皆さんこんにちは整備士ライダーのヨシキです。皆さんはバイクに乗っていてレバーが窮屈に感じたり、乗車姿勢がつらかったりした経験はありませんか?
大抵そういった場合は我慢して乗られている方が多いと思うのですが、実はセッティング次第で解決することもあります。バイクのセッティングを調節できる部分はレバーやハンドルといった操作に関わる部分全般。しかも比較的簡単に作業できる部分がほとんどです。
ロングツーリングで手首が痛くなってしまう人や、足首がつらくなってしまう人は一度セッティングの見直しをしてみてはどうでしょう?
今回はマシンの調節について紹介します。
バイクは意外と調節機構が多い
バイクにはライダーが乗りやすくするための調節機構がたくさんあります。基本的な部分を例に挙げるとすれば、下の6項目。
- レバー類
- ブレーキペダル
- チェンジペダル
- ハンドルの角度
- フロントフォークの突き出し
- 空気圧
簡易的にできる部分から、少しバイクの構造を知らなくてはいけない部分まで調節箇所は様々あり、乗りやすさや走りに影響を与えます。
レバーやペダルの調整は比較的簡単
その中でもレバーやペダルの調整は、スパナがあればすぐにできるものが多く、誰にでもチャレンジできます。しかもブレーキレバーやクラッチレバーは握ったときのタッチを変えただけでブレーキコントロールが上手くなったり、クラッチ操作がスムーズになったりと、メリットがたくさん。
レバー操作が上手くいかない方や半クラが上手く使えない方は挑戦してみてはどうでしょうか?
実際に調整してみよう!
ブレーキやクラッチのタッチが変わる:レバー類の調整
ブレーキやクラッチのタッチに不満がある人はレバー類の調整にチャレンジしてみましょう。
使う道具は10mm~12mmのスパナが数本。サイズはバイクによって多少違いますが、概ねこのサイズです。
まずフロントブレーキを調節してみましょう。
レバー根元のダストブーツをめくると、マスターシリンダーを押し出すためのロッドが見えます。このロッドの長さを調節するとブレーキのタッチが変化します。
スパナでロックナットを緩めたら、ロッドを回して長さを調整。ロッドを短くするほど、遊びが大きくなり、反対にロッドを長くすると遊びが無くなります。
調節が終わったらロックナットを絞めて完成です。
次にクラッチレバーです。クラッチレバーもブレーキレバー同様根元のダストブーツをめくると調節ネジが出てきます。ロックナットを緩めてアジャスターを緩めると遊びが減り、締めこむと遊びが増えます。
クラッチカバーの近くにも同様の調節ボルトがありますが、こちらをいじるとクラッチの遊びが大きく変化してしまうので、レバーだけの調整にとどめておいた方が無難です。
クラッチレバーの遊び範囲には規定値があるので注意
クラッチレバーには遊びの範囲には規定値があります。この範囲を超えた調整はクラッチを痛める可能性があるのでやりすぎには注意しましょう。
ちなみに遊びの測り方はハンドルの端からクラッチレバーの端までを繋いだ距離を測ります。規定値が分からない時はこの範囲から±10mm程度を参考に調節しましょう。
ライディング姿勢がラクになる:ハンドルの角度調整
ロングツーリングで手首が痛くなったり、肩がだるくなったりする方はハンドルの角度を調整してみましょう。残念ながらセパレートハンドルは調節ができませんが、バーハンドルは角度の調節ができます。
ハンドルを寝かせると方やひじが楽になりますが、アクセルが開けにくくなり、起こすとアクセルが開けやすくなり姿勢が良くなりますが、少し疲れます。
角度に正解はないので少し窮屈に感じる方は2度~5度くらいの間で調節するといいでしょう。
走りの質が激変する:空気圧の調整
空気圧の調整は簡単にできて効果抜群の調整です。
主に規定値に合わせることが基本ですが、ほんの少しだけ高くしたり低くしたりすると走行フィールが変わります。
具体的には軽快なコーナーリングを楽しみたい方は高めの空気圧。コーナーでのグリップを強く意識したいなら低めの空気圧がおすすめです。
但し、こちらもやりすぎるとタイヤが編摩耗したり、グリップ力が低下したりするので、調整は規定値から±10%程度がおすすめです。
コーナーのフィーリングが変わる:フロントフォークの突き出し量の調整
ここからは少し上級編。フロントフォークの突き出し量を調整してみましょう。フロントフォークの突き出し量とはトップブリッジから出たフロントフォークの高さを言います。
フォークの突き出しを多くするとバイクの前が下がりクイックなコーナーリングが出来るようになります。反対に突き出し量を減らすとリアが下がり、直進安定性が増します。
どちらもやりすぎるとかえって乗りづらくなってしまうので、純正から±5ミリ程度を限度に変更しましょう。
発進のトルク不足解消:チェーンの張り具合を調整
なんだかバイクのトルクがない。
そんなときはチェーンの張り具合を調整してみましょう。緩すぎたり張りすぎたりしているとパワーをロスしてしまい、トルク感の不足を感じます。
チェーンの張り具合の点検はスイングアームの真ん中あたりでチェーンを持ち上げて、スイングアームとチェーンの隙間を測定します。基準値から外れていた場合は調整します。
調整にはメンテナンススタンドが必要なので、少し道具が必要ですが、作業自体は簡単です。
アクスルナットを緩めてスイングアーム横のアジャスターボルトを左右同じ分だけ調整すればOK。アクスルナットを絞める時にはチェーンとスプロケットに回り止めを噛ませてから締め付けましょう。
バイクの調整は日常点検にもつながる大事なメンテナンス
バイクのセッティングは調整だけではなく日常の点検も兼ねた大切なメンテナンスです。例えばチェーンの調整をするときは必ず状態の目視点検をするはずです。そうすれば交換時期の判断がすぐにできます。
他にもレバーを調整すれば周辺のボルトのゆるみ点検にもなりますし、遊びの点検はクラッチの状態を確認する作業になります。
このように、セッティングと点検は共通の作業が多く、日常点検のいいタイミングになります。頻繁な調整はバイクのマメな点検をしているのと一緒。ツーリング前の微調整を習慣化してトラブルのないライディングを楽しんでくださいね。
投稿者プロフィール
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元モトクロス国際B級ライダーのヨシキです。
趣味は林道探検、オフロードバイクでどんな山道も散策します。
今は整備士として活躍しているので、メンテナンス、DIYでできる整備など、お役に立てる情報を発信していきたいと思います。もちろんレーサーならではのライテク記事も執筆していくのでおたのしみに。
【愛車たち】
SUZUKI RM-Z250,HONDA CR125,SUZUKI RM80L
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