春といえば、バイクにとっての強敵となる「強風の季節」でもあります。
強風が吹くと、バイクにどんな影響があるのでしょうか。
また、強風に対して、どんな対策があるのでしょうか。
ここでは、「走行中」と、「停車中」の2つに分けて強風の影響と対策を説明していきます。
走行中、強風に吹かれたときにどんな事が起きるか?
コントロールを失いやすい
走行中に受ける風の方向によって状況が変わります。
一番怖い!横方向からの風
走行中、横方向からの強風で、となりの車線や対向車線にスライドしてしまうことがあります。
筆者も台風時に走行中、横からの突風を受けて隣の車線にスライドしたことがあります。これが対向車線だったらと思うとゾッとしました。
正面からの風:
風と正面からぶつかり合うので、スピードが出にくく、スロットルを開けてしまいがちになります。そんな時、風が急に緩むと突然スピードが出始めるため、前輪が浮くなど、コントロールが難しい状態になってしまう可能性があります。
スピード出過ぎ!後ろからの風:
いつも感じでスロットルを回していると、スピードが過剰に出てしまいます。そんなときにフロントブレーキを強くかけると、前のめりになり、後輪が浮きやすくなります。
目にゴミが入りやすい
シールドの僅かな隙間からゴミが入り、激痛で走行中に目が開けられなくなることがあります。
走行中に強風にあったらどうすれば良い?
危険です。まず、スピードを落としましょう
原付きや小型二輪など、比較的車重の軽いバイクは、強風で車体が風で煽られて浮いたり倒れたりする場合があります。
大型バイクは停車中では風に強いと言われていますが、逆に「走行中は風に煽られると戻すのが大変」という話も聞きます。
何はともあれ、スピードを落としましょう。
スピードを落とすことで、失いかけた車体のコントロールを取り戻せます。
あまりにも強い時は、一旦停車しましょう。
怖いと感じたら、一旦停車して、建物など避難できるところを探しましょう。
台風でもない限り、突風は一時的なことが多いので、無理して運転せずに、一旦停車し、退避しましょう。
ビルの合間などは、突風のようなビル風が発生する場合があるので、周囲を見渡し、避難する場所にも気をつけましょう。
横風に吹かれたら、風によりかかる
走行中、筆者が一番怖いと思うのは横風です。横風に煽られた時は、風の方向にすこしだけ「よりかかる」ように体重移動すると車体のバランスがとりやすくなります。
ただし、一時的な突風や、慣れていない人にはかえって危険ですのでやめましょう。
シールドはしっかり閉じておく
顔面部分を完全に閉じられないジェットヘルメットや半キャップの場合は、目を保護するシールドを普段から着用するようにしましょう。
走行中に両目にゴミが入ったりすると、路肩にバイクを寄せることも難しくなります。交通事故にもなりかねません。
シールドなしの裸眼で運転するのはとても危険ですので、普段から目を保護する対策は必ずしておきましょう。
停車中のバイクが強風で受ける影響
停車中のバイクが、強風で受ける一番の影響は、バイクが転倒することです。
バイクの転倒により、車体に傷がついたり、転倒の衝撃でハンドルの軸がぶれたりします。
停車中の転倒は、なんとしても避けたいですよね。
実は、停める場所、停め方を少し変えるだけで、バイクの転倒は防げます。
次の対策を見ていきましょう。
停車中の強風対策(バイクを転倒させない方法)
舗装道路かコンクリート面など、硬い路面にスタンドを立てる
未舗装路面に停車すると、スタンドが地面にめり込み、バイクが転倒することがあります。
強風時のスタンドには自重+風圧がかかるためです。
停車する時は、舗装道路やコンクリート面など、スタンドが地面にめり込まない硬い路面を選びましょう。
仕方なく未舗装路面に停車する時は、平たい石や板など、スタンドにかかる重さを面で支えるものをスタンドの下に敷きましょう。これでスタンドが地面にめり込みにくくなります。
実はセンタースタンドよりサイドスタンドの方が風に強い
センタースタンドは直立で支えることで安定し、後輪が浮くことでメンテナンスもしやすいのが特徴ですが、ほぼ前輪とサイドスタンドだけで支えているため、実は横風に弱いのです。
それに対して、サイドスタンドではスタンドと前・後輪の3点にバイクの自重がかかるため、安定性が高いのです。
サイドスタンドを使用する時は、必ずハンドルロック(左に切って固定)を使用しましょう。サイドスタンド側に自重がかかりやすくなり、安定します。
右側の転倒に注意
サイドスタンドにも弱点はあります。
それはサイドスタンド反対側(右側)に支えがないことです。
スタンド側からの強風(進行方向左から右への強風)に対する支えはないので、進行方向右手側を建物の壁などに寄せておき、転倒を防ぎましょう。
壁がない場合の対策として、スイングアームリフトスタンドのような商品もあります。
ギアは1速に入れておく
安定性の高いサイドスタンドですが、もうひとつだけ弱点があります。
サイドスタンドは、前方への力にも弱いのです。
その対策として、ギアをニュートラルではなく、1速に入れておきましょう。そうすることで、後輪にロックが掛かった状態になるので、後方からの風に対して、簡単には動かなくなります。
ブレーキロックも有効
ブレーキロックをセットすれば、前輪のブレーキをかけた状態で停車できるので、より車体が動きにくくなるのでおすすめです。
ブレーキロックは傾斜のある場所での停車などにも使えるので、普段から搭載しておくと便利なアイテムです。
大きい荷物(積荷)はバイクから外す
大きい荷物(積荷)をバイクに搭載したままにすると、風の抵抗が大きくなり、バイクの安定性を低下させることがあります。
ヘルメットボックスなど、取り外せる積載物は極力外しておきましょう。
風の通り道に停車しない。
風が弱まる建物の影などに停車しましょう。
仕方なく、風の通り道に停車する場合は、なるべく風に向けて停車しましょう。
カバーは外したほうが無難
バイクカバーは、強風による飛来物などからバイクを守る役割もしますが、カバーをかけることで、バイクにかかる風の抵抗も確実に増やしてしまいます。
バイクカバーが、ヨットの帆みたいになるので、バイクが倒れやすくなってしまうのです。
また、強風でカバーがバタバタと車体表面に叩きつけられることで、表面に引っかき傷ができることもあります。
以上より、強風時にはバイクカバーは外したほうが無難です。
まとめ
■「運転中に強風に煽られたら」、以下の事をやりましょう。
- スピードを落とすことでコントロールしやすくなります。
- 「怖い」と思ったら早めに停車、建物の陰に隠れる
■「強風でも倒れない停車方法」は、次の通りです。
- ビル風などの風の通り道は避け、スタンドが舗装面かコンクリート面に停車する。
- サイドスタンドを使い、サイドスタンド反対側への転倒防止対策もする。
- ギアは1速にいれる。ハンドルロックもかけると車体が動かない。
- 風の抵抗を受けやすい大きい車載物(積荷)は取り外す。
- バイクカバーは外した方が無難。
投稿者プロフィール
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【チャリダーからライダーへ】8年前、自転車整備の延長で、ほぼ一人でメンテできるスーパーカブ110(ja10)と出会い、世界が広がる。
【スーパーカブ】走行距離9万キロ。試行錯誤のメンテで失敗(エンジン焼き付き)もあるが、不調から回復するカブから元気をもらっている。
東京生まれ。沖縄在住25年。50歳で人生初の脱サラ。2023年からライターとして活動。「自分で直せる」を皆さんにお伝えできたら嬉しいです。
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