SNSは情報を入手したり拡散したりするためには非常に便利な道具ですが、何気ない投稿が炎上につながることもあります。
SNSにおける炎上を避けるためには、炎上の仕組みとそれを避けるためのマナーや心構えを知っておくことが重要です。
SNSは情報が瞬時に広がり、不特定多数の人々が意見を交わす場。時には、無意識に発した言葉や投稿が大きな反響を呼び、予期せぬ炎上に繋がることがあります。
特にバイクなどの趣味に関する発信では、愛車やカスタムに対する強い愛情やこだわりがあるため、誤解や反感を招きやすいので注意が必要です。
例えば、特定のバイクを「初心者向け」と発言するだけで、多くのライダーから批判を受けることがあります。
また、他人のバイクのカスタムを否定することで、そのオーナーや支持者からの強い反発を招くことも少なくありません。
よく燃える『定番の炎上ネタ』
バイク界隈のSNSで特に炎上しやすい「定番の炎上ネタ」には、交通ルールに関するマナーや運転技術への批判、特定のバイクへの決めつけ、他人のカスタムを否定する発言などがあります。
ライダーは、自分のバイクに対する深い愛情や誇りを持っており、他人の意見が自分の愛車やカスタムを否定するように受け取られると、強い反発が生じるのではないでしょうか。
具体例として、最近ではレブル250を「初心者向け」と発言したことで炎上したり、SSTRと言うイベントの盛り上がりに疑念を抱く発言が炎上したりしました。
SNSでの炎上を避けるためには、特定のバイクやカスタムに対する否定的な発言を控え、他人の気持ちに寄り添う意識を持つことが重要です。
炎上ネタ具体例:レブル250はダサい?
250ccクラスのバイクで大人気の車種である『レブル250』ですが、人気であるがゆえに多くの人の目に触れ、レブル250やレブル250に乗っているライダーを否定する内容の投稿が炎上したことがありました。
特に以下の内容で炎上しています。(私の意見ではないのであしからず)
- レブル250は見た目がダサい
- ハーレーに乗れない人が乗るバイク
- アメリカンで単気筒はない
- 遅すぎて原付二種に抜かれる
人気が出るとアンチが増えるのは必然です。否定的な内容は閲覧数が伸びやすく再生数稼ぎに利用している人もいます。
まず、すべての人に100%受け入れられるデザインやコンテンツというものはあり得ません。
これだけ売れているレブル250ですから、このバイクのスタイルを気に入らないと言う人も不人気車種と比較すると、かなりの数になるのでアンチコメントが他車種より目立ってしまうのでしょう。
また、私の周囲のレブル250乗りの皆さんはベテランから初心者まで幅広くいらっしゃいますが、共通して言えるのはハーレーには全く興味を持っていないということです(苦笑)
重そうだとか、うるさいだとか、私のハーレーが逆にディスられていました😂
炎上ネタ具体例:身の丈にあったバイクに乗れ!
https://twitter.com/Mimiri0726/status/1518436512601624576
投稿された動画を見ると炎上したのは小柄なバイク女子でおそらくCBR1000RRに乗っていたものと思われます。
『身の丈にあったバイクに乗れ』『公道でこんなに立ち転けされると迷惑』『自分で起こせないバイクに乗るな』などの意見がありました。
小柄な方ですし、初心者のうちに立ち転けするのは誰しもが通る道だと思います。SNSに投稿して多くの人の目に触れてしまったのが炎上の原因かと。
2022年の投稿なので蒸し返してしまって申し訳ない気持ちでいっぱいですが、私は助けてくれる優しい人がたくさんいることに感動しました。
立ち転けや自損事故動画などは運転技術の未熟さを叩かれる格好のネタになってしまいます。特にバイク女子は非難の的になりやすいような。。。
炎上ネタ具体例:プロテクターは必須??
バイクでツーリングに出かけるとき、皆さんはどのような格好でバイクに乗りますか?
