ウインカーやヘッドライトの電球をLED化は、電気の知識がないと難しそうですが、条件を満たす車種であれば意外と簡単に交換できるのでご紹介します。
LED化するメリットとデメリット
そもそも、ランプをLED化するとどんなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
LEDのメリット
- 明るい:ハロゲンランプの約2倍以上明るさがあります。
- 照射範囲が広い:ハロゲンランプより広く、左右も遠くまで明るく照らします。
- 消費電力が小さい:ハロゲンランプの約半分の消費電力。
- 寿命が長い:LEDヘッドライトの稼働時間は約1万時間。毎日2~3時間点灯させても、約10年間は交換が不要です。
- 点灯のレスポンスが速い: LEDは点灯・消灯の反応がハロゲンランプより速く反応するため、ウインカーやブレーキランプなどの信号機能において重要な役割を発揮します。
LEDのデメリット
- 高価:一般的にハロゲンランプの倍以上はします。
- 照射範囲が違う場合がある:車検が通らない場合もあるので、製品が自分のバイクに適合しているかのチェックが必要です。
- 他のパーツが壊れることがある:LEDチップは長寿でも、放熱フィンや別の部品が壊れる場合があります。
- 余剰電力が他部品に悪影響することも:電力消費が抑えられることで、余った電力がレギュレーターなどに不具合が生じさせることがあります。
簡単にLED化できるバイクの条件は?
自分のバイクはLED化できる条件がそろっているか?気になるところです。
一般的に次の2つの条件をクリアできれば、LEDへの付替えが比較的簡単にできます。
【LED化の条件1】バイクの電気系統が「直流式」である
バイクの電気系統には「直流式」と「交流式」がありますが、自分のバイクはどっちなのでしょうか?
見分ける方法は簡単です。キーをONにした時にヘッドライトが点灯するバイクは「直流式」で、エンジンを掛けてはじめて点灯する場合は「交流式」と判断します。
自分のバイクが「交流式」の場合でも諦めないでください。
交流式を直流式に変換するパワーアダプターが市販されているので、それを装着すればLEDへの付替えができます。
【LED化の条件2】ケース内にLEDバルブを収納できる広いスペースがある
一般的に、LEDバルブはハロゲンバルブよりも大きく、特にヘッドライトでは発熱量が大きいため、放熱フィンなどで大型化しています。そのため、ケース内にLEDバルブや付属品が収納できるスペースがあるバイクは、比較的簡単にLEDバルブを装着できます。
ウインカーをLED化する
それではまず、ウインカーをLED化する方法や気をつける点などを紹介します。
ウインカーをLED化する方法
1️⃣バイクの電源は必ずオフにする
スイッチがONの状態で作業すると、感電などの事故の原因になりかねません。エンジンはもちろん、電源もオフにしてから作業しましょう。
2️⃣リレーを交換する
純正のウインカーリレーをLED対応のICリレーに交換します。ウインカーリレーがある場所は車種によって違いますが、一般的にはタンクの真下に装着されていることが多いです。
3️⃣純正バルブをLEDに交換
ウインカーカバーを開けてバルブを交換します。LEDバルブは事前に適合サイズをチェックしておきましょう。LEDバルブには極性があるため、プラスとマイナスを確認してから装着しましょう。
ウインカーをLED化する時に気をつけること。
ウインカーの色や明るさ、取り付け位置も決められています。取替えたあと、ウインカーが以下の条件を満たしているか確認しましょう。
- 発光色は橙色(オレンジ)であること
- 明るさは10W以上60W以下
- レンズ(照明部)の面積は7cm2以上
- ウインカーの取り付け位置:フロントの場合は最内縁が240mm以上、リアの場合は発光面の中心が150mm以上離れる。
LEDウインカーの取り付け時に良くあるトラブルと解決方法
トラブル1:ハザード状態になる
ウインカーのインジケーターランプが1つのバイクの場合(左右共用の場合)、LEDに交換するとハザード状態になることがあります。
⇒解決方法:整流ダイオードが内蔵されたハーネスを取り付けましょう。
トラブル2:ハイフラッシャー状態になる
