バイク歴が長い方や頻繁にツーリングに行く方、サーキット走行をよくする方なら聞いたことがあるでしょう。その名も“チャタリング”。
チャタリングが発生するとフロントタイヤに嫌な振動が伝わったり、グリップが抜けそうになったりと何かと怖い思いをしますよね。特にサーキットではチャタリングに悩まされるライダーも少なくないでしょう。
そこで今回はチャタリング撲滅を目指して、チャタリングを発生させないライディングテクニックをご紹介していきます。
チャタリングに悩んでこの記事にたどり着いたすべてのライダーのためになるテクニックを、元モトクロスライダーのヨシキが伝授します!
チャタリングとは
まずはチャタリングについて。チャタリングとはカーブの侵入や出口、もしくはストレートの特定の速度域で発生するフロントタイヤの“異常振動”のことを言います。
チャタリングが発生すると、ハンドルが小刻みに震えたり、コーナーリング中に車体が不安定になるなど、様々な症状を引き起こします。
一般的にサーキットや高速コーナーが多い峠道ほどよく発生し、路面のミューが低い林道ではチャタリングが発生しても気が付かない場合がほとんどです。
ハンドルが小刻みに震える症状が出ていたらチャタリングを疑うべし
もしあなたが今バイクに乗っていて、時々フロントタイヤが暴れたり、ハンドルが小刻みに震えるような症状が出ていれば、チャタリングを疑ってみるのもひとつです。
チャタリングはマシン速度が速いほど起こると思われがちですが、タイヤや路面コンディションによっては低速でも発生します。
「最近どうもハンドルがふらつくんだよなあ」
こう思っている方はもしかしたらふらつきの原因はチャタリングにあるかもしれませんよ。
チャタリングが起きる原因
チャタリングはさまざまな要因が組み合わさって発生しますが、中でも
- サスセッティング
- ホイールの歪みや路面状況といった外的要因
- ライディングポジションが悪い
これら3つの要素が大きく関わってきます。チャタリングの要因についてみていきましょう。
サスセッティングがあっていない
バネが硬すぎたり、減衰が効いていないなど、サスセッティングがあっていない場合、チャタリングが発生する原因になります。
サスセッティングが極端にあっていないと、タイヤのグリップにサスペンションが負けてステムが振動し、チャタリングとなってハンドル操作に影響を及ぼします。
この症状はサーキットや高速道路を多く走る人によく発生し、対策方法はサスセッティングの見直しをするしかありません。
ホイールが歪んでいる、路面が著しく荒れているなどの外的要因
ホイールが歪んでいてフロントタイヤが偏心してしまっていたり、路面が荒れてバンピーになっている場所での走行もチャタリング発生の原因になります。
特にホイールの歪みは、わずかな変形でもチャタリングの原因になる場合があり、低速時でも一定の周期でチャタリングが発生するようであればホイールが原因かもしれません。
ホイールの変形はショップで簡単に測定できるので、どうしてもチャタリングが改善しないと悩んでいる方はプロに点検してもらうといいでしょう。
ライディングポジションが最適ではない
極端な前加重や後ろ加重はタイヤのグリップ力を正しく使えず、チャタリングが発生する原因になります。
特に、オフロードではただでさえチャタリングが起こりやすい路面であるにも関わらず、ハンドルにしがみつくような前傾姿勢を取ると、あっという間にチャタリングが発生します。
これは過度な前傾姿勢がサスペンションの動きを邪魔することが原因で、初心者のオフロードライダーによくみられます。
チャタリングを抑えるテクニック
ではチャタリングの原因が分かったところで、ここからは実際にチャタリングを抑えるテクニックを紹介していきます。
サスセッティングを見直してみる
サーキットや高速道路でチャタリングに悩んでいる人は、まずサスセッティングを見直してみましょう。見直しの方法は簡単。セッティングをメーカーの基準値に合わせるだけです。特に公道で発生するチャタリングの8割はこれで解決します。
サスをメーカー基準値に合わせて、それでも症状が改善しない場合は、速度を落として低速でもわずかにチャタリングが発生していないかチェックしてみましょう。
低速時も変わらずチャタリングが発生していたら、サスよりもホイールの歪みの点検をおすすめします。
意識的にフロントの荷重を抜いてみる
「サスもホイールも問題ないのにチャタリングが治らない」
そんなときは、もしかしたらライディングポジションが前すぎるのかもしれません。意識的にライディングポジションを後ろにして、チャタリングが発生しないかテストしてみましょう。
チャタリングが発生する原因には、タイヤのグリップにサスが負けてしまうという原因が考えられます。
無意識のうちにフロント加重で乗ってしまうと、フロントタイヤに大きなトラクションが発生し、サスとタイヤのバランスが崩れてチャタリングの原因に。
車体に関係なく、チャタリングをよく起こす人はライディングポジションを少し後ろに意識すると症状が改善しますよ。
ブレーキを残してカーブに侵入しない
峠やサーキットのコーナーでチャタリングが多く発生する場合、ブレーキを残してカーブに侵入していませんか?
ブレーキを残してカーブに侵入すると入り口ではフロントに大きな加重がかかり、脱出時にはアクセルを開けることでフロントの荷重が抜けていきます。
コーナーリング中にこのような加重移動が起こると、フロントタイヤのグリップ力が不安定になり、チャタリングが発生する原因となります。
このパターンでよくあるのはコーナーの出口付近でチャタリングが発生するケース。
「コーナーを曲がり終えてこれから立ち上がりだ!」と思ったときに、チャタリングでアクセルが開けられなくなっている人は、コーナー侵入前にブレーキングをしっかりと終わらせることを意識するといいでしょう。
チャタリングをコントロールできればどんなカーブも怖くない!
コーナーリング中にチャタリングが発生すると、マシンが制御不能になってとても怖い思いをするでしょう。
もしかしたらこの記事の読者の方には実際にチャタリングで怖い思いをしたことがある方もいるかもしれません。
チャタリングは原因を追究すれば、必ず克服できるトラブルです。チャタリングに悩むライダーは、まずどういったときにチャタリングが発生するのか、しっかりと分析してみることをおすすめします。
もしかしたらチャタリングの原因はバイクにあるかもしれませんし、バイクに問題がなければ乗り方を改善すればいいだけです。
ぜひチャタリングを克服して、カーブが怖いというトラウマを払しょくしてくださいね。
投稿者プロフィール
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元モトクロス国際B級ライダーのヨシキです。
趣味は林道探検、オフロードバイクでどんな山道も散策します。
今は整備士として活躍しているので、メンテナンス、DIYでできる整備など、お役に立てる情報を発信していきたいと思います。もちろんレーサーならではのライテク記事も執筆していくのでおたのしみに。
【愛車たち】
SUZUKI RM-Z250,HONDA CR125,SUZUKI RM80L
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