はい!元バイク屋のフォアグラさんです、こんにちは。
さて今回は出会いと別れの季節、春について。
学校では卒業式や入学式、社会人でも新たな年度期に入るという企業にお務めの方も多いでしょう。実はこの春という季節は、バイクの乗り換えに最も適した時期の1つなのです。
ただしこの時期は立ち回り方を間違えると、バイクを買ったことを後悔することになったり、大きな経済的損失に直結します。
今回は非常に実用的、かつ皆さんのお財布にも直結する内容なので、是非最後までご覧ください。
ニューモデルの発表・発売に伴う注意点
ではまず各社のモデルの発表・発売時期に関する注意点から。ここは新車の購入、中古車の購入を検討している方のどちらにも共通したお話になります。
ニューモデルは春に出る
まずバイクのニューモデルというのは、大体春までに出揃います。もちろん完全新設計の新車種となると話は別ですが、カラーリング変更だけでなく、サスペンションやエンジン出力特性といった、走行性能にも影響するような変更が行われる場合も春までに発表・発売されることが多いのです。
当然ですがバイクを買うのであれば、「新しいモデルが良かった」といった後悔をしない為にも、変更の内容を見届けた上で購入に踏み切りたいですよね。
逆に去年までのモデルが気になっていて購入を迷っていたけど、ニューモデルを見て「やはり去年までのモデルが好きだ」と思えれば、納得して購入することもできます。
さらに言うとニューモデルが発売になった場合、残っていた旧モデルの価格が大きく引き下げられる可能性も考えられます。
自分が勤めていた店の話ですが、昨年仕入れた売れ残りの在庫新車が、昨年売れて今年買い取った同年式の中古車よりも安い価格で投げ売りになったりもします。
こんな極端なケースもあるので、特にカラーリングにこだわりなどがない場合は、昨年の在庫が残っていないか確認した方が良いでしょう。せめて近所のメーカー系のディーラーや、レッドバロンといった大手販売店ぐらいはチェックしておきましょう。
またカラーリングのような小変更ではなく、ガラっと外装のデザインが変わったり、サスペンションが全く別物になったりというビッグマイナーチェンジが行われる場合もあります。このような場合は特に前年までのモデルの値下げ幅が大きくなったり、中古車相場も大きく下がる可能性があるので、中古車も視野に入れてみるのも良でしょう。
ニューモデル情報の入手方法
ニューモデルの情報は、もちろんネットを検索して調べることもできます。しかし「ヤングマシン」や「月刊オートバイ」といった雑誌がとても情報が早く、詳細なものが多いです。1年以上も前から次のモデルの噂や予想CGを見ることができたりもします。購入前にはこのような雑誌にも目を通しておくことをお勧めします。公式発表はなくとも、来年フルモデルチェンジが行われる可能性が高いという記事を見つけられたら、一旦冷静に考えることができますよね。
ネット全盛のこのご時世に「今時雑誌なんて」いう声も聞こえてきそうですが、本当に侮れません。
ネットにはどこの誰が書いたかも分からないような信憑性の低い記事や、素人ライターの記事も少なくありません。しかしこのような雑誌であれば、速報でもある程度信憑性が高いものであったり、試乗記もプロライダーだったりと、情報の質が高いのです。
逆に言えば、メーカーの息がかかった、忖度をした提灯記事を書くライターもいますので注意も必要です。この点に関しては我々YouTuberも同じなのですけどね。
というわけで、まずニューモデルの発売発表の時期から考えると、ニューモデルが大方出揃う春は1つの買い時であるということをご理解いただけたでしょうか?
春は中古車も買い時な理由
こちらでは中古車の在庫という観点から解説をしてきますので、中古車での購入を検討している方に向けてのお話になります。
実は春、特に4月以降というのは、中古車を買うのにお勧めしたいタイミングでもあるのです。
よく春は「新生活を始める人が多くて、バイクの需要が高まり、相場が高くなるからお勧めしない」という人もいます。確かにそういった考え方もあるでしょう。
とはいえ「よし、春になったから在庫のバイクを値上げしよう」という店はあるのかもかもしれませんが、ごく少数であるとは思いますし、相場が上がると言ってもごくわずかです。
おそらく多くの店で、すでに買取って値付けがされている車両の値上げをするようなケースは少なく、買取ったばかりでこれから値付けをする車両については、少し強気の値付けをするという程度でしょう。
実は4月から5月頃に買うというのは、そんな多少の相場変動云々どころではない大きなメリットがあるのです。
それは選択肢の数が多いということです。
当然ですがより多くの在庫の中から選ぶ方が、自分の理想に近い個体に出会える可能性はグっと高くなります。そう!春というのは在庫が多くて、たくさんのバイクから選ぶことができる、そういった時期なのです。
先ほど4月から新生活を始める人が多いと言いましたが、裏を返せば新しい生活を始めることにより、バイクが必要なくなる人手放す人も多いと言えるわけです。3月中にバイクを手放す人が多いとなると、4月というのは在庫が多くなりがちで、購入する側からすれば多くの選択肢の中から選べる時期でもあるのです。
また冬の間に買取った車両もあまり売れることはないのでストックされています。特に今年はコロナ禍におけるバイクブームが落ち着きつつあるので、手放す人が多くなっているかもしれません。特にデータがあるわけではありませんが、個人的には今年2024年の3月は買取りがいつも以上に多くなり、4~5月は特に豊富な選択肢から選べるようになる気がしています。
今年に関しては、バイクを買う側からするといいタイミングかな?と思います。逆に売る側からすると、今年は相場の下落により、買取価格が渋くなるように思います。とはいえ高額で買い取ってもらうためのテクニックというのもあります。
元バイク屋として、ただ買うというだけではなく、売って買う、つまり乗り換えのテクニックの真髄も後ほどお伝えします。
なぜ3月は買取りが多いのか?
