はい!元バイク屋のフォアグラさんです、こんにちは。
今回は、ロングツーリングに向いている狙い目のバイクについて紹介します。
「はいはい、どうせVストローム250でしょ?」と思ったあなた、Vストロームは確かにとすごくおすすめできますが、そんなありきたりな現行モデルのバイクを紹介してしまっては、自分の存在価値がありません。それにまだまだ値段も高いので、今回はあえて当たり前すぎる選択肢を除外して、ロングツーリングに向いている狙い目の、それも低価格で入手できるバイクを紹介していきます。
なお、この記事を作っている2023年春ですが、中古バイクの価格高騰によって平常時の相場とはズレがあるかもしれませんので、その点はご了承ください。
ツアラーに必要な性能や特徴
ではまずロングツーリングに向いているバイクとは、どのようなバイクなのか?求められる性能や特徴について解説をします。
例えばハヤブサとGSX-R1000R。見た目はどちらもフルカウルであり、200馬力近いエンジン、そしてシングルシートにセパレートハンドル。いかにも速いバイクという感じで前傾姿勢を取ることになります。ただしこの2台には決定的な違いがあります。
上記の様に見た目はよく似ていますが、ハヤブサはスポーツよりのツアラーモデル、GSX-R1000Rは完全なスポーツという位置づけです。
このことからもわかるようにツーリングモデルに求められる性能というのは、まず疲れにくいように配慮されているという事。ロングツーリングで使うことを意識して作られたモデルの多くは、ジャンルを問わず体に当たる風を軽減するカウルが装備されています。
冒頭でお伝えしたVストロームもそうですし、アメリカンでもハーレーのウルトラ、CB もツーリングモデルのボルドールになるとハーフカウルがつきますよね。これらはGSX-Rの様に速く走ることを目的にしたカウルではなく、ハヤブサの様に体に当たる風を軽減させることを主目的としたカウルと言えるでしょう。
他には積載力が高いという特徴もあります。ハヤブサはスポーツツアラーというジャンルに該当するのでツアラーとしての積載力は低めなのですが、例えばZZR1400と同じエンジンを搭載した1400GTRは、左右に大きなパニアケースを装備しているだけでなく、大きなダブルシートで大量の荷物を積むこともできます。
トップケースをつけても違和感のないデザインにもしてありますね。
またスポーツモデルであってもZZR-250・400・1100には、このようなバンジーフックが装備されています。
このフックがあるのとないのでは使い勝手が全然違うのです。
そして大きな燃料タンクが装備されている事も多いです。例えばオフロードのツーリングモデルであるジェベル250。
250ccの単気筒なのでリッター30km以上は走ります。それでいてなんと17Lという大型タンクを装備しているので、一度満タンにすると500km以上走るという計算になります。
このようにツアラーと呼ばれるモデルには、ロングツーリングで使いやすい装備や気配りがされていることが多いのです。
どんなバイクであってもロングツーリングに出ることはできますが、今紹介したようなポイントを抑えてあると、ストレスなく快適に長距離を走りきることができますね。
ロングツーリングおすすめモデル(50万円以下部門)
ではお待ちかねロングツーリングにおすすめしたいバイク。まずは予算50万円以下部門です。
カワサキZZR250
まずはカワサキのZZR250です。こちらは20万円台から購入することができます。
ZZRシリーズの末っ子で、シリーズ唯一の2気筒のエンジンを採用しています。
現行モデルでもある名車Ninja250の先代とも言えるモデルなのですが、1990年から2007年までの17年の間、大きなモデルチェンジがないまま生産された車種なのです。すなわちほぼ全ての部品が共通してるので、古いながらも中古パーツは豊富で、年式の割に安心して買ってもいいモデルといえます。
コンパクトで適度な前傾姿勢は、小柄な方や女性にとっても楽であり、先ほどお伝えしたようにバンジーフックも装備しています。
トルク感があって車体も軽く、出力こそ現在のNinja250よりもやや劣るのでスポーツ性能という面では劣りますが、ツーリングでの使い勝手はむしろ良いと思います。そこそこ走れてツーリングに使いやすい、価格もかなり安いので、初めてのバイクやツーリングで使いまくりたい人にもおすすめです。
次ちょっとビックリな車種を行ってみましょうかね。なんと1200ccです。
