が主流となってきており、より利便性が高まっています。
HONDA
CB1300
2020年12月に発表され、2021年に発売されたCB1300シリーズ(CB1300スーパーフォア・CB1300スーパーボルドール)は、クルーズコントロール機能が搭載されたモデル。2本ショックサスペンションとダブルクレードル・フレームといったCBらしいスタイルで、ボルドールはアッパーカウルを装着したタイプです。
電子スロットルが採用されてシーン別にライディングモードが選択でき、大排気量を操る楽しみが十分に味わえるバイクです。
GOLDWING TOUR
HONDA GOLDWING TOUR(ゴールドウイング ツアー)は、水平対向6気筒1833ccエンジンを搭載する大型プレミアムツアラー。斜めに突き出たフロントマスクとコンパクトさを図ったカウル、ダブルウイッシュボーンフロントサスペンションと水平対向6気筒のエンジンヘッドが特徴的なデザインのバイクです。
スロットルバイワイヤシステムを採用し、4つのシーン別ライディングモードが楽しめ、クルーズコントロールの快適さも可能にしています。ライダーとパッセンジャーとのシートは分けられ、それぞれにゆとりを感じながら、長距離のライディングをより楽しめる仕様になっています。
CRF1100L Africa Twin
HONDA CRF1100L Africa Twin(アフリカツイン)は「どこへでも行ける」を基本コンセプトとして、プロテクション性と積載性を両立したアドベンチャースタイルのビッグオフツアラー。オフロードを重視しつつも、オンロードにも妥協しない性能を持っています。緻密な車体コントロールを実現する6軸センサーを採用し、リアルタイムで車体の情報を正確に測定して、電子制御によりライダーに合わせたきめ細かい走りが可能。
水冷直列2気筒エンジンはオフロード走行でのエキサイティングな走りから、クルーズコントロール機能により長距離ツーリングでの快適性を追求していて、市街地でも未舗装道路でも扱いやすいバイクです。
Rebel1100
HONDA Rebel(レブル)1100は水冷4ストロークOHC直列2気筒1,082ccエンジンを搭載した、クルーズコントロール標準装備の大型クルーザーモデル。低重心で取り回しやすいコンパクトにまとめられた車体で、個性的な丸みのあるツートンカラーのタンクは優雅な雰囲気、太いフレームとスイングアームは重厚感と力強さを感じさせます。
フロントフォーク角は寝かせ気味でクルーザーらしいデザインですが、足つきが良くてハンドル操作もしやすく、最適なバンク角が確保されていてスポーティな走りが楽しめます。エンジンタイプはマニュアルトランスミッションと、デュアルクラッチトランスミッション(DCT)の2タイプがあり、Rebel1100Tはカウルとサドルバッグがついたより実用性の高いタイプとなります。
Kawasaki
Ninja1000SX
Kawasaki Ninja1000SX(ニンジャ1000エスエックス)はスポーティな乗り心地とツーリングでの快適性を持ち合わせたスポーツツアラー。エンジン上部にメインフレームが通るアルミニウム製ツインチューブフレームで、ニーグリップしやすいスリムな車体構成のバイクです。
吸気系に電子制御スロットルバルブと電子制御スロットルシステムを採用したことで、滑らかな出力伝達を実現しています。工具なしで高さの調整可能なウインドスクリーン、クラッチレバー操作のいらないクイックシフター、そしてクルーズコントロールが装備されていることで、ロングツアラーらしいバイクとなっています。
Ninja H2 SX・Ninja H2 SX SE
Kawasaki Ninja H2 SX(ニンジャエイチツー・エスエックス)は、スーパーチャージドエンジンによる究極の性能と、ロングツーリングのための快適性を追求したハイパフォーマンススポーツツアラー。
シリーズ全車にボッシュ社の ARAS(アドバンスト・ライダー・アシスタンス・システム)を搭載し、ACC(アダプティブクルーズコントロール)、FCW(フォワードコリジョンワーニング/前方衝突警告)、BSD(ブラインドスポットディティクション/死角検知)といった機能でライダーを支援してくれます。
Ninja H2 SX SE (ニンジャエイチツー・エスエックスエスイー)は、Ninja H2 SXの装備に加えて、シフトアシスト機能のKQS(カワサキクイックシフター)に、路面やライディング状況に合わせて瞬時に減衰力を最適化してくれるKECS(カワサキエレクトロニックコントロールサスペンション)を搭載しています。
YAMAHA
MT-10
YAMAHA MT-10(エムティ・テン)は、ヤマハMTシリーズの最高峰フラッグシップスポーツバイク。スタイリングはダイヤモンドをキーワードに無駄を削ぎ落したデザインとなっています。
6軸IMU(慣性測定ユニット)を新採用し、YCC-T(電子制御スロットル)は、軽量化とスムーズで自然なアクセル操作ができるように作られています。また走行環境やライダーの好みによって走行モードを選択できるD-MODE(走行モード切替システム)も搭載。
