- ヘルメットの選び方がわからない
- 安くない買い物だから失敗したくない
- おすすめのヘルメットを教えて!
バイクライフの必須アイテム、ヘルメット。バイク初心者にとって、初めてのヘルメット選びは迷いがちです。たくさんのメーカーから、さまざまなモデルが発売されているので、初めてでなくても「どれを選べばいいかわからない」と感じるバイク乗りさんは多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、バイク初心者でも失敗しないヘルメット選びのコツと、失敗談から選ぶオススメモデルをご紹介します。断言すると、ヘルメットはデザインだけで選ぶと失敗します。特徴や用途を理解して、あなたにピッタリのヘルメットを見つけましょう!
バイク初心者のヘルメット選び【種類編】
バイク用ヘルメットには大きく分けて、以下の4種類があります。
- フルフェイスヘルメット
- オフロードヘルメット
- ジェットヘルメット
- システムヘルメット
各ヘルメットの特徴について解説します。
フルフェイスヘルメット
もっとも安全性の高いヘルメットがフルフェイスヘルメットです。頭部や顔、あごの先までしっかり保護し、もしもの転倒時も頭部全体を守ります。空力性能が高いモデルが多く、高速走行時の安定性や風切り音の少なさが魅力です。
目元を守るシールドは、純正ではクリアタイプが多いですが、オプションでスモークタイプやミラータイプに交換することも可能!サングラスの役目をするインナーバイザー内蔵モデルを選ぶことで、逆光でまぶしい道でも安心して走行できます。
顔をすっぽりと覆う形状のため、着脱が面倒で視野が狭まってしまう点は要注意です。風通しが悪く、暑い日だとヘルメット内は蒸れてしまいます。ベンチレーション(換気)機能の高いモデルを選ぶことで、走行中なら涼しく感じられます。
フルフェイスヘルメットの特徴
- もっとも安全性が高い
- 高速走行時の安定性が高い
- 風切り音が少ない
- 脱ぐのが面倒になる
- 視野が狭くなる
オフロードヘルメット
オフロードヘルメットは、オフロード走行向けのヘルメットですが、オンロードでも活躍する機能的なヘルメットです。大きく突き出たあご部分は息がしやすく、ヘルメットをかぶったまま歩き回っても息が切れません。バイザーは、日差しを遮ってくれるので、逆光もなんのその!フルフェイスヘルメットよりも軽いので、かぶり続けても疲れにくいです。
目元を守るシールドのかわりに、ゴーグルを装着します。ゴーグルは目元だけを覆うので、激しい運動をしない限り曇ることはありません。種類も豊富なので、個性を出せる点も魅力的です。
ただし、オフロードヘルメットは、空力性能が悪いです。高速走行時は風切り音がうるさく感じます。便利なバイザーも、風に煽られやすく、首に負担がかかってしまいます。そして、シールドがないので、雨が降ると大惨事です。
ツーリングや通勤&通学メインなら、シールド付きのデュアルパーパス(アドベンチャー)ヘルメットがオススメです。オフロードヘルメットより、空力性能は少しだけ高く、雨が降っても顔がびちゃびちゃになりません。
オフロードヘルメットの特徴
- デザインが個性的
- 息がしやすい
- バイザーで日差しを遮れる
- 高速走行時の安定性が低い
- 風切り音が大きい
ジェットヘルメット
ジェットヘルメットは、初めてのヘルメットとして敷居が低く、手軽に使用できます。「フルフェイスヘルメットは大げさだな」と感じてしまう人にオススメです。頭部と頬を保護しつつ顔はオープンになっているので、視野が広くて解放感があります。
デザインが豊富で、ファッション性の高さも魅力です。スポーティなモデルやクラシカルなモデルなど、デザインが豊富なのでバイクのジャンルを選びません。シールド無しのモデルを選べば、お好みでゴーグルやお気に入りのサングラスを合わせることだって可能です。
しかし、ジェットヘルメットは安全性が高くありません。転倒時に顔やあごをケガしてしまう恐れがあります。空力性能も悪いので、風切り音は大きく、高速走行は不向きです。走行中の飛び石やバグアタックから顔を守りたいなら、フェイスガードやフェイスカバーがあると安心です。
