“デカールキット”なるものをご存じでしょうか?もともとはオフロードバイクなどの外装保護のために使用されていた保護シールのようなものなのですが、最近ではドレスアップパーツとして広く知られるようになりました。
その種類はオートバイの外装からヘルメット、ブーツ、プロテクターまでさまざま。
なにせ貼るだけでイメージをガラッと変えられるわけですから、カスタム好きの方々にはたまらないですよね。
そこで今回はデカールキットについてメリットやデメリット、キットの種類などをご紹介していきます。人とは違ったオシャレを楽しみたいと考えている方必見です。デカールキットを使って、ぜひお気に入りの一台を作り上げてください。
デカールキットとは
デカールキットとは、バイクの外装やヘルメットに貼るプロテクションフィルムのことを言います。たいていの場合は“フェンダー用”、“シュラウド用”といった具合にパーツごとにカットされたシートが複数枚入っており、貼りやすいキットになっていることが特徴です。
最近では、販売されているデカールキットのデザインも多彩になっていて、外装の保護の役割と同時にオートバイや装備品のドレスアップとして取り付けるユーザーが増えてきました。
ステッカーチューンとは違うの?
外装に張り付けてドレスアップするといえばステッカーチューンなどがありますよね?一見外装に貼ってイメチェンするという意味ではデカールキットと同じですが、ステッカーチューンにはパーツを保護するような性能はありませんし、パーツごとに1枚のシートにカッティングされていることもありません。
あくまで“ワンポイントオシャレ”といったイメージですね。
なので1枚のシートでパーツを覆って保護、ドレスアップを楽しむのがデカールキット。もともとの外装にちょっとしたステッカーを貼ってワンポイントオシャレをするのがステッカーチューンといったことろでしょうか。
デカールキット風にステッカーを貼るステッカーボムも人気
ちなみに、一時は大量のステッカーを貼って、ステッカーをまるでデカールキットのように見せる“ステッカーボム”なんてカスタムも流行りました。
デカールキットよりも安価にオートバイをドレスアップできることから、一時期多くのライダーが真似をしていた時期もありました。しかし、デカールキットのような保護性能はないため、割とすぐはがれてみっともなくなるのでブームとともに見かけなくなったステッカーチューンです。
デカールキットのメリット(効果)は?
デカールキット、実は結構高価な部品です。ですが金額に見合っただけのメリットがある重要な部品でもあります。
デカールキットの検討をされている方は、ぜひデカールキットのメリットをみて導入の検討材料にしてみて下さい。
外装の保護
デカールキットの一番大きなメリットは、外装パーツの保護です。特にトレール車やオフロードバイクなど、林道遊びをすることがあるバイクは、デカールキットを貼っておくことでいつまでも外装をきれいに保つことができます。
後程ご紹介していきますが、最近ではオンロードバイクに貼るデカールも増えてきました。走行中の飛び石などが気になる方には前後のフェンダーにデカールを装着しておくだけでも効果抜群です。
見た目のカスタム
デカールキットは、貼るだけで見た目のイメージを大きく変えてしまいます。人とは違うオリジナルなカスタムを楽しめるのもデカールキットの魅力ですね。
例えば最近の人気車種である“ホンダCRF250-L”。ノーマルの赤い外装にブルーのラインもかっこいいのですが、ブラックを基調としたデカールを貼り付ければ一瞬で黒い車体に早変わり。
たくさん見かけるCRF250-Lの中で自分のバイクだけがブラックだったらかっこよくないですか?もちろん色だけでなくデザインも変更できるので、見た目のイメージを手軽に変えたいときにはデカールキットを重宝します。
オーダーメイドができる
「そうはいっても自分の気に入ったデカールがない!」
そんな方。ご安心ください。デカールキットはオーダーメイドできます。専門のデカールショップにデザインを持ち込んで印刷依頼をすれば、世界で一つだけのオリジナルデカールを作成してもらえます。
デザインに自信がない方は、ショップの人といくつかのベースを元に相談しながら作ることもできます。
手軽に、自分のイメージ通りのバイクが仕上がるデカールキットづくりは一度経験してしまうとやめられなくなってしまいますよ。
デカールの貼り替えによって塗装よりも安くイメチェンができる
長く同じバイクに乗っていて色やデザインに飽きてしまった。そんな方が検討する“全塗装”。確かにイメージカラーも変えられますし、塗装もキレイに仕上がるので、車体のリフレッシュも兼ねて行うのはとてもおすすめです。
しかし、全塗装は費用も時間もかかるのがデメリット。特にコスト面では、下手をしたら新しい中古車が買えそうな費用が掛かることもあります。
そんなときにもデカールキットはオススメです。全塗装よりも安価に車体のイメチェンができますし、デカールキットのデザインに飽きてしまった場合には、新しいものに張り替えるだけですぐに新しいデザインに生まれ変わります。
