実は現在買い替え候補に入っていてタイムリーなテーマ。
空冷のまま全車種ユーロ5にも対応してきた貴重なクラシックバイクメーカーです。今回は皆さんにもロイヤルエンフィールドの魅力をお伝えします!
皆さんはロイヤルエンフィールドというバイクメーカーをご存知ですか?
イギリス発祥で1901年からオートバイ製造を始めた現存する世界最古と言われるメーカーの一つです!
現在は、インドのアイシャー・モーターズの一部門で、製造拠点もインドに移されておりインドのブランドとして定着しています。
インドに生産が移ってからもオートバイの車体構造をほとんど変更しなかったため、かつては「本物のクラシックバイク」として貴重な存在でした。
現在でも環境規制に対応しつつ空冷エンジンにこだわって、クラシックなバイクの製造を続けています。
今回は、そんなロイヤルエンフィールドの歴史とラインナップを紹介していきます。
ロイヤルエンフィールドの歴史
ロイヤルエンフィールドの始まりは、1891年に遡ります。
実業家ボブ・ウォーカーとアルバート・エディが、自動車製造も手掛け始めていたレディッチ・ハントエンドのジョージ・タウンゼンド社を購入。
1898年に同社初の原動機付きの乗り物である、『Quadricycle(クアドリサイクル)』をデザイン。これは2台分の頑丈な自転車のフレームをベースに、ディオン社独自の1.5馬力エンジンを積んだものでした。
1900年、同社のクアドリサイクルの一台が、初の1000マイルトライアルに出場したことをきっかけに、ロイヤルエンフィールドはモータースポーツの研究を開始。
そして1901年、初のロイヤルエンフィールド・モーターサイクルが製造されます。
ステアリングヘッドに1.5馬力エンジンを搭載し、リアホイールは、長尺の革ベルトで駆動する仕組みになっていました。
そして1932年、伝説のバイク「ブリット」が誕生し、同年11月、ロンドンで行われたオリンピアモーターサイクルショーにて初お披露目。
この名を冠するモデルは、最も長く変更なく生産され続けました。
1949年には、ロイヤルエンフィールドを含む英国バイクをインドに輸入するため、マドラス・モータースを設立。
1955年には「エンフィールド・インディア」を設立し、1956年からライセンス契約に基づきブリットの生産が始まります。
この年の終わりには、163台のエンフィールドインディアブリットが製造されました。
1964年、コンチネンタルGTカフェレーサー発売。
1967年頭には、250ccのコンチネンタルGTと736ccインターセプターの2モデルのみの製造となり、イギリスのレディッチ工場は閉鎖されています。
2013年、初のカフェレーサー発売から48年が経過し、ロイヤルエンフィールドは新型のコンチネンタルGTを発表。
ハリス・パフォーマンスデザインによるクレイドルフレームと535ccUCEエンジンを搭載していました。
2015年に英国の著名なモーターサイクルデザイン・製造企業であるハリス・パフォーマンスを買収し、エンジニアリングとプロダクトデザインを強化しました。
2017年、英国レスターシャー州レスターにロイヤルエンフィールド・テクニカルセンターがオープン。
100名以上のエンジニア、デザイナー、テスターのチームが研究開発や長期戦略立案を行っており、製品開発はイギリスとインドの2拠点で、製造はインドで行われています。
ロイヤルエンフィールドの特徴
ロイヤルエンフィールドのバイクは1960年代のイギリスのバイクのスタイルを守り続けています。
エンジンは空冷の350cc単気筒、411cc単気筒、650cc2気筒の3種類で、EURO5などの環境規制にも対応。
排気ガス規制は、国や地域によって条件が異なるため、それぞれの地域の規制に適合するように検査を実施しています。
現在ロイヤルエンフィールドは、バイクを含めたさまざまな製品をインド軍に納入していますが、インド軍から高い品質が認められ、現品での品質チェックなしで軍への納入が可能な、特別なステータスを獲得。
現在は、ロイヤルエンフィールドの親会社の工場で品質管理を担当している日本人エンジニアが、ロイヤルエンフィールドの品質管理コンサルタントに就任しているそうです。
現場/現物/現実という日本の製造システムやメンタリティを取り入れながら、ロイヤルエンフィールドの製造工程の効率化や高品質化を構築し、改善しつつづけています。
現在日本で発売されているラインナップは、350cc3車種、411cc2車種、650cc3車種の合計8車種です。
CLASSIC 350
Classic350は、名前の通り全ラインナップ中で最もクラシカルなデザインのバイクです。
国産車のライバルはホンダGB350でしょうか?