スズキ バンディット1200S
はい!フォアグラさん激推し中のバンディット1200Sですね。
ご覧のように大きなハーフカウルを装備している上、シートも肉厚。トルクは半端じゃないので、高速道路に乗っていても低い回転数を維持したまま走ることができ、疲れ知らずです。
お気づきですか?ハーフカウル付きのビッグネイキッド。そう!これはスズキ版のCB1300スーパーボルドールのような存在なのです。CB1300SBはこんな値段じゃ絶対買えませんよね。
「じゃあ、何か欠陥があると問題があったモデルなの?」かと疑がわれそうですが、台数も結構売れた車種ですし、中古パーツだってそこそこ出ています。スズキにありがちな「やっちまった」というデザインでもありません。
もうこれは本当に狙い目の車種だと思いますので、大型免許をお持ちで、格安ツーリングモデルをお探しの方は是非検討してみてください。
スズキ ジェベル250XC
では低価格部門の最後の1台はジェベル250XCです。
この「XC」というのはクロスカントリーという意味で、「オンロードもオフロードも、どこでも行けちゃうよ」というイメージです。先ほどお伝えしたように燃費のいい250ccの単気筒でありながら超巨大な17リッタータンクを装備、大きなヘッドライトにより夜間の走行も安心です。
単気筒の250って聞くとどうしてもパワー不足が懸念されがちですけれども、DOHCの4バルブ、スズキお得意の油冷エンジンは30馬力を発揮します。今新車で買える2気筒のGSX250Rが24馬力ということを考えると、結構すごいですよね。それでいて車体も軽いですから。
とはいえその軽さがネックでもあり、カウルも無いので高速道路は得意とは言えません。どちらかというと、気の向くまま下道メインで気軽にフラっと出かけて、大きなバイクでは入れないような細い道や、ちょっとした林道も入れてしまうっていう点にメリットがあるでしょう。
現在オフロードモデルのセローなどは価格が高騰していますけれども、そのセローよりも出力が高く、走りの性能やツーリング性能も高いのに50万円以下で手に入れることができる、このモデルもうはっきり言って狙い目以外の何物でもありません。
気がかりなポイントとしては、足つき性ではセローよりも悪いことと、インジェクションモデルではなく全車キャブレター仕様であるという程度でしょうかね。
ロングツーリングおすすめモデル(50万円以上部門)
ホンダ CBR400R
まず中型クラスでおすすめしたいのはホンダのCBR400Rです。
正直このバイクは、同じクラスのNinja400や、同じ中型CBRであるCBR250RRの陰に隠れて地味な印象があることは否めません。車両重量がNinja400より重い分、走りの性能では劣っていると言わざるを得ませんが、重めの車両重量は走り出すと安定感へと変わり、長距離ツーリングには疲労軽減や安心感へとつながる味方となります。
それだけでなく、セパレートハンドルでありながらハンドルの位置はかなり高めに設定 されていて、前傾はとても緩やか。ネイキッドからの乗り換えでも違和感無く、すぐに馴れるレベルです。
またこのモデルはビッグマイナーチェンジ行われていて、旧モデルは成立フォーク、シングルディスクブレーキだったものが、現行の後期モデルは倒立フォークにダブルディスクブレーキへと進化しています。
主に走りの性能を高めたマイナーチェンジとなっていますけれども、ツアラーとして使用するのであれば前期モデルでも必要十分な性能、快適性を持っています。絶対的な速さを求めることなく、旅先で気持ちよくワインディングを流す程度なら全然問題ありません。後期型のボリュームゾーンは60万円台ですけれども、初期のモデルであれば安いものは40万円程度から選ぶこともできます。
そしてこのCBR400Rと同じMC47Eというエンジンを載せたツアラーモデル400Xも忘れてはいけません。
こちらも同程度の価格帯で購入することができ、よりアップライトなライディングポジションを求める方や落ち着いた外観を求める方には、こちらがおすすめですね。いかにも旅バイクっていう印象でかっこいいです。ホイールの径の差や若干の重量差はありますけれども、フレームやエンジンが共であることから、絶対性能に大きな差はありません。同じように倒立フォーク化やダブルディスク化というマイナーチェンジを受けてますので、予算を抑えたい方には前期型がおすすめです。
ヤマハ FJR1300
