皆さんこんにちは!整備士ライダーのヨシキです。突然ですが皆さん、タイヤ選びにこだわったことはありますか?実はタイヤは同じメーカーでも性能が全然違ったり、純正タイヤよりも市販タイヤの方がスペックアップしていることがあります。
何となくお店に言われるままタイヤ交換しているという方、ぜひタイヤにこだわってみませんか?今回はタイヤについて紹介していきます。
タイヤ交換していますか?
そもそもまずはタイヤの正しい交換時期をご存じでしょうか?タイヤはセンターの溝が減っていたり(段付き減り)、タイヤ側面のヒビ割れが確認できたら交換の合図です。もしくは溝に掘られた“スリップサイン”が露出していたり、製造から4年ほど経過したタイヤも交換推奨時期です。
タイヤを交換すると走りが劇的に変化します
タイヤは徐々に減っていくので、摩耗による性能低下は正直実感しにくいと思います。しかし、グリップ力や安定感は間違いなく低下しているので、まだ走れそうなタイヤでも、新品のタイヤに交換すると走りが劇的に変化します。
例えば、バイアスタイヤをラジアルタイヤに変更するだけでもコーナーリング中のグリップ感が向上しますし、多少グリップ力を落としてロングツーリング用のタイヤにすれば長時間ライディングでも疲れません。
タイヤ交換の目安は残溝だけではなく製造年数にも注意
タイヤは生ものです。製造年数から期間が経つほどゴムが硬化して性能が低下してしまいます。よくネットで新品の激安タイヤが売られていますが、中には新品でも製造年数が古いタイヤも存在するので注意が必要です。
製造年数の見方はタイヤ側面に掘られた4ケタの数字。この数字の末尾2ケタが製造年を示しているので、ご自身のタイヤなどで確認してみて下さい。
ちなみに、製造から2年程度のタイヤはまだまだ走れますので、特価で見つけた時はチャンスです。
タイヤ交換の豆知識
バイクの皮むきは必要ないっていうけれど
バイクの皮むき必要・不要論争は昔からの永遠のテーマですね。結論から言えば“タイヤの皮むきは必要”です。ですが、昔のような皮むきと違い、60㎞/h走行で100㎞程度、慎重に走るだけでOKです。
というのも今のタイヤは過度な皮むきをしなくても滑って転ぶ可能性は非常に低くなっています。
以前はタイヤ表面に塗られた劣化防止剤によってスリップすることもありましたが、今は劣化防止剤によってグリップ力が極端に落ちることはありません。ある程度慎重に走っていれば通常走行で問題が出ることはまずないでしょう。
しかし、タイヤワックスでピカピカにされたタイヤは要注意。タイヤワックスは油ですので、とても滑ります。トレッド面についている場合は皮むきする以前にタイヤを洗って油を落としておきましょう。
小型車向けのバイアスタイヤはラジアルタイヤ並みのグリップを感じる
最近は125㏄クラスの小型車クラスがアツくなっていますね。GSX125なんて原付には見えません。こういったバイクのタイヤサイズはバイアスタイヤが基本ですが、タイヤサイズを変更してラジアルタイヤを装着する方もいます。
ですが、個人的には最近のバイアスタイヤはラジアルタイヤ並みのグリップを持っており、ワインディングロードを十分楽しめる性能を持っていると思います。以前のバイアスタイヤといえば硬く、路面からの突き上げが大きくてグリップ抜けが怖い場面が見られましたが、最新モデルではそういった不安感はほとんどありません。
公道レベルではまず破綻しないと思います。
小排気量クラスは下手に太いラジアルタイヤを履かせるよりも、バイアスタイヤのまま、タイヤスペックを上げる方が結果的に乗りやすいかもしれませんね。
実は新車添付タイヤより同等モデルの市販品の方がスペックが高い場合がある
これは意外と知られていない話ですが、実は新車添付タイヤよりも同等の市販モデルの方がスペックが高い場合があります。
これはタイヤに求められる性能の違いで、新車添付タイヤはメーカーの性能要求を満たすように設計・開発。コーナーリング性能や制動能力などマシンスペックにあったタイヤになっています。
一方、市販モデルは幅広い車種に適合するようなスペックのタイヤとなっており、適合するマシンの範囲も小型車からハイパワー車まで様々な車種を想定しています。
そのため、同じモデルでも市販タイヤの方がカバーしているマシンの範囲が広く、結果的に市販タイヤの方が性能が高く感じられるわけです。
タイヤ交換をしてみよう
そろそろタイヤ交換をしたくなってきましたか?では、お店任せではなく、自分でタイヤを選ぶ一例をご紹介していきましょう。タイヤを選べるようになると販売店での買い物が一層楽しくなりますよ!