さらに加速時、減速時を問わずシフトアップ&ダウンが可能なクイックシフターを装備し、クルーズコントロールシステムも搭載しており、スポーツライディングはもちろん、快適なロングクルージングにも適したバイクとなっています。
TRACER9 GT
YAMAHA TRACER9 GT(トレーサー9ジーティー)は、ネイキッドスタイルのMT-09をベースにしたアドベンチャーモデルで、アップライトなライディングポジションと、ハーフカウルにウインドスクリーンが特徴的なバイク。
6軸IMUを中心としたさまざまな電子制御技術が搭載され、車両挙動のきめ細かな制御を支えてくれます。また、D-MODE(走行モード切替システム)により走行シーンに合わせて4つのモード選択が可能。さらに電子制御サスペンションで走行中に減衰レベルを自動調整してくれ、ドライでもウェットでも対応できるスポーツモードと荒れた路面での快適な乗り心地を狙ったコンフォートモードの2つが設定されています。クルーズコントロールも標準装備で、セット速度をメーターで確認できる機能もついています。
SUZUKI
GSX-S1000GT
SUZUKI GSX-S1000GT(ジーエスエックス・エス1000ジーティ)はネイキッドスポーツのGSX-S100をベースとしたスポーツツアラーで、快適な長距離走行を意味するGrand Tourer(グランドツアラー)の名前の通り、ロングツーリング仕様のバイク。電子制御システムS.I.R.S.(スズキインテリジェントライドシステム)が搭載され、電子制御スロットル(ライドバイワイヤ)、クイックシフター、SDMS(スズキドライブモードセレクター)で3つの走行モード選択、クルーズコントロールなどが標準採用されています。
スーパースポーツのDNAを受け継いだエンジンに、疲労を軽減してくれるスズキクラッチアシストシステム、振動を抑えてくれるフローティングハンドルマウントやラバー付きフットレストの採用などで、長距離ライディングが楽しめるようになっています。
V-STROM1050・V-STROM1050DE
SUZUKI V-STROM1050(ブイ・ストローム1050)は、先進の電子制御装備を充実させたビッグアドベンチャーバイク。工具を使わず調整の出来る高めのウインドスクリーンに、特徴的な「クチバシ」デザインで、直線的でアグレッシブなスタイル。アップダウンに対応したクイックシフターを標準装備し、電子制御システムS.I.R.S(スズキインテリジェントライドシステム)機能も搭載されています。
V-STROM 1050DE(ブイ・ストローム1050ディーイー)はよりオフロード感が強いバリエーションモデル。スタンダードモデルよりも20mm幅広で衝撃吸収性能が高められたハンドルバーに、アクセサリーバーやアルミ製エンジンプロテクターも備わり、グラベルモードで荒れた路面も楽しめるモデルです。どちらもオフロードを楽しみながら、クルーズコントロールにより長距離も快適に走ることができるスポーツアドベンチャーツアラーです。
BMW Motorrad
R1250RT
BMW MotorradのR1250RT(アール1250アールティー)は、最先端の電子制御装備が充実したラグジュアリーツアラー。新デザインのフロントフェアリングは、優れた防風性能でライダーを高速走行時の走行風から保護して、疲れを軽減してくれます。
ABSやトラクションコントロール、シフトアシスト、ヒルスタートコントロール、ダイナミックブレーキコントロール、ACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)が搭載されています。また大きくて見やすい10.25インチのTFTディスプレイはフルHDの解像度で、ツアラーバイクの王道らしく最先端技術を惜しみなく搭載しています。
Scrambler Ducati
Multistrada V4S
Scrambler Ducati のMultistrada V4S(ムルティストラーダ・ブイ4エス)は「4台のバイク(スポーツ・ツーリング・エンデューロ・アーバン)を1台に」というコンセプトのアドベンチャーモデル、オールラウンドツアラーバイクです。ムルティストラーダとは「様々な道」を意味する「マルチロード」の意味。軽量でコンパクト、最高出力170psを発生する新しいV4グランツーリスモ・エンジンによりスポーティな走りが楽しめます。
ボッシュ製慣性測定ユニット(IMU)を搭載し、コーナリングABSやトラクションコントロール・ウイリーコントロールなどスポーツタイプの走行性能だけでなく、死角に車などが入った時に知らせてくれるBSD(ブラインドスポット検出システム)、一定速度キープや前走車に追従してくれるACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)など、長距離移動性能も追求されています。
