読者の皆様は、バッテリーに種類があることをご存知ですか?
かつては開放型バッテリーが主流でしたが、近年はバイク用バッテリーの種類がジワジワ増えてます。
そこで今回は、現在販売されていて よく見るバッテリー4種類と充電時の注意点などについて詳しく解説します。
それぞれのバッテリーの特徴(特性、長所と短所)をよく理解して、愛機に最適なバッテリーを選びましょう。
バイク用バッテリーには4種類ある!
バイク用として販売されているバッテリーには、大まかに分けて下記の4種類があります。
・開放型バッテリー
・密閉型バッテリー
・リチウムイオンバッテリー
・ゲル型バッテリー
それぞれに長所と短所、メリットとデメリットがあります。
各バッテリーの特徴を良く理解したうえで、あなたの愛機やあなたの乗り方・使い方に合うバッテリーを選びましょう。
※「ゲル型」バッテリーは「ジェル型」と呼ばれる場合もありますが、当記事では呼称を「ゲル型」に統一して記述しております。
開放型バッテリーの特徴
市場に一番出回っているといっても過言ではない開放型バッテリー。
その魅力は安価でコストパフォーマンスが高く、多くの種類が販売されているところです。
しかし、メンテナンスが必要な点など、短所(デメリット)もあるので、注意して使いましょう。
開放型バッテリーのメリット
- 構造がシンプルで低価格
開放型バッテリーは、密閉型バッテリーと比べて構造がシンプル。
メーカーの製造コストが抑えられている商品が多く、価格はおおむね低価格です。 - メンテナンス性が高い
開放型バッテリーは、バッテリー液の補充や電圧測定などのメンテナンスが可能。
自分でメンテナンスできる方は、バッテリーの劣化を早めに察知し、交換時期を延ばすことが可能です。 - 応答性が良い
開放型バッテリーは、密閉型バッテリーと比べて応答性が良いのが特徴です。応答性が良いとエンジンの始動性が向上し、バッテリーの寿命が長持ちすることにつながります。
開放型バッテリーのデメリット
- バッテリー液の補充が必要
開放型バッテリーは、バッテリー液が徐々に蒸発するため、定期的に補充する必要があります。
バッテリー液が不足すると、バッテリーが劣化し、寿命が短くなります。 - メンテナンスに手間と時間が必要
開放型バッテリーは、バッテリー液の補充だけでなく、電圧測定や電極の清掃などメンテナンスも必要です。
メンテナンスを怠ると、バッテリーが劣化し、故障の原因になります。 - 保管に注意が必要
開放型バッテリーは、充電状態のまま放置すると、バッテリー液が腐敗して故障の原因となります。
また、傾斜状態で放置すると、バッテリー液が偏り故障の原因となります。
密閉型バッテリーの特徴
密閉型バッテリーはメンテナンスがほとんど不要で、液漏れの心配がありません。使い方にもよりますが、寿命は長い傾向です。
しかし、開放型に比べて高価であり、充電に時間がかかるなど、短所(デメリット)もあります。
メンテナンスに時間をかけたくない方に向いているバッテリーです。
ご自分の使い方に合わせて、長所と短所を良く理解して購入しましょう。
密閉型バッテリーのメリット
- メンテナンスが不要
密閉型バッテリーは、バッテリー液が蒸発しないため、バッテリー液の補充が不要。
メンテナンスに手間と時間がかかりません。 - 液漏れのリスクが低い
密閉型バッテリーは、バッテリー液が密閉されているので、液漏れのリスクは低いです。
バッテリー液が漏れて、車体や衣服を汚す心配がありません。 - オフロード系など、激しい動きをするバイクに向いている
密閉型バッテリーは、液漏れのリスクが低いので、動きが激しく転倒の可能性が高いオフロード系やアドベンチャー系のバイクに適しています。
密閉型バッテリーのデメリット
- 価格が高い
密閉型バッテリーは、開放型バッテリーと比べて価格が高い傾向です。
構造が複雑で、メーカーの製造コストがかかるためです。 - 応答性が劣る
密閉型バッテリーは、開放型バッテリーに比べて応答性が劣ります。
バッテリー液が充電と放電の際に気化する開放型バッテリーと違い、密閉型バッテリーは充電と放電の際に気化が起こらないためです。 - 充電に時間がかかる
密閉型バッテリーは、開放型バッテリーと比べて充電に時間がかかります。
充電時に発生するガスを外に逃す必要があるのですが、密閉されているのでガスが抜けにくく、ゆっくり充電しなくてはならないからです。
リチウムイオンバッテリーの特徴
リチウムイオンバッテリーの長所は、軽量でエネルギー密度が高く、寿命が比較的長いところです。
しかし、高価な点や、充電する際には過充電や過放電に注意が必要など、気をつけるべきところもあります。
近年の技術進化により、性能が向上しているリチウムイオンバッテリーを選ぶライダーは増えています。
リチウムイオンバッテリーのメリット
- 軽量でコンパクト
リチウムイオンバッテリーは、開放型バッテリーや密閉型バッテリーと比べて、軽量でコンパクト。
車体の軽量化に貢献できるバッテリーです。 - 高出力で長寿命
リチウムイオンバッテリーは、開放型バッテリーや密閉型バッテリーと比べて、高出力で寿命が長い傾向です。
エンジンの始動性が向上するので、バッテリーの交換頻度を減らすことも可能です。 - メンテナンス不要
リチウムイオンバッテリーは、バッテリー液の補充や電圧測定などのメンテナンスが不要。