もちろん安全面を考慮すれば、安全規格に適合したフルフェイスヘルメットで上半身も下半身もしっかりとプロテクターをまとい、できればエアバッグまで装備していると安心でしょう。
しかし、法律で定められているのは乗車用ヘルメットの着用のみです。その他は本来自由なはず。それなのに、軽装でバイクに乗っている人に対してのバッシングは非常に多いです。(特に夏)
ただ、死亡事故の多くはヘルメットを正しく着用せず、プロテクターを装備していないことで起きてしまっているという側面もあります。
おそらくプロテクターなどをしっかり装備していれば助かった命がたくさんあることも事実でしょう。
私は終日バイクに乗る時にはプロテクター付きのウェアを装備しますが、近所をぶらつく程度なら軽装で乗ることもあります。
その日のコースやスケジュールに合わせて自己責任で装備を選択するのです。半袖短パンに半ヘルでバイクに乗っている人達を見て『危ないなぁ』と感じることもあるでしょう。
感じるのは自由ですが、SNSなどの不特定多数の人の目に触れる場所で他人の格好についてとやかく言う権利は私達にはありません。
炎上ネタ具体例:排気量マウント
排気量に関するマウントも炎上しやすいネタの一つです。
『原付はバイクじゃない!』
『250ccはオモチャ!』
『400ccに乗るなら大型に乗れば?』
『ミドルクラスって中途半端じゃない?』
『リッターオーバーとか日本の公道で必要ないでしょ(笑)』
どんな排気量のバイクに乗っていても何かしらケチを付けてくるマウンターというものが存在します。しかし、どの排気量のどんなスタイルのバイクでもそれぞれに特徴があり、楽しみ方は人それぞれ。
自分のバイクが最高だと思っているのは全ライダー共通かと思いますが、価値観を他人に強要するのは止めましょう。他人を貶めることでしか自分を上げられないのは非常に恥ずかしいことです。
炎上ネタ具体例:交通違反・マナー違反
一般道の峠で膝を擦る様な写真や、無茶な走り方、制限速度を明らかに超えるスピードで走る動画など、仲間内に見せるだけの軽い気持ちでアップして叩かれるパターンも多いです。
外国人YouTuberが、同じくYouTuberのねこかずさんとツーリングしている動画内で、ウィリーなどの危険走行をしている動画が投稿されて炎上しました。
自分がSNSに投稿するつもりがなくても、一緒に走っている人や周囲の人達が拡散することでの炎上もありえます。
『壁に耳あり障子に目あり』ということわざもあるようにいつ何時誰に見られても恥ずかしくない運転をしましょう。
そして、危険な運転をするような人とは距離を置いたほうが無難です。一緒にいるだけで同類とみなされ、とばっちりで炎上してしまうかもしれません。
炎上ネタ具体例:地域批判
雄大な自然が広がる地域、例えば北海道や熊本の阿蘇などはライダーの聖地とも言われますが、『景色が単調でつまらない』『走っていても退屈だ』という意見もあります。
このような特定の地域をディスるような内容の発言も炎上ネタとして一般的です。
ツーリングの楽しみ方は人それぞれなので、退屈に感じる人も確かにいるかも知れません。しかし、その土地を愛し、いつでも・いつまででも走っていたいと考えているライダーが居るのも事実。
退屈に感じたのなら、黙って二度と訪れなければ良いのです。不特定多数の人の目に付くSNSに書き込んでしまうと、自分の好きな場所を否定されたと感じた人々から非難され、炎上してしまいます。
以上、例に挙げたような何か(誰か)を下に見たり批判するような発言や、明らかにマナー違反な行動などをSNSにアップするのは非常に危険です。
炎上も度が過ぎると【特定班】と呼ばれるような人たちから個人情報を特定されて晒されるなんてことも。楽しく平和にバイクライフを楽しむためにもSNSへの否定的な投稿は慎重に行いましょう。
なぜ『炎上』するのか
SNSは瞬時に情報を広める力を持っています。一度拡散されるとリツイートやシェアの連鎖によって短時間で多くの人に届くのです。
また、SNSは匿名性が高く、自由な発言がしやすい一方で、自由が過ぎると無責任な発言や過激な意見が出やすくなることも。
この匿名性が、他人を傷つけるような発言を誘発して炎上の火種となり、問題となる発言は急速に広がってしまいます。
特定のトピックや意見に対して強い感情を持つユーザーが多い場合、その発言が火種となりやすいです。
例えば、バイクに関する話題では、特定のモデルやカスタムに対する否定的な意見、多くの人が楽しみにしているイベントへの否定的な意見は、強い感情的反応を引き起こすことがあります。
人間はネガティブなワードに反応する
SNSでの炎上には、人間の心理や行動原理が深く関与しています。いくつか人間の特性や集団心理について解説しましょう。
- ネガティビティバイアス
