バイクに乗っている時、クラッチが重く感じたり、クラッチを握る左手が痛いと感じたりしたことはないでしょうか?長時間のツーリングで左手の痛みを感じたり、ある時急にクラッチを重く感じたりすることがあるかも知れません。
クラッチが重く左手が痛い時には、クラッチに問題があってメンテナンスや修理が必要な場合と、クラッチには問題ないのでライダー側で対策をする場合があります。
「バイクのクラッチの重さ」や「左手の痛さ」で困っているライダーに、クラッチ問題を解決する対策をまとめてご紹介します!
クラッチが重い時のはなぜ?考えられる原因7個!
クラッチレバーの位置が良くない
クラッチレバーを握った時に位置が悪いと、クラッチを重く感じる場合があります。例えば下を向きすぎていたり、離れすぎていたりすると、握る際に力が入りづらく、疲労しやすくなります。また、レバーそのものの形状がライダーに合っていないということもあります。
クラッチの注油切れ
ワイヤー式のクラッチで、ワイヤーの油が切れている場合が考えられます。潤滑の役目をする油が切れれば、クラッチは重くなります。
走行距離はもちろん、乗っていなくて放置しているバイクでもクラッチは重くなってくるので、クラッチの注油は定期的に必要となってきます。
クラッチオイル(フルード)の劣化
クラッチフルード(クラッチオイル)はギアチェンジの時に動力を伝える潤滑油の役割を持ちます。クラッチフルードの交換をせず劣化したままで走行を続けていると、走行性の低下やパーツの劣化につながり、重く感じます。具体的には滑らかで安定したギアチェンジができなくなり、エア噛みも起こりやすくなって乗りにくさを感じます。
また、油圧クラッチはワイヤークラッチよりも操作感が軽いですが、常に一定の握力が必要となるので、渋滞などで握り続けていると左手が疲れてきます。
クラッチワイヤーの劣化
クラッチワイヤーが古くなり劣化して錆があったりすると、クラッチが重くなる原因となります。錆があるとワイヤーが切れる原因となるので、クラッチの重さを感じた時はもちろんですし、普段から定期的なチェックが必要です。
クラッチワイヤーの取り回しが悪い
ワイヤーの取り回しは、バイクの乗り心地に大きく影響してきます。クラッチケーブルの取り回しが悪く、他のパーツに干渉したり折れ曲がったりなどして負担がかかっていると、クラッチが重くなったり操作感が悪くなったりして危険です。
もともとクラッチが重めのバイクである
排気量の大きいバイクや古いバイクには、クラッチの重いタイプがあり、ずっと乗っていると左手が疲れて痛くなってくる場合があります。ハーレーダビッドソンのクラッチも重めな傾向があります。
握力が弱い
握力が弱く、さらに普段からバイクに乗り慣れていないと、クラッチが重く感じることがあります。また手が小さめの人や小柄な女性は、クラッチ操作を重く感じ、左手が痛くなることが多くなります。
クラッチが重い時の解決策10個!
クラッチレバーの位置調整をする
クラッチレバーの位置が悪い時には、調整するだけでクラッチを重く感じなくなります。自分がクラッチを操作しやすい位置に合わせて、高さや向き、距離を調整しましょう。レバーの高さ調整には工具が必要になりますので、自分でするのが難しい場合にはバイクショップに依頼しましょう。
レバーの付け根に番号付きの丸いダイヤルが付いているクラッチレバーを使用すると、レバーまでの距離のみではありますが、ダイヤル操作するだけで簡単に調整することができます。
クラッチの遊び調整をする
クラッチの遊び調整は、クラッチが切れるまでの距離を操作しやすく調整することです。遊び調整をすることで、クラッチ操作がスムーズになって重さが解消できたり、左手の痛みが軽減できたりします。
クラッチの遊びは、クラッチレバーの付け根部分にあるネジで簡単に調節できます。レバーの普段の位置は遠めにして、普段は人差し指の第一関節がレバーにかかるくらいが良いでしょう。ほとんど力を入れなくても握れるところまでが遊び幅です。遊び幅は1~2cmほどで、操作する指の第二関節が曲がるところあたりで半クラッチになるようにするのがおすすめです。
クラッチワイヤーの注油
メンテナンスとしてクラッチワイヤーに定期的に注油することで、重さが解消されて滑らかに軽く動くようになります。手間は多少かかりますが、レバーを外してワイヤーインジェクターを使って注油しましょう。
クラッチワイヤーの注油は、クラッチ操作を軽くして不具合解消してくれるとともに、ワイヤーの寿命を長くする効果もあります。
クラッチレバー交換