エンジンの鼓動感やパルス感、排気音の迫力はClassic350のほうがいいように感じました。
GB350と車格やスペックを比較してみましょう。
主要諸元 | Classic350 | GB350 |
排気量 | 349cc | 348cc |
全長 | 2,145mm | 2,180mm |
全幅 | 785mm | 790mm |
全高 | 1,090mm | 1,105mm |
シート高 | 805mm | 800mm |
車両重量 | 195kg | 179kg |
最高出力 | 14.9kW(20.2PS)/6,100rpm | 15kW(20.4PS)/5,500rpm |
最大トルク | 27Nm/4,000rpm | 29Nm/3,000rpm |
トランスミッション | 5速マニュアル | 5速マニュアル |
メーカー希望小売価格 | ¥694,100〜 | ¥561,000〜 |
車格や馬力・トルクもほとんど同じですが、GB350と比較するとClassic350のほうが価格は高めです。
METEOR 350
メテオ350はクルーザータイプのバイクです。
国産車でライバル車種なのはカワサキのエリミネーターでしょうか。
ロングストロークの空油冷349ccSOHCエンジンが搭載されており、スムーズで扱いやすいパワーと豊かなトルクを発揮します。
主要諸元 | Meteor350 | ELIMINATOR |
排気量 | 349cc | 398cc |
全長 | 2,140mm | 2,250mm |
全幅 | 845mm | 785mm |
全高 | 1,140mm | 1,100mm |
シート高 | 765mm | 735mm |
車両重量 | 191kg | 176kg |
最高出力 | 14.9kW(20.2PS)/6,100rpm | 35kW(48PS)/10,000rpm |
最大トルク | 27Nm/4,000rpm | 37Nm/8,000rpm |
トランスミッション | 5速マニュアル | 6速マニュアル |
メーカー希望小売価格 | ¥710,600〜 | ¥759,000〜 |
350ccなので400ccのエリミネーターより馬力もトルクも数値上は劣りますが、低回転から力強いトルクを発生させ、車重を感じさせない取り回しやすさを実感できます。
HUNTER 350
ハンター350は、クラシック350やメテオ350よりも”ネオクラシック”感の強いデザインで、よりスポーティな印象を受けます。
国産バイクのライバルでデザインが近いのはヤマハのXSRシリーズですが、ちょうどいい排気量がないのでホンダのCL250と比較してみましょう。
主要諸元 | HUNTER350 | CL250 |
排気量 | 349cc | 249cc |
全長 | 2,100mm | 2,175mm |
全幅 | 800mm | 830mm |
全高 | 1,055mm | 1,135mm |
シート高 | 790mm | 790mm |
車両重量 | 181kg | 172kg |
最高出力 | 14.9kW(20.2PS)/6,100rpm | 18kW(24.5PS)/8,500rpm |
最大トルク | 27Nm/4,000rpm | 23Nm/6,250rpm |
トランスミッション | 5速マニュアル | 6速マニュアル |
メーカー希望小売価格 | ¥657,800〜 | ¥621,500〜 |
最高出力は意外にも250ccのCLのほうが高いと言う結果に。しかし最大トルクはHUNTER350のほうが低回転で、より強いトルクを発生します。
HIMALAYAN
ヒマラヤはオフロード寄りの411ccのアドベンチャーバイクです。
インド人にとってヒマラヤは聖地であり、1度でいいから訪れてみたい憧れの場所なのだそう。
そこでヒマラヤを走ることができるように開発されたのが「ヒマラヤ」です。
標高が高く、キツイ上り坂が続くヒマラヤでは、エンジンを回さなくても力強く加速する出力特性が必要でした。
それを実現するためにはロングストローク・エンジンが必要で、普段小排気量バイクに乗るライダーがすぐに乗りこなすことができるように411ccのエンジンが開発されたのです。
ホンダのCRF250Rallyが国産車では一番近い車両だと思います。
主要諸元 | HIMALAYAN | CRF250Rally |
排気量 | 411cc | 249cc |
全長 | 2,190mm | 2,200mm |
全幅 | 840mm | 920mm |
全高 | 1,370mm | 1,355mm |
シート高 | 800mm | 830mm |
車両重量 | 199kg | 153kg |
最高出力 | 17.9kW(24.3PS)/6,500rpm | 18kW(24.5PS)/9,000rpm |
最大トルク | 32Nm@4,250rpm | 23Nm/6,500rpm |
トランスミッション | 5速マニュアル | 6速マニュアル |
メーカー希望小売価格 | ¥874,500〜 | ¥764,500〜 |
SCRAM 411
スクラム411は、ヒマラヤをベースに開発されたスクランブラー。
エンジンスペックやフレームはヒマラヤと共通で、大きな違いはホイールサイズにあります。
リアは同じ17インチで共通ですが、フロントはオフロード走行を重視したヒマラヤが21インチなのに対し、スクラム411は19インチを採用。より街乗り向きのサイズにしてあります。
国産車ではCL500が同じスクランブラーです。
主要諸元 | SCRAM 411 | CL500 |
排気量 | 411cc | 471cc |
全長 | 2,210mm | 2,175mm |
全幅 | 840mm | 830mm |
全高 | 1,165mm | 1,135mm |
シート高 | 795mm | 790mm |
車両重量 | 194kg | 192kg |