KTM
1290 SUPERADVENTURE S
KTMの1290 SUPERADVENTURE S(1290スーパーアドベンチャー・エス)は、4ストローク1301 ccのビッグアドベンチャーバイクで、先進の電子制御技術を惜しみなく投入したフラッグシップモデル。スタイルイメージは先代ものものを受け継いでいますが、よりエンジンを前傾させ、ステアリングステムパイプ位置を手前にし、スイングアームを延長するなどの大きな変更で、旋回いや安定性を向上させています。
独特な形状をしたライトのフロント部分は、ダイヤルでスクリーンの高さが調整でき、7インチの大型カラーTFTモニターを採用していて車両の状況が把握しやすくなっています。また、ACC(アダプティブ・クルーズ・コントール)とセミアクティブリアショックにより、オフロードの俊敏性と長距離の快適さを実現させています。
Harley-Davidson
ハーレーダビッドソンの車両では、ツーリングモデルやクルーザーの多くにクルーズコントロール機能がついており、さらに標準装備がないモデルでも、純正のクルーズコントロールキットがあります。
Breakout 117
Harley-Davidson Breakout 117(ブレイクアウト117)は、ソフテイル系のフレームで作られたハイパワークルーザー。Breakout 117には他のクルーザーバイクのように豪華な電子制御やアシスト機能、大きなモニターなどはありませんが、クルーズコントロール機能は標準装備となっています。
スタイルは前のモデルを踏襲しておりクラシックな雰囲気ですが、ミラーやサイドカバー、マフラーシールドなどがクローム仕上げになっていてゴージャスさを感じさせます。
CVO STREET GLIDE
Harley-Davidson のCVO(Custom Vehicle Operation)STREET GLIDE(シーブイオー・ストリートグライド)は、特徴的なバットウイング型のフェアリングに左右一対のサドルバッグを装備したモデルで、ハーレー史上、最大排気量となる1977ccの新型ミルウォーキーエイトVVT121エンジンが採用されています。
ハーレー初のパワーデリバリー、エンジンブレーキ、ABS、トラクションコントロールを最適化するライドモード(ロード・スポーツ・レインに2つのカスタムモード)、クルーズコントロールを搭載。風洞分析を用いて開発されたウインドシールドに人間工学に基づいた設計のシート・ハンドルバー・フットレストなどで、長距離走行を快適にしてくれるツーリングバイクとなっています。
簡易クルーズコントロールできるグッズ
後付けで簡単にクルーズコントロール気分を味わえるようなグッズをご紹介します。自分のバイクにはクルーズコントロールが装備されていないけど、長距離走行や高速道路走行をもっと楽にしたい、という人は使ってみてはいかがでしょうか。
あくまでも、スロットルを固定したり操作しやすくしたりして、手や腕などの疲れを軽減してくれるものなので、運転の補助として考え、取り付けや使用方法は正しく行ってください。スロットル操作に慣れていない人は、使用を控えるようにしましょう。
スロットルアシスト
グリップを握らずに手のひらでスロットル操作が出来るグッズ。ロングツーリングや高速道路走行などが快適になります。
アクセレーターロックシステム
アクセレーターロックシステムは、スロットル開度を一定に保つことができる便利なグッズ。取り付けるだけでオートクルージング気分が味わえます。
クルーズコントロール付きバイクで余裕のツーリング!
クルーズコントロールは「長距離走行の後でもまだまだ走れるように感じる」「長時間移動後でも、それほど疲れを感じない」など、長距離や高速道路を多く走るライダーにとってはとても重宝する機能です。
そのためメーカーのフラッグシップモデルや大排気量バイクのツーリングタイプ、クルーザータイプには、今後も搭載されていく傾向が高いといえるでしょう。
ただし、あくまでも運転するのはライダーなので、周囲の状況に気を配り、クルーズコントロールは補助的な機能としてよく仕組みや操作方法を理解し、うまく活用するというスタンスが大切です。
バイクライフでのロングツーリングがより快適になるかもしれないクルーズコントロール付きバイク、次の購入時に選択肢として考えてみてはいかがでしょうか。
投稿者プロフィール
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GPZ750R改に乗っているねこにんじゃと申します。
ライターでイラストレーターです。
「おすすめグッズを知りたいけど面倒だから誰かまとめて」
「整備について知りたいけど難しいから簡単に知りたい」
などなどのバイクライダーの希望をかなえます。
バイクライフがより楽しくなるような情報を、できるかぎりわかりやすくお届けしていきます。
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