クラッチレバーを自分に合うものに交換すると、クラッチの重さが改善され軽く扱えることがあります。自分の手に合うような大きさや、握りやすい形のレバーに取り替えてみましょう。手が小さい女性にもおすすめです。
またクラッチレバーのカスタムとして、ライトクラッチレバー・ビレットレバー・パワーレバーといったレバーなどが販売されています。
ライトクラッチレバーなどにすると、クラッチ操作が軽く操作しやすくなります。アジャスタブルビレットレバーは、細かくワイドにレバー位置が調整できます。
ただし、汎用品のレバーは適合する車種が決まっているものもあるので、自分のバイクに使用できるのかどうか、よく確認して購入してください。
クラッチオイル(フルード)交換
油圧色クラッチであれば、フルード交換することでクラッチの重さを改善することができます。
クラッチフルードは、時間とともに劣化します。劣化が進むとクラッチも重くなり、エアーが噛む可能性があり危険です。
クラッチフルードの交換時期は最後の交換から5年、または5万km走行後がひとつの目安とされています。走行距離や乗り方、保管方法や場所、ライダーによっても異なり、最後の交換から2年、走行距離2万kmごとが目安とする説もあります。
新品のクラッチフルードは無色・黄色ですが、劣化が進むと茶色・赤茶色・黒色などに変色します。走行距離や交換時期が分からない場合の目安にしてください。自分で交換するのが難しい時は、バイクショップでプロに任せましょう。
クラッチワイヤー交換
クラッチワイヤーの錆や劣化が進んでいる場合は、ワイヤーを新品に交換することで重さを解消できます。点検もかねて、交換した時にはレバーやパーツをきれいにし、注油するなどメンテナンスも忘れずに。こちらも自分で交換するのが難しい時は、バイクショップでプロに任せましょう。
クラッチワイヤーの取り回しを見直す
クラッチワイヤーの取り回しが悪いと、ワイヤー内部で干渉し、擦れて操作が重くなったり内部ワイヤーで摩耗が起こったりして危険です。クラッチワイヤーは、長すぎてあまっていても、短すぎてテンションがかかりすぎてもよくないので、適切な取り回しになるようにします。
安全で正しいクラッチワイヤーの取り回しが自力では難しい場合は、バイクショップで作業してもらうようにしましょう。
乗り方を工夫する
バイク本体やクラッチそのものに問題がない場合は、バイクの乗り方を工夫することでクラッチの重さを軽減することもできます。
クラッチの握り方を変えると、左手の痛み軽減に効果があります。手だけで握り込まず、体側に腕ごとレバーを引くように操作してみましょう。クラッチを握る指を増やしてみるのもおすすめです。長時間運転し続けると腕も体も疲れますので、休憩をこまめにとって疲れがたまらないようにすることも効果があります。
握力を鍛える
握力を鍛えることで、すぐにではないですが、クラッチを握るのが楽になります。手をグーパーと閉じたり開いたりするだけでもトレーニングになりますし、ハンドグリップなど筋トレグッズを使って鍛えるのもおすすめです。
また、バイクで使う筋肉はバイクに乗ることでつけるのが効率的です。バイクに乗る機会を増やしてバイクに慣れると、左手が痛くならない握り方が自然と身に付いてきます。
クラッチが重い・左手が痛い時のまとめ
クラッチが重く感じる時や左手が痛く感じる時には、症状に合わせて解決しましょう。
クラッチ周りのメンテナンスを行う、必要があれば修理をする、バイク側に問題がなければレバーを交換したり、クラッチの握り方や乗り方そのものを変更したりします。
クラッチが急に重く感じた時には、クラッチワイヤーが切れる前兆など重大なトラブルが起こっている場合もあるので、異常を感じた時に早めに点検をすることをおすすめします。また部品交換やメンテナンスに不安がある場合には、バイクショップでプロに作業や点検を頼むこともおすすめします。
クラッチはバイクの乗り心地を左右する大切な部分ですので、重さと手の痛さ対策をしっかりして、快適なライディングができるようにしましょう!
投稿者プロフィール
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GPZ750R改に乗っているねこにんじゃと申します。
ライターでイラストレーターです。
「おすすめグッズを知りたいけど面倒だから誰かまとめて」
「整備について知りたいけど難しいから簡単に知りたい」
などなどのバイクライダーの希望をかなえます。
バイクライフがより楽しくなるような情報を、できるかぎりわかりやすくお届けしていきます。
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