最高出力 | 17.9kW(24.3PS)/6,500rpm | 34kW(46PS)/8,500rpm |
最大トルク | 32Nm@4,250rpm | 43Nm/6,250rpm |
トランスミッション | 5速マニュアル | 6速マニュアル |
メーカー希望小売価格 | ¥838,200〜 | ¥863,500〜 |
INT 650
INT650は、本国ではインターセプターと言う車名です。ロイヤルエンフィールドの650ccエンジンは空冷2気筒。
一番近い国産車はカワサキのW800でしょうか。
エンジンスペックは排気量の割に低めなのですが、走り出してみると非力さは全く感じられません。
全体的にバランスが良く、バイクとの一体感があってスイスイ走ることができます。
主要諸元 | INT650 | W800 |
排気量 | 648cc | 773cc |
全長 | 2,119mm | 2,190mm |
全幅 | 788mm | 790mm |
全高 | 1,120mm | 1,075mm |
シート高 | 805mm | 790mm |
車両重量 | 217kg | 226kg |
最高出力 | 34.9kW(47.5PS)/7,150rpm | 38kW(52PS)/6,500rpm |
最大トルク | 52.3Nm@5,150rpm | 62Nm/4,800rpm |
トランスミッション | 6速マニュアル | 5速マニュアル |
メーカー希望小売価格 | ¥947,100〜 | ¥1,199,000〜 |
CONTINENTAL GT650
コンチネンタルGT650は、カフェレーサーのモデルです。
1960年代のイギリスで生まれたカフェレーサーの伝統的なスタイルを踏襲しています。
プレスリリースによると、この650ccエンジンはわずか2500回転で、最大トルクの約80%を発揮するとのこと。
カタログスペック上ではライバル車と比較して非力に感じますが、ゼロ発進時にはかなり力強く車体を押し出してくれることでしょう。
ライバル車種はカワサキのW800cafe
主要諸元 | CONTINENTAL GT650 | W800cafe |
排気量 | 648cc | 773cc |
全長 | 2,119mm | 2,135mm |
全幅 | 745mm | 825mm |
全高 | 1,067mm | 1,135mm |
シート高 | 820mm | 790mm |
車両重量 | 212kg | 223kg |
最高出力 | 34.9kW(47.5PS)/7,150rpm | 38kW(52PS)/6,500rpm |
最大トルク | 52.3Nm@5,150rpm | 62Nm/4,800rpm |
トランスミッション | 6速マニュアル | 5速マニュアル |
メーカー希望小売価格 | ¥970,200〜 | ¥1,243,000〜 |
SuperMETEOR 650
スーパーメテオ650は、2023年7月26日に発売されたばかりの新型クルーザーです。
スマホアプリと連携して目的地までの方向と距離を表示する簡易型ナビゲーション、「トリッパー」を標準装備。
ロイヤルエンフィールドとしては初となる、ショーワ製の倒立フォーク「SFF-BP」や、LED式のヘッドライトを採用するなど、ラインナップの中ではかなり近代的なバイクとなりました。
ライバル車種はホンダのレブル500でしょうか。
主要諸元 | SuperMETEOR 650 | Rebel500 |
排気量 | 648cc | 471cc |
全長 | 2,300mm | 2,205mm |
全幅 | 890mm | 820mm |
全高 | 1,155mm | 1,090mm |
シート高 | 740mm | 690mm |
車両重量 | 241kg | 191kg |
最高出力 | 34.6kW(47PS)/7,250rpm | 34kW(46PS)/8,500rpm |
最大トルク | 52.3Nm/5,650rpm | 43Nm/6,000rpm |
トランスミッション | 6速マニュアル | 6速マニュアル |
メーカー希望小売価格 | ¥979,000〜 | ¥836,000〜 |
まとめ
張り切って書いていたらかなり長くなってしまいましたが最後まで御覧いただきありがとうございました。
ロイヤルエンフィールドの歴史から現ラインナップまでわかる限りの情報をまとめました。
最近妻がインド映画のRRRにハマっていて、その影響で作中に登場したロイヤルエンフィールドのバイクに乗ってみたいと言い出しました。
我が家には2台のバイクを置くスペースがないので二人で共用できるバイクへの買い替えを検討しています。
現状妻は中免しか持っていないので『Classic350』か、大型バイクの免許を取得してもらって『CONTINENTAL GT650』にするかで迷っているところです。
2台所有できるのがベストなんですけどね。
皆さんは気になったロイヤルエンフィールドの車種はありましたか?
取扱店は全国にもそんなに多くないですが、是非最寄りの店舗を探して実車を確認してみてください!
ロイヤルエンフィールドでは、2023年8月1日から2023年12月末までライセンスサポートキャンペーンを実施中です!
期間中に対象車種を購入し、車両登録完了させることで大型自動二輪免許の取得費用を33,000円サポートしてくれます。(2023年4月1日〜2024年2月末までに免許取得完了分まで)
投稿者プロフィール
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バイクやキャンプなどのジャンルを専門にライターをしているえもと申します。
モトコネクト立ち上げからライターをさせていただき2022年12月に会社を退職。合同会社Cap.Nemoを設立しました!
バイクの楽しさや便利グッズなどをわかりやすくお伝えしていきます。
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