ネガティビティバイアスとは、人間がポジティブな情報よりもネガティブな情報に強く反応しやすい傾向を指します。これは進化心理学的に、人間が危険を回避するために発展した能力です。ネガティブな情報に敏感であることで、危険を避け、生存率を高めてきました。 - 情動感染
情動感染とは、誰かが怒っているのを見ると、自分も怒りを感じるようになることです。SNS上でネガティブな投稿が拡散されると、多くの人がその投稿を目にします。これにより、他人の怒りや不満が伝染し、同様の感情を共有するユーザーが増えてしまいます。 - 集団極性化
集団極性化とは、同じ意見を持つ人々が集まることで、その意見がより過激になる現象です。SNSでは、似た考えを持つユーザーが集まりやすく、ネガティブな意見が増幅されやすい環境が作られます。これにより、批判や誹謗中傷が過激化し、炎上が加速することがあります。
SNSのアルゴリズム
SNSのアルゴリズムは、ユーザーのエンゲージメントを高めるために設計されています。
ネガティブな投稿やコメントは多くの反応を引き起こしやすいため、アルゴリズムによって優先的に表示されることがあります。これにより、ネガティブな内容がさらに広がりやすくなるのです。
また、匿名性の高いSNS上では、人々が普段は言えないこと、言いにくいことを言いやすくします。匿名での発言は責任を感じにくく、過激な意見や誹謗中傷のハードルが低く感じてしまうのでしょう。
誰かが誤解を招く発言をし、匿名性にかこつけてそれに対する批判的なコメントやシェアがなされると、ネガティビティバイアスにより、その発言に対する怒りが拡散され、情動感染によって多くの人々が同じ怒りを共有します。
集団極性化の影響で、批判がさらに過激化し、さらにSNSのアルゴリズムがそれを拡散することで、短時間で大規模な炎上が発生するのです。
炎上を避けてSNSを楽しむには
炎上を避けてSNSを楽しむためには、発言に慎重になり、他者を尊重し、ポジティブなコミュニケーションを心がけることが重要です。
SNSは情報の拡散力が強く、ネガティブな発言が瞬時に多くの人々に伝わりやすいため、炎上リスクが高まります。ネガティビティバイアスや情動感染といった集団心理も、炎上を加速させる要因です。
炎上を避けるためには、以下の心構えが有効となります。
- 発言前に考える
発言の内容を再確認し、他人にどのように受け取られるかを考える。特にネガティブなコメントや批判的な発言は慎重に。また、情報の正確性を確認し、誤情報や不確かな情報を広めない。 - 敬意を持つ
他者の意見や価値観を尊重し、建設的な対話を心がける。感情的にならず、冷静な言葉遣いを保つ。 - 匿名性に注意
匿名での発言でも責任を持ち、過激な意見や無責任なコメントを控える。個人情報を保護し、プライバシーを守る。 - ポジティブな発言を心がける
ネガティブなコメントよりも、ポジティブで建設的な内容を発信する。感情的な投稿は避け、冷静な状態で発言する。
これらの対策を実践することで、SNSを安全に楽しみながら、炎上を避けることができます。発言に慎重になり、他者を尊重することで、健全なSNSコミュニケーションを築きましょう。
まとめ
SNSは正しく使えば便利で楽しいコミュニケーションツールです。ユーザーはリアルタイムで最新のニュースやトレンドを知ることができ、地理的な制約を超えて多くの人々と繋がることができます。
また、SNSは自己表現の場としても優れており、写真や文章、動画などを通じて個々のアイデンティティや意見を世界に発信できます。
それだけに定期的に炎上騒ぎが起こることは残念でなりません。発信する人も拡散する人も、少し冷静になって他人を思いやる気持ちを持てば平和で楽しいコミュニケーションを取ることができるはずです。
SNSは匿名だからといって、普段人前では言えないような批判や誹謗中傷をしてしまっていませんか?
SNSの匿名性というのは表面上のもので、然るべき対応をすれば発信者の個人情報はすぐに特定されてしまいます。裁判沙汰になり損害賠償を請求されることも。
SNSを楽しく安全に利用するためには、発言に慎重さを持ち、他者を尊重し、ポジティブなコミュニケーションを心がけることが重要です。
これにより、健全で豊かなオンラインコミュニティを築くことができるでしょう。SNSを利用する際には、常に他人への思いやりと責任を忘れずに行動してください。
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投稿者プロフィール
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バイクやキャンプなどのジャンルを専門にライターをしているえもと申します。
モトコネクト立ち上げからライターをさせていただき2022年12月に会社を退職。合同会社Cap.Nemoを設立しました!
バイクの楽しさや便利グッズなどをわかりやすくお伝えしていきます。