タイヤの選び方
タイヤの選び方の基準は2通り。
- 価格面
- 用途
どちらを優先するかで大筋が決まります。ただ、タイヤは安全に直結する重要なパーツなので、個人的には用途から選んで、そのうえで価格を考慮するのがおすすめです。
価格から選ぶ
価格から選ぶ場合はメーカーを基本に選ぶといいでしょう。タイヤの価格はメーカー各社で大きく異なります。国産タイヤでもダンロップとブリヂストンでは販売価格が違うなど、グレードを落とすより、価格でメーカーを決めるとお得かもしれません。
レースでもない限り国産タイヤのメーカーにそれほど差は感じませんからね。
また、どの販売店にも“強いタイヤメーカー”があります。強いタイヤメーカーの商品は他店に比べて値引き額が大きいこともあるので、なるべく安く買いたいのであれば複数店に足を運んで価格調査をしてみるのもいいでしょう。
但し、ネットタイヤの持ち込みは結果的に工賃を含めると非常に高くつく場合があるので、知識にあまり自信がない方にはオススメできません。
用途に合わせて選ぶ
タイヤ選びの王道はやっぱり用途に合わせてが一番です。
- ツーリング用
- 街乗り用
- スポーツタイプ
- オフロードタイプ
タイヤは用途に合わせて様々な種類が販売されています。例えば、最近のツアラーやSSは排気量が大きくパワーが強いため、コンフォートタイヤはおすすめできません。しかし、最近はスポーツタイプでなくともツーリングタイヤがかなりスポーツ領域をカバーできるようになってきているので、コストパフォーマンスを考慮するとSSにツーリングタイヤという選択肢もアリです。
このように近いグレードのタイヤ同士なら乗り方に合わせて得意な領域に合わせてタイヤを選ぶと満足のいくタイヤチョイスができるはずです。
オフロードタイヤを選ぶときは慎重に
気を付けていただきたいのがオフロードタイヤ。ごつごつしているブロックタイヤがいかにも“オフロード”という感じですがブロックタイヤはアスファルトでの性能が極端に低下します。具体的に言うと、曲がらない・止まらない・振動がひどいといった具合。
林道主体ではなくオンロードツーリングの最中でたまに林道というくらいなら、ブロックの山が低いアドベンチャータイプがおすすめです。
タイヤ交換は体感しやすい身近なカスタム!どんなパーツをよりもグレードアップの効果が分かります
タイヤは走りに直結する重要なパーツです。正直マフラーを交換するよりもハイグレードタイヤに交換する方がマシンの変化を実感できます。
タイヤは決して安い買い物ではないからこそ、じっくり選んで、納得のいく商品を選んでくださいね。
投稿者プロフィール
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元モトクロス国際B級ライダーのヨシキです。
趣味は林道探検、オフロードバイクでどんな山道も散策します。
今は整備士として活躍しているので、メンテナンス、DIYでできる整備など、お役に立てる情報を発信していきたいと思います。もちろんレーサーならではのライテク記事も執筆していくのでおたのしみに。
【愛車たち】
SUZUKI RM-Z250,HONDA CR125,SUZUKI RM80L
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