ウインカーの点滅速度が異常に早くなる。⇒LEDは消費電力が小さいので、ウインカーリレーが正常に作動しないことがあります。
⇒解決方法:純正のウインカーリレーをLED対応のICリレーに交換すれば解決するはずです。
トラブル3:ウインカーのカチカチ音がしない
従来の機械式ウインカーリレーは機構的に音がカチカチしますが、ICウインカーリレーは電子制御のため、物理的に音がしません。安全面から見ても、カチカチ音があるとウインカーを消し忘れる防止になるので、「ウインカーブザー」という部品を追加するか、ウインカーブザー付きのICウインカーリレーの購入をおすすめします。
下記商品は、ブザー付きのICウインカーリレーです。
ヘッドライトをLED化する
ヘッドライトをLED化する方法
1️⃣バイクの電源は必ずオフにする
ウインカーの交換時と同じで、安全のためにエンジンはもちろん、電源もオフにしてから作業を開始しましょう。
2️⃣ハロゲンランプからLEDバルブへ交換
ハロゲンランプの交換と同じ要領で、LEDバルブに交換します。ヘッドライトケースやカウルをもとに戻します。
3️⃣通電確認
もとに戻したら、バッテリーの電源を入れて正常にライトが点灯するか確認しましょう。
ヘッドライトの取り付け時に良くあるトラブル
ヘッドライトの交換時によくあるトラブルと、その解決方法は次のとおりです。
思ったより明るくならない
ヘッドライト内部のリフレクター(反射板)がハロゲンランプ用に設計されているため、発光位置や方法が違うLEDの光を効率よく路面に反射できない場合があります。
⇒解決方法:少々高くても、信頼できるメーカーの商品を使いましょう。
点灯後、だんだん暗くなる
LEDチップなどから発生する熱を放熱できないと徐々に暗くなることがあります。
⇒解決方法:効率よく放熱・冷却ができるように、ヘッドライト内部の熱が逃げやすい構造に改変しましょう。
LED化する時の注意点
- バルブの口径を事前に調べておくと安心です。
- 250cc以上のバイクは、車検用に対応している製品を選びましょう。車検毎にわざわざ純正品に戻さずに済みます。
- 晴天時の白色LEDは、明るく見やすく、相手からも発見されやすいのですが、霧などの悪天候時には、逆に光が遠くまで届かず、相手からも発見されにくいというデメリットがあります。悪天候時用に黄色のフォグランプを付ける方法が有効とされています。
まとめ
- LED化すると、明るく、照射範囲が広く、消費電力も小さく、寿命が長いなどのメリットがある反面、高価格であり、場合によっては照射範囲がハロゲンランプとずれる、LEDチップ以外のパーツが壊れるなどのデメリットもあります。
- 電気系統が「直流式」であることと、ライトケースの「収納スペースが大きい」ことの2条件を満たすバイクであれば、LED化は意外と簡単にできます。
- 自分のバイクが「交流式」でも、直流式に変換するパワーアダプターでLED化は可能です。
- LEDは、霧などの悪天候時には光が遠くまで飛ばず、相手からも発見されにくくなります。そんな時は、黄色のフォグランプが役に立ちます。
- 電気系統の作業は、感電などの危険が伴い、一歩間違えると、重大な事故につながる可能性があります。作業する時には感電対策などの安全対策をしっかりと行うとともに、「うまく行かない・不具合が生じた」場合には、自己流で判断せずにバイク店に相談しましょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
投稿者プロフィール
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【チャリダーからライダーへ】8年前、自転車整備の延長で、ほぼ一人でメンテできるスーパーカブ110(ja10)と出会い、世界が広がる。
【スーパーカブ】走行距離9万キロ。試行錯誤のメンテで失敗(エンジン焼き付き)もあるが、不調から回復するカブから元気をもらっている。
東京生まれ。沖縄在住25年。50歳で人生初の脱サラ。2023年からライターとして活動。「自分で直せる」を皆さんにお伝えできたら嬉しいです。
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