なぜ3月は買取りの繁忙期なのか?その最大の理由は自動車税にあります。
この自動車税というのは、実は4月1日時点での車検証などの書類上の使用者に支払い義務が生じます。つまり3月31日までに売却を行い、名義変更を終えておけば、1年分の自動車税を支払わずに済むということなのです。
自動車の場合はもし4月以降に売却したとしても、その残りの期間分月割りで変換されます。ですのでいつ売却しても特に損をすることはないのです。でもバイクの場合は4月1日に自分名義になっているっていうだけで、1年分の税金の支払いをしなくてはならず、返還されることもありません。ですので売却や乗り換えを検討している場合絶対に3月31日までに名義変更を終えておくようにしましょう。
だから3月というのは、このことを知っているユーザーが駆け込むため、バイク買取の繁忙機なのです。
ということは当然バイク屋さんや買取り業者は、この時期に最も買取りに力を入れ、4月から売るための中古車在庫を溜め込もうとやっきになります。自動車税を回避できるだけでなく、高額査定も引き出しやすい最高のタイミングなのです。
下取り・買取り価格を吊り上げる方法
最後は、下取り価格や買取り価格を吊り上げるテクニックをお伝えしましょう。
それは競合させること。これがとにかく基本です。
なぜ競合させる?
乗り換えを検討しているあなた、次のバイクを買う店で査定してもらってそのまま下取りに出す、そんな素直なことをしてはいけません。いや、結果的に次に乗り換えるバイク屋で査定・下取りに出すことになったということ自体は良いのですが、その前に必ずワンクッションを挟んで欲しいのです。
例えば皆さんがバイク屋さんだとして、査定に持ち込まれたバイクが50万円くらいで売れるから、整備費用5万円と利益15万円と考えて「30万円で買取りますよ」という風にお客さんに伝えたところ、逆にお客さんに「〇〇が32万円で買取るって言っているんだよね」 と言われたらどうしますか? 33万円出すしかありませんよね。その値段でも利益は出せますから。
そう、競合させる状況を作り出せば良いのです。つまり事前に他の店で査定をして、そのバイクの価格を知っておけば、下取り査定でそれよりも低い価格を提示されたとしても、強気に交渉できますからね。
もちろん本来1番価格を出しやすいのは次のバイクを買う店です。バイクが1台 売れることによって利益が発生するわけですから、下取りであれば多少の無理が効きます 。しかしさっきお伝えしたように、いきなりその店に持ち込んでも、限界価格というのは出してこないということを認識しましょう。
オンライン査定を利用しよう
さらに言うと、事前に下取り車の査定に出す店の間でも競合させることが、今の時代はできるのです。ですので自分はバイク屋さんや買取り業者が競合入札していくオンラインの査定というのを以前からお勧めしているのです。
よく誤解されますが、このオンライン査定は買取り業者ではありません。言わば業者版のヤフオクのようなイメージです。1度写真をアップするだけで複数業者の査定額が分かるので、その中から最も高い金額を確認した上で、本命のバイクを次に買う業者の下取り査定に出してみてください。おそらくオンライン査定よりも安い金額を提示されることが多いと思います。
そうしたらオンライン査定で出た金額を伝えて交渉してみてください。そこで初めてバイク屋さんの限界価格というのを提示してくれるでしょう。その限界価格でもオンライン査定より安ければ、オンライン査定の方で売却すればいいですし、オンライン査定を超える査定額が出たら、そのまま下取りに出しても良いでしょう。
なんならオンライン査定の担当者に「他のバイク屋で上回る査定がつきました」と伝えて最高渉を依頼することもできるのです。こうすることで下取に出すバイクの価値を最大限高めることができるのです。
もちろんこのテクニックは下取りの場合に限らず、ただ売却をするという場合にも使えます。上でお伝えした方法によってバイクの査定額を釣り上げられる可能性が高いので、 間違いなくそのまま下取査定に出すよりも良いと思います。少なくとも損をすることはありません。
なお、オンライン査定は断る場合も一言、LINEのようなチャットで「今回は売りません」と伝えるだけなので、気軽に興味本位で自分のバイクの価値を確認したいという場合でもOK です。騙されたと思って1度利用してみてください。
オンライン査定はこちらへ⇒カチエックス
まとめ
というわけで、春というのは人間だけではなく、バイクに関しても出会いと別れの季節であるということご理解いただけたでしょうか。もしバイクの購入を検討しているという方がいれば、この記事を是非参考にして立ち回ってみてください。人によっては数 10万円単位で得をするはずです。
今回の記事はこちらの動画で詳しく解説しているので、是非こちらもご視聴下さい。
では今回も最後までご覧いただきありがとうございました。
投稿者プロフィール
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元バイク屋のYouTuber。
バイクライフに役立つ情報を毎週配信。
メカの話やバイク購入アドバイスはもちろん、用品レビューやバイク屋裏話まで、バイク乗りなら誰もが気になるテーマばかり。
ちなみに中身はアラフォーのおっさん。
好物はサッポロ黒ラベルとキャベツ太郎だが、子どもができて以来、ふるさと納税で貰った無糖レモンサワーで節約している。
最近、血糖値と血圧を気にしているらしい。
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