ジェットヘルメットの特徴
- 視野が広い
- 軽量で着脱も苦にならない
- ファッション性が高い
- 安全性は低い
- 風切り音が大きい
システムヘルメット
システム(モジュラー)ヘルメットは、フルフェイスヘルメットの安全性とジェットヘルメットの快適性を併せ持っています。一見、フルフェイスヘルメットに似ていますが、ボタン一つで前面部分の開閉が可能です。前面部分を跳ね上れば、ヘルメットを脱がずに水分補給や会話などが行えます。
走行時は前面部を閉じることで、フルフェイスヘルメットに近い安全性を確保。機能が豊富なことも、システムヘルメットの魅力です。近年では、パーツを組み替えることで、フルフェイススタイルやジェットスタイルなどに変化するヘルメットも登場しています。
システムヘルメットはパーツ数が多く、重くなりがちで、ヘルメット自体も大きいものが多いです。複雑な構造のため、他のヘルメットに比べて故障のリスクが高いことも忘れてはいけません。ただ、脱ぐことが面倒になりがちなフルフェイスヘルメットのデメリットを解消した画期的なヘルメットといえます。
システムヘルメットの特徴
- 脱がずに休憩や会話ができる
- フルフェイスに近い安全性がある
- 重量が重い
- 故障のリスクが高い
バイク初心者のヘルメット選び【選び方編】
具体的なヘルメットの選び方をご紹介します。ヘルメット選びで悩んだ際に、ぜひ参考にしてください。
機能やオプションで選ぶ
数あるヘルメットの中から、機能やオプションで選ぶことで、候補を絞りやすくなります。以下の機能やオプションがあるか確認してみましょう。
- インナーパッドの脱着可否
- インナーバイザーの有無
- インカム取付への配慮(スピーカーのスペースなど)
- ピンロック(防曇)シート対応
- めがねスリットの有無
- 替えシールドのラインナップ
- インナーパッドの替えの有無
- あご紐の機構(Dリングタイプやワンタッチタイプ) など
安全性から選ぶ
安全性から選ぶ場合、安全規格を確認すると良いでしょう。ヘルメットに貼られているPSCマークとSGマークは安全基準に適合していることを表しています。
PSCマークは、国の定める必須規格「消費生活用製品安全法(PSC法)」の基準に適合した製品に表示されています。PSCマークがないヘルメットは乗車用ヘルメットとして販売することができません。
SGマークは、製品安全協会が定めるSG基準に製品が適合している証です。安全基準と製品認証、事故賠償が一体となった制度で、製品欠陥が原因で負ったケガに対して最高1億円までの賠償を受けることができます。
PSC・SGマーク以外にも、ヘルメットには国家や民間で制定したさまざまな安全規格があります。
- JIS規格:日本の工業規格で、ECE規格とSNELL規格の中間くらいの厳しさ
- DOT規格:アメリカの交通省が定める規格で、SNELLやECEと比べるとやや緩い
- SNELL規格:アメリカのスネル財団の規格で、安全性はトップクラス
- ECE規格:ヨーロッパの基準で、実用性と安全性のバランスが良さから国際的に採用される
- Arai規格:「Arai(アライ)」の独自規格で、SNELL規格より厳しい
安全規格の中でも、Arai規格はAraiが独自に制定した珍しい規格です。Araiの安全性へのこだわりは、丸くて滑らかな帽体や、インナーバイザーを装備したヘルメットが一切ないことからもうかがえます。
インナーバイザーはヘルメット内部に構造を組み込む必要があるため、安全性能への影響を考えてAraiは採用していません。インナーバイザーの代わりに「プロシェードシステム」という外付けバイザーがあります。
また、「SHOEI(ショウエイ)」の一部モデルも、SNELL規格にクリアしたヘルメットがあります。ヘルメット選びで悩んだ際は、安全規格に注目してはいかがでしょうか。
バイクのジャンルで選ぶ
ヘルメットを一目ぼれで選ばずに、バイクのジャンルやカラーを考慮して選ぶことも大切です。スポーツタイプのバイクにオフロードヘルメットを合わせると、さすがに悪目立ちは避けられません。クルーザータイプにMotoGPライダーのレプリカモデルを合わせるのも、オススメしかねます。
