はい、元バイク屋のフィアグラさんです、こんにちは。
今回は中古品のバイク用品についてです。
近年はフリマアプリなどが浸透して、たくさんの中古バイク用品も売買されていますが、実はお勧めできないものがあるんです。
これから紹介するようなものを中古で買っていませんか? 今回は中古での購入を勧めしないもの3つを順番に解説していきます。
NGな用品(その1) ヘルメット
昔からヘルメットの値段は命の値段なんて言われていますし、ここは本当にケチってほしくないところですが、アライやショウエイといった有名メーカーのヘルメットって4~5万円は当たり前にしますよね。
とても作りが良く、その高い価格もうなづけますが、しかしいくら安全のためとはいえ、多くの人にとって5万円の買い物というのは気軽にできるものではありません。
そこでヤフオクやメルカリを覗いてみると、まださほど古い型でもなく、そこそこキレイ なヘルメットが1・2万円で結構出品されています。そう、ここで飛びつきたくなる気持ちはよく分かります!よく分かりますが、それはお勧めできないんです。
中古ヘルメットをお勧めしない理由
理由は、ヘルメットの痛みは、外観からではわからないからです。
ヘルメットというものは一度でも衝撃を受けると、ライナーと呼ばれる衝撃吸収剤が 変形してしまい、もう使えなくなってしまうんですね。
フリマアプリやオークションで、このライナーの状態を写しているというものは見た記憶がありませんし、ライナー全体の状態を把握することは一般的には困難です。高いところから落としてしまい、外観はほとんど傷がつかなかったなどの場合、自分で使用するのは怖くても、オークションなどで売ってしまえと考える人がいても不思議ではありません。
また、ヘルメットをミラーにかける人っていますよね?いつもミラーがヘルメットの内側に接触するようなかけ方をしていると、ヘルメット自体の重さによってライナーを痛めつけます。そのような個体は外観から衝撃を受けたわけではないので、外観の傷もなくキレイなままであることが多く、余計にタチが悪いです。
そもそもアライやショウエイのヘルメットが欲しいのは安全性が高いからですよね?
であればアライやショウエイのヘルメットを中古で買うというのは、本末転倒だと思います。
お勧めのヘルメットメーカー
それでも、どうしてもヘルメットに5万円の予算を割くことができないというのであれば、せめてOGKやHJCのヘルメットを検討してみてください。
OGKは日本のメーカーで、耐衝撃性だけでなく利便性が快適性、軽さも重視した造りの商品を多く持つメーカーです。
何も耐衝撃性の強さだけが安全に寄与するわけではなく、快適で疲労が溜まりにくければ、そもそも事故を起こす確率が減るとも考えられます。
またシステムヘルメットにも力を入れており、ヘルメットを被ったままコンビニに入店できたり、タバコを喫ったり、飲み物を飲むこともでき、なかなか便利な代物です。ただし構造上一体成型であるフルフェイスには強度面では劣る傾向があると思います。
そんなOGKのヘルメットですが、価格はアライやショウエイのものよりも低価格である場合が多いです。
またHJCは韓国のメーカーですが、いわゆるアジアの安物メーカーとは全然品質が違います。
MotoGPでも使用実績があり、フォアグラさん自身もセカンドヘルメットとして使用しています。それでいて価格は国産メーカーより大幅に安くなっており、フルフェイスを1万円少々から購入することができます。ノーブランドで規格もPSCマークのみというようなものでも1万円前後しますから、もう数千円だけ出してこのHJCの商品を購入することを強くお勧めします。
そんなHJCのヘルメットの中でも特にコストパフォーマンスが高く、フォアグラさん自身も所有しているのは下のモデルです。
高品質で有名な国産メーカーといえど、ライナーが損傷を受けているかもしれないという中古ヘルメットを買うくらいだったら、これらのメーカーの新品ヘルメットをお勧めしたいですね。
NGな用品(その2) タイヤ
中古タイヤをお勧めしない理由は大きく2つあります。
まず残り溝を表す基準に「〇分山」という表現を使いますが、その基準がいい加減であるということ。ヤフオクなどで「7分山」なんて記載があっても、明らかに半分も残ってないものもありますし、写真だけではなかなかわかりにくいので、実際にどの程度残っているのか判別困難ですね。