次は2022年で生産終了となったヤマハのFJRですね。こちらは150馬力近い高性能なエンジンを搭載したプレミアム感満載の1300cc大型ツアラーです。
生産期間が約20年と長いため、初期のモデルは意外にも50万円そこそこで買えてしまうのです。初期モデルから最終モデルまでコンセプトにブレはなく、デザインもガラッと大きく変わったわけではありません。ヤマハのフラッグシップモデルということもあり、作りもしっかりしていて、古いモデルでも比較的安心して乗ることができると思います。
一見ハヤブサやZZRのようなスポーツツアラーにも近いデザインに見受けられますが、スクリーンも高く、多くの中古の個体ではパニアケースも装備されていことから、よりツーリング性能に特化させたモデルであると事がわかりますね。特にハンドルはネイキッド並みに高い位置にあって、腰が痛くなりにくい負担の少ないライディングポジションです。
またストローク量が比較的大きめな正立フォークであることや、ほぼメンテナンスフリーながら重量のあるシャフトドライブであること、さらに初期のモデルは5速ミッションであることからも、スポーツよりも旅を優先して設計されていることが伺えますね。
ヤマハからはテネレというアドベンチャーツアラーが発売されていますけれども、こちらはまだ相場が高めです。
テネレはどこでも走っていけるツアラー、FJRはどこまでも快適に最速で走っていけるツアラーといったイメージで、コンセプトが異なります。今後月日が経ち、テネレのようなアドベンチャーツアラーが安くなる日も来るでしょうね。
ロングツーリングおすすめモデル(20万円以下部門)
そして最後、20万円以下で買える驚異のツアラーモデル、それはヤマハのグランドマジェスティです。
オートマチックということもあって、それだけで選択肢から除外してしまう方も少なくないとは思いますが、意外と狙い目なのです。
このグランドマジェスティは、そもそもツーリング志向の強いヨーロッパで発売されていたモデルを日本に持ち込んだものなのです。日本で売られていた通常のマジェスティは市街地での使用を主目的としたビッグスクーターでしたけれども、このグランドマジェスティはツーリングでの快適性や高速道路での走行性能を追求したモデルなので、より高性能なDOHCのエンジンを搭載し、ホイールもインチアップされています。
排気量も250ccだけでなく400ccも設定されていて、400ccにはダブルディスクブレーキも奢られています。
さらに250ccのモデルのうち、平成16年2月6日から平成17年12月9日に生産された個体は、なんとエンジン載せ換えというとんでもないリコールが行われています。つまりその時点でエンジンが新品に乗せ替えられているのです。
通常のマジェスティと違って、グランドマジェスティは購入層が落ち着いた年齢の方が多かったこと、無茶な乗り方をするバイクではなく、CVTのため高回転までガンガン回されたという心配がないこともあって、比較的程度が良いものが多いはずです。それでいてお値段10万円台からとも選び放題なのです。
走りの性能よりも快適性や積載力、タンデムでも楽しみたいという方には、とってもアリな選択肢だと思いますけれども、いかがでしょうか?
まとめ
というわけで今回は高額なイメージのあるツアラーバイクの中でも、低価格で手に入れられるモデルを紹介しましたがいかがでしたか?
今回の記事は下記の動画でも詳しく解説していますので、こちらも是非ご視聴ください。
それでは今回も最後までご覧いただきありがとうございました。
投稿者プロフィール
-
元バイク屋のYouTuber。
バイクライフに役立つ情報を毎週配信。
メカの話やバイク購入アドバイスはもちろん、用品レビューやバイク屋裏話まで、バイク乗りなら誰もが気になるテーマばかり。
ちなみに中身はアラフォーのおっさん。
好物はサッポロ黒ラベルとキャベツ太郎だが、子どもができて以来、ふるさと納税で貰った無糖レモンサワーで節約している。
最近、血糖値と血圧を気にしているらしい。
最新の投稿
- コラム2024年12月2日【元バイク屋が解説】まるで大型車!250cc・400ccの「車体の大きいバイク」まとめ
- アイテム2024年11月12日【元バイク屋が解説】価格差10倍以上!高いヘルメットと安いヘルメットは何が違う?
- コラム2024年11月4日【元バイク屋が解説】初心者でも峠を楽しめる!おすすめモデルはコレ‼
- コラム2024年11月1日【元バイク屋が解説】10万円台から買える!ツーリング向きバイクの特徴とおすすめモデル