全塗装よりも手軽に外装をリフレッシュできるデカールキットは、長く同じバイクになっている人にこそ試してみてほしいですね。
デカールキットのデメリット
手軽にイメチェンができて、外装保護もできるデカールキット。いいところがたくさんあるのですが、多少デメリットもあります。
メリットばかりではない点にだけ注意してくださいね。
ステッカーチューンに比べて高価
デカールキットは、ステッカーチューンに比べると高価です。安いものでも3万円程度しますし、高いものだと5万円を超えるものもあります。
一方のステッカーチューンは、貼るところや貼る面積にもよりますが、おおよそ1万円もあれば十分仕上がるでしょう。
コストを抑えてドレスアップをしたい人にはデカールキットは不向きかもしれません。
貼り付けが大変
デカールキットは厚手のプロテクションフィルムを使用しているので、慣れていない方がDIYで貼り付けるには道具とコツが必要です。
必要な道具は、霧吹き、洗剤、ドライヤー、へらなど。専用の道具があれば所詮シール貼りですので根気さえあれば誰にでも施工できます。
しかし、いきなり新品のデカール貼りに挑戦して失敗するとヘコむので、もし自分で初めて挑戦するという方は、オークションなどで適当なデカールキットを買って一度練習してみてからチャレンジしましょう。
簡単には貼り替えられない
デカールキットは塗装よりは簡単に貼り換えでイメチェンができます。ですが、作業的な話をすると簡単に貼り替えられるわけではありません。
新しいデカールキットは粘着力が強く、一度貼ってしまうとはがすのに強い力が必要です。専用の道具があれば簡単にはがすことは可能ですが、個人で道具を所有している人は少ないでしょう。
貼り付けにしろ貼り換えにしろ、DIYレベルでは少し大変な作業かもしれませんね。
デカールキットはオフロードバイクだけではない
先程も軽く触れましたが、今やデカールキットはオフロードバイクだけではありません。オンロードバイクやヘルメット、ブーツに至るまで存在します。
ヘルメットのデカールキットなんてちょっと気になりませんか?
今流行りのデカールキットの最新アイテムをご紹介します。
オンロードバイク用デカール
オンロードバイク用デカールはオフロードバイクと違い、車体全体を覆う商品よりも、よくこすれて傷がつく燃料タンクや、飛び石保護のためのフェンダー用のデカールが発売されています。
しかし、一部車種ではアンダーカウル用のデカールも登場してきているので、探してみる価値はあるでしょう。
ヘルメット用デカール
ヘルメット用のデカールキットはここ最近流行りだした新しいキットです。汎用のヘルメットステッカーと違い、対象のヘルメット専用にカットされていて、あごのラインやベンチ部分はもちろん、ヘルメット全体にフィット。
まるで塗装したような仕上がりになります。まだまだ対象となるヘルメットのラインナップは少ないですが、いずれ登場してくることでしょう。
ブーツ用デカール
“アルパインスターズ”製のブーツでは以前から発売されていたのですが、最近ではデカールキット人気の高まりにより、他社ブーツの商品も販売されるようになりました。
しかしアルパインスター以外のブーツの場合、型取りが必要になるなど、少し製作に時間がかかる場合が多いようです。
おしゃれは足元から!というようにブーツにもデカールキットはオススメです。
【まとめ】他の人よりも目立ちたいならデカールキット一択
さて、オーソドックスなデカールキットから最新の流行りアイテムまで、たくさんのデカールキットをご紹介してみました。
貼り付けるだけで簡単にバイクのイメージを変えられて、オリジナルデザインも作れてしまうデカールキット。人気になるのも頷けますね。
ただし、DIYで貼り付けを行う場合は少しコツがいるのと、キット本体も比較的高価な点には注意が必要です。
とはいえ、塗装などによって外装リフレッシュを検討していたり、林道ツーリングを楽しむ人にとってはデカールキットはまさに救世主。
全塗装よりも低コストで外装の傷も防げるわけですからやらない手はないでしょう。
自分のマシンもオリジナリティあふれるデザインにカスタムしてみたい!と考えているそこのあなた。やるならデカールキット一択ですよ。
投稿者プロフィール
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元モトクロス国際B級ライダーのヨシキです。
趣味は林道探検、オフロードバイクでどんな山道も散策します。
今は整備士として活躍しているので、メンテナンス、DIYでできる整備など、お役に立てる情報を発信していきたいと思います。もちろんレーサーならではのライテク記事も執筆していくのでおたのしみに。
【愛車たち】
SUZUKI RM-Z250,HONDA CR125,SUZUKI RM80L
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