またタイヤの寿命や価値は残りの山だけでなく、ゴムの硬さやひび割れ、パンク修理の履歴などによっても大きく変わってきますので、現物を目の前で確認でもしない限り、判断が難しい商品なんですね。タイヤのゴムの硬さなんて、写真で見てもわかるわけがありません。それでいてノークレームノリターンだなんて、リスクが高すぎますよね。
そしてもう一つの理由は、安くないからです。
例えば新品で3万円のタイヤが、残り溝が5分山で価格が1万円だったとします。
一見3万円のタイヤの半分の価値があり、1万円ならお買い得って感じるかもしれませんが、よく考えてみてください。新品の状態から半分まで使うことの価値と、半分すり減った状態からツルツルになってしまうまで使うことの価値は同等じゃないんです。特に走りや安全にこだわる人であれば、その差は歴然としています。新品から使用し、しっかりと山が残っている状態では、コーナーでの寝かしこみも軽く、サーキットであればタイムにも直結します。また溝がしっかりと残っていれば雨天時の安全性なんかも高くなります。
また、残り2分山くらいになれば交換しなければなりません。5分山であれば使えるのは実質3分山分なので、タイヤの寿命全体の約1/3でしかないわけですね。
0分山というのは溝が無くなった丸坊主の状態、1分山というのはもう車検に通らないスリップサインが出ている状態のことを指します。
ちょっと余談になりますが、このスリップサインの確認方法です。
いわゆるスリップサインが出ているという状態は、タイヤの寿命を迎えたということになります。非常に危険なので、かならず即交換してください。このスリップサインが出ていると、先ほど書いた様に車検も通りませんからね。
さらに3万円の新品タイヤでも、1万円の寿命が1/3しかない中古タイヤでも交換工賃は同じです。たとえ自分で交換するとしても、その労力は変わりません。
決して安くはないんです。あまりお勧めできるものではないという理由がお分かりいただけたでしょうか?
NGな用品(その3) あの素材のパーツ
では最後、あの素材を使った中古パーツをお勧めしない理由についてお伝えします。
あの素材ってなんだと思います?それはカーボンです。
カーボンパーツって新品のうちはかっこいいんですが、よく色褪せてツヤがなくなっているものをみませんか?カーボンは紫外線に弱く日焼けしてしまい、結構簡単に色褪せて白っぽくなってしまいます。
実はクレポリメイトやレザーワックスなどを使って拭き上げると、カサカサに日焼けしたカーボンパーツでも一時的にちょっとツヤ感が出るんです。
ただしこのようなケミカルを使用して一時的にツヤ感は戻っても、すぐに落ちて元通りになってしまいます。
逆に言うと一時的にはある程度復活するので、さらに綺麗に照明も当てると、商品として写真撮影に使用するぐらいにはごまかせてしまうんですね。
ですので実際に届いた商品を見て、ガッカリなんていうことがあるかもしれません。少なくともチタンなど他の材質のパーツと比べた場合、そのようなリスクは高いと考えた方がいいと思います。
「俺は外観は気にしない。パワーが上がったり軽くなればいいんだ」っていう方であれば、さほど気にする必要はないかもしれませんが、これがカーボンパーツの中古品を買うことをお勧めしない理由です。
まとめ
中古での購入をお勧めしないモノとして、ヘルメット・タイヤ・カーボンパーツと紹介してきましたが、納得いただけましたでしょうか? 今回の記事は下の動画でも詳しく説明しています。
また他にも皆さんのお役にたてる動画を多数アップしていますので、もしよろしければご視聴下さい。
それでは今回も最後までご覧いただきありがとうございました。
投稿者プロフィール
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元バイク屋のYouTuber。
バイクライフに役立つ情報を毎週配信。
メカの話やバイク購入アドバイスはもちろん、用品レビューやバイク屋裏話まで、バイク乗りなら誰もが気になるテーマばかり。
ちなみに中身はアラフォーのおっさん。
好物はサッポロ黒ラベルとキャベツ太郎だが、子どもができて以来、ふるさと納税で貰った無糖レモンサワーで節約している。
最近、血糖値と血圧を気にしているらしい。
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