燃えるように赤いカラーのバイクにピンク色のヘルメットは・・・悪くはないけどモヤモヤします。
どんなヘルメットでもバイクに乗れますが、せっかくなら愛車やファッションに合わせたヘルメットを選びたいですね。
メーカーで選ぶ
これからヘルメット選びを始める初心者さんには、メーカーで選ぶ方法もオススメです。日本の2大ヘルメットメーカー「Arai(アライ)」「SHOEI(ショウエイ)」以外にも、国内外にたくさんのヘルメットメーカーがあります。
ヘルメットのデザインは、メーカーごとに特徴が現れます。少しでも気になったヘルメットが見つかったら、メーカーのラインナップも確認してみましょう。ラインナップに目を通してみると、思わぬ出会いがあるかもしれません。
好きなプロライダーがかぶっているヘルメットメーカーから選んでみるのも良いですね。
かぶり心地・操作性で選ぶ
ヘルメットのかぶり心地や操作性は、もっともこだわりたいポイントです。運転中はヘルメットをずっと装着している必要があるため、かぶり心地は重要です。自分の頭のカタチとヘルメットが合っていないと、頭痛の原因になります。海外モデルの場合は、骨格の違いから頭痛が起こりやすい傾向にあります。
シールドやベンチレーション、インナーバイザーの操作性も大切です。動きはスムーズか、使いやすいかなど、実際に操作して確認してみましょう。
ヘルメット選びの失敗談から選ぶオススメモデル
ヘルメット選びの失敗談を参考に、オススメのヘルメットをご紹介します。
YZF-R7乗りのTさんの場合|AGV K1S
高速道路での長距離移動が多い
安全性と空力性能を重視したい
スポーツバイクに似合うかっこいいメットが良い!
↓
フルフェイスヘルメットを購入!
視野が狭くてコワい・・・
長時間被っていると、頭が締め付けられて痛い
そんなTさんには「AGV K1S」がオススメ!
フルフェイスヘルメットは頭部全体を保護するため、開口部が小さく視野が狭く死角が多いです。慣れないうちは、圧迫感を感じる場合もあります。また、頭のカタチに合っていないヘルメットは頭痛の原因になります。特に、海外メーカーのヘルメットは、日本人の頭のカタチに合っていない場合が多く、頭痛が起こりやすいです。
AGV K1Sなら、広い視野角とアジアンフィットの内装で、フルフェイスヘルメットの不満を解決できます。AGV独自の「ウルトラヴィジョン」によって、縦横方向ともに広い視野を確保。内装も日本人の頭の形にあわせてデザインされたアジアンフィットを採用しているため、頭痛も起こりにくくなっています。
AGVらしいシュッとしたデザインは、スポーツタイプのバイクと相性バツグンです。
SV650乗りのYさんの場合|KABUTO RYUKI
着脱が楽な方が良いけど安全性も大事
ギミックが楽しいメットが良い
↓
システムヘルメットを購入!
通勤でも使用してるけど重くて首や肩が疲れる
ぴゅーぴゅーと風切り音が気になる
そんなYさんには「KABUTO RYUKI」がオススメ!
システムヘルメットは複雑な構造を持つため、一般的なフルフェイスヘルメットより大きく重量も重いです。隙間も多いので、風切り音が気になるモデルもあります。
KABUTO RYUKIは、軽量化と空力解析へのこだわりが強いヘルメットです。パーツレイアウトや装飾処理を見直すことで、従来のシステムヘルメットより軽量化に成功し、約1,650g(Mサイズ)しかありません。重量バランスも良く、前面を上げた状態でも偏った重さを感じにくくなっています。
設計段階でヘルメットの空気抵抗や気流が要因となる共鳴音などをチェックしています。KABUTO独自の「ウェイクスタビライザー」は乱気流をコントロールし、直進時の安定性はもちろん、車線変更時の首振りもスムーズに行えます。インカム取付への配慮やめがねスリットの装備など、至れり尽くせりのモデルです。
CRF250L乗りのNさんの場合|SHOEI HORNET ADV
本格的なオフロード走行も楽しみたい
軽くて個性的なメットが良い
↓
オフロードヘルメットを購入!