メンテナンスの手間と時間を省くことが可能です。
リチウムイオンバッテリーのデメリット
- 価格が高い
リチウムイオンバッテリーは、開放型バッテリーや密閉型バッテリーと比べて、高価です。
メーカの製造する際のコストが、今も高いのが原因です。 - 低温時の始動性が劣る
リチウムイオンバッテリーは、低温時に開放型バッテリーや密閉型バッテリーと比べて、始動性が劣ります。
これは、リチウムイオン電池の特性によるものです。
お住まいの地域が寒冷地のライダーは、取扱に注意しましょう。 - 充電時の過充電や過放電に注意が必要
リチウムイオンバッテリーは、過充電や過放電に注意が必要です。
過充電や過放電は、バッテリーの寿命を著しく短くする原因になります。
ゲル型バッテリーの特徴
ゲル型バッテリーは、密閉型バッテリーの一種で、電解液をゲル状にすることで、液漏れのリスクを低減したバッテリー。
長所は、耐震動性が高く、液漏れの心配が少ない点です。メンテナンスが不要で充電効率が良いのもメリットです。
一方で高価で急速充電できないなどの短所もあります。
起動性や信頼性を求めるライダーに適しているバッテリーです。
ゲル型バッテリーのメリット
- 液漏れのリスクが低い
ゲル型バッテリーは、電解液をゲル状にすることで、液漏れのリスクを低減しています。
バッテリーケースが破損した場合も、液漏れが起こりにくい傾向です。 - メンテナンス不要
ゲル型バッテリーは、基本的にバッテリー液の補充が不要。
メンテナンスにかかる手間を省くことができます。 - 振動に強い
ゲル型バッテリーは、電解液をゲル状にすることで、振動に強い特性があります。
バイクの振動によるバッテリーの劣化を抑えることが可能です。
ゲル型バッテリーのデメリット
- 価格が高い
ゲル型バッテリーは、密閉型バッテリーより価格が高い傾向です。
メーカーの製造コストが高いためです。 - 充電時間が長い
ゲル型バッテリーは、密閉型バッテリーよりも充電時間が長い場合があります。
充電時に発生するガスをゆっくり外に逃がす必要があるためです。 - 出力が低い
ゲル型バッテリーは、密閉型バッテリーよりも出力が低い場合があります。
電解液がゲル状になるのが原因です。
バッテリーの充電について
バッテリーを充電するためには充電器が必要です。
充電器の選び方や使い方を間違うと、バッテリーを破損するばかりか、爆発する恐れもあります。
開放型、密閉型、リチウムイオン、ゲル型…それぞれに適した充電器を使いましょう。
開放型・密閉型・ゲル型バッテリーに適した充電器
開放型・密閉型・ゲル型バッテリーに対応できる充電器がさまざまなメーカーから販売されています。
これらのバッテリーを充電する際は、下記の点に注意して使用しましょう。
- 取扱説明書の使い方に従う
取説に従い、バッテリーの種類に適した設定やモードで使いましょう。 - 換気の良い場所で充電する
充電中は爆発性のガスが発生します。換気には十分注意しましょう。 - 水分の多い場所や水濡れの恐れのある屋外で使用しない
水分や湿気が原因で漏電・感電する恐れがあり、充電器やバッテリーが破損する原因になる場合があります。 - 指定以外の電圧電源で使用しない
充電器の過熱、焼損、バッテリーの液漏れ・発熱・変形の原因になる恐れがあります。 - 開放型・密閉型・ゲル型バッテリー用の充電器を、リチウムイオンバッテリーに使用しない
開放型・密閉型・ゲル型バッテリー用の充電器を、リチウムイオンバッテリーに使用すると、破損や故障の原因になりかねません。リチウムイオンバッテリーには専用の充電器を使いましょう。
リチウムイオンバッテリーに適した充電器
リチウムイオンバッテリーの充電には、リチウムイオンバッテリー専用の充電器を使いましょう。
開放型・密閉型・ゲル型バッテリー用の充電器を使ってはいけません。
リチウムイオンバッテリーに開放型・密閉型・ゲル型バッテリー用の充電器を使用すると、リチウムイオンバッテリーの破損や故障の原因になる恐れがあります。
こちらの充電器も、取扱説明書を熟読して使用しましょう。
愛機と使い方、乗り方に合うバッテリーを選びましょう!
今回は、現在購入可能なバッテリー4種類について解説しました。
オートバイの種類や排気量、ライダーの使い方や居住地により最適なバッテリーは変わります。
バッテリーを購入する際は、それらを良く考慮しましょう。
メンテナンスフリーのバッテリーについても、定期的な電圧測定などのチェックはお忘れなく。
そして充電する際は、お使いのバッテリー専用の充電器を使いましょう。
この記事が、バッテリーを選ぶ際のお役に立てば幸いです。
それでは、また。
投稿者プロフィール
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熊本県在住。生まれも育ちも熊本。
阿蘇をこよなく愛する生粋の熊本人。
昭和の時代に限定解除し、原付/中型/大型の所有歴あり。
現在の愛機はKawasaki 250TR。
愛機250TRで一日500km(下道)を走破することもある、元気おやじライダー。
「安全第一、無事帰る」をモットーに、今も安全運転を模索しながら走り続けている。
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