バイザーが風に煽られて疲れる
ゴーグルと顔の隙間から石や虫が入ってくる
そんなNさんには「SHOEI HORNET ADV」がオススメ!
オフロードヘルメットは長距離ツーリングには不向きです。大きなバイザーは風に煽られやすく、ゴーグルで守り切れない鼻と頬に、石や虫が飛びかかってきます。万が一、ツーリング中に雨が降ったら、顔は水浸し。高速走行では容赦なくヘルメット内に風が流れ込んできます。
SHOEI HORNET ADVはデュアルパーパス(アドベンチャー)ヘルメットで、オフロード走行もオンロード走行も快適です。バイザーは小ぶりで空力性能も高く、風に煽られにくい構造になっています。もちろん、日除けの効果を損なわないちょうどいいサイズ。
大きなシールドを全開にすれば、シールドを外さずにゴーグルを使用することも可能です。
W800乗りのMさんの場合|SHOEI J・O+
解放感が欲しい
レトロなバイクにあるデザインが良い
↓
ジェットヘルメットを購入!
風が顔に直撃してしんどい
ゴーグルを買ったけど着脱が面倒
そんなMさんには「SHOEI J・O+」がオススメ!
クラシックなバイクに合う、レトロなデザインのジェットヘルメットには必要最低限の機能しかありません。バイザー無しの方がすっきりしていていカッコいいですが、高速走行は思った以上に疲れます。ゴーグルを買ったものの、バイクに乗るたびに着脱するのが面倒だと感じる人も多いです。
SHOEI J・O+は、インナーバイザーと拡張性の高いスナップボタンが装備されています。バブルシールドのような形状のインナーバイザーは、ちょっと走るだけなら十分な性能です。ヘルメットにゴーグルバンドも装備されているため、ゴーグルがズレ落ちません。
3つのスナップボタンを活用することで、どんなシーンでも快適にツーリングが楽しめます。高速道を走るときは大型のシールドを装備したり、日差しが強いときはバイザーが装着したり、お好みでカスタムができます。
スナップボタンのない、シンプルデザインの「SHOEI J・O」も発売中です。
自分好みのヘルメットを見つけよう!
今回は、バイク初心者でも失敗しないヘルメット選びのコツと、失敗談から選ぶオススメモデルをご紹介しました。初めは悩むヘルメット選びですが、いろいろ使ってみると自分の好みが見えてきます。
ヘルメットは安くない買い物ですが、愛車の次に大事な相棒です。いろんなヘルメットを手に取って、試着してみて、お気に入りのヘルメットを見つけてください。この記事がヘルメット選びの参考になれば嬉しいです。
ではまた!
投稿者プロフィール
-
バイクと旅が大好きな夫婦ライダー、カゲモトです。ハネムーンの東本州1周をきっかけに、北海道1ヵ月旅、九州1年移住をへて、全国を走破しました。
今は関西を拠点に日本中を走り回って、ご当地グルメやB級ツーリングスポット、ミニマムキャンプを楽しんでいます。
愛車はNUDA900R・トリッカー・XL883R改。
執筆担当のカゲ太とご意見番のカゲ美が「実体験にもとづいたモトライフを楽しむヒント」をお届けします。
最新の投稿
- アイテム2025年1月28日バイクで音楽を聴くと違法?正しい聴き方と注意点、オススメアイテムを徹底解説!
- ヘルメット2025年1月24日バイク初心者のヘルメット選び|失敗談から選ぶオススメモデル
- コラム2025年1月8日【人生が変わる!?】高校生がバイクに乗った方が良い理由5選|おすすめバイクも紹介
- ツーリング2025年1月3日珍地名・珍スポットが大集結!いくつ知ってる?九州の珍百景13選