相次ぐ物価上昇と記録的な円安というダブルパンチで、バイク用品も例外なく値上げラッシュが続く昨今ですが、、、そんな中「まさかのカーボン仕様なのに3万円台」という鬼コスパヘルメットが登場しました!
その名も「ASTONE GT-1000F・RT1500」どちらもフランス生まれの凄いやつです。
ということで、今回は実際に「GT-1000F」の方をお借りして、バイクで走ってみたレポートをお届けします。
ASTONEとは?
まずは恐らく多くのライダーが初耳であろうヘルメットメーカー「ASTONE」について解説します。
ASTONEは台湾に本社を置く、バイク用ヘルメットのOEM/ODMを中心としたメーカーで、基本的にデザイン・設計・開発・製造の全て自社で行っています!
特にデザインはおしゃれ大国のおフランスで行っており、それゆえスマートで洗練されたヘルメットが多く、僕のような美意識の高いライダーにはうってつけのメーカーなんです。
ちなみに日本では埼玉県の「株式会社はとや」さんが、ASTONEヘルメットの輸入・販売を行っています。
GT-1000F・RT1500とは?
今回ご紹介するASTONEのヘルメットは「GT-1000F」と「RT1500(発売予定)」の2種類で、前者は一般的なフルフェイスヘルメット、後者はチンガードがパカっと開くシステムヘルメットです。
特徴してはどちらも軽くて強度に優れた「高級素材のカーボンを使用していながら3万円台」という鬼コスパを実現していることで、今回は実際にお借りして被ってみたGT-1000Fを中心に紹介します!
ちなみにGT-1000Fは、なんと!あの人気YouTuber「はじめしゃちょー」が被ってたりします。
GT-1000Fの開封の儀
それでは今回僕がお借りした「ASTONE GT-1000F」の開封の儀からスタートします。
いかにもおフランスっぽい白を基調したおしゃれな箱を開けると、中から出てきたのは収納袋に入ったヘルメットと説明書という至ってシンプルな2点でした。
ちなみに収納袋は若干アベンジャーズっぽい、ASTONEの「A」のロゴが入ったカッコイイデザインで、これを開けるとさらに傷防止用の袋に入ったヘルメットが出てきて「商品を大切にしてる感」をひしひしと感じた次第です。
GT-1000Fの特徴的なカラーリングとデザイン
GT-1000Fと初めてご対面して驚いたのはそのカラーリングです!
今回お借りしたのは「イリジウムカラー」という某高性能プラグのようなカラーリングのGT-1000Fですが、これが見る角度によって紫のようで緑だったりする不思議な色なんですよね。
とにかくシンプルに目立つ&おしゃれカッコイイカラーリングなので、僕は交差点でこのカラーリングのヘルメットを被ったライダーが横に止まったら、確実にガン見する自信があります。
ちなみにイリジウムカラーはどちらかといえばプレミアムな色で、7種類の通常カラーも用意されています。
次はヘルメットのデザインですが、これが全体的にシュッとして近未来感に溢れています!
一見すると何の変哲も無いような場所にも、さりげなくエッジを効かせたアクセントが散りばめられており、さすがはおフランスデザインといった感じです。
そして、通常は単にステッカーが貼ってあることが多い、おでこ付近のメーカーロゴマークが立体エンブレム仕様なのが、人と被りたくない僕にはグッときました(素晴らしい)
GT-1000Fのスペックと機能・装備
GT-1000Fは軽くて丈夫なカーボンを全面に使った「フルカーボン仕様」のヘルメットで、その恩恵で重量が1250g±50g(バイザー除く)とかなり軽量です!
実際、例えばバイクを降りてヘルメットを持ち歩く際に「あれ?軽いじゃん?」と気が付くレベルの軽さで、恐らくツーリングで長時間ヘルメットを被り続けた際の疲労軽減にも繋がるはずです!
それでいて、ヘルメットで最も大切な安全性も「PSC・SG規格」をきちんと満たしているので、安心して被ることができます。
シールドの開閉は国産ヘルメットと同様に左側の突起で行うタイプで、海外モデルに多いセンターアップ方式が苦手なライダーでも違和感なく使えます。
しかも、シールドの開閉動作が至ってスムーズで、ストレス無く3段階に開閉できます!
日差しが眩しい時に便利なインナーバイザーを装備しており、ヘルメットの左サイドにあるノブで開閉できますが、これが実に画期的な仕様です!
というのも、通常インナーバイザーの開閉は「スライダーを前後に動かして行うタイプ」が一般的ですが、GT-1000Fはノブを前方に倒すとバイザーON、後方に倒すとバイザーOFFのスイッチ式を採用しています。
つまり、バイザーが中途半端に開閉されることがなく、ONかOFFの2択かつ「カチっ」という気持ちの良い動作音が癖になります!
特にバイザーを格納するOFFの動作が気持ち良く、僕は意味もなくバイザーを出しては格納する動作を繰り返してしまいました。。。
GT-1000Fのあご紐は今流行りのラチェット式では無くDリング式ですが、これは恐らく「とにかく軽い」という特徴に合わせての仕様だと思います(ラチェット式は若干重い)
もちろん、あご紐の取り外しはラチェット式の方が楽ですが、個人的にはヘルメットロッカーに固定しやすいDリング式の採用は大歓迎です!
ちなみに海外製ヘルメットはあご紐周りが割とタイトで、ヘルメットロッカーに引っ掛けるのが困難なものもありますが、GT-1000Fはあご紐が長めで余裕で引っ掛けられます。
ベンチレーションは口元、トップ、リアの3ヶ所に装備されており、特にトップは開くと2カ所に通気口があるので、かなり風通しが良さそうです!
残念ながら今回は11月の北海道(日中5〜10度)での検証だったので、ベンチレーションをONにする機会はありませんでしたが、夏の涼しさと気持ち良さは容易に想像できました。
ちなみに口元にはベンチレーションの他に巻き上げ風を防ぐ「チンカーテン」も装備されています。
さらにはオプション設定で「専用のバックスポイラー」が用意されており、これを装着すると「ヘルメットのブレを抑える効果」と「高速走行時の安定性が高まる効果」を得られるようです!
これは「ライダーは後付けパーツを取り付けてカスタマイズするのが好き」ってことをASTONEがよく分かってらっしゃる証拠ですね(もれなく欲しくなるやつ)
GT-1000Fの内装脱着とスピーカーホール
GT-1000Fは内装をフル脱着することが可能で、ヘルメットの汚れや匂いが気になる場合は外して洗濯機で丸洗いできます(要洗濯ネット)
ちなみにチークパッドとトップ内装は帽体ハメ込み+ボタン、チンカーテンと左右のあご紐カバーはボタンのみで簡単に脱着できます。
内装を外してみて気が付いたポイントは、チークパッドがかなり厚めということで、これはフィット感と被り心地の良さに繋がっていそうです。
そして、トップ内装の頂点部分がフローティング方式になっているのがユニークで、これは頭の動きに追従するためなのかもしれません。
ちなみにGT-1000Fの内装は吸湿素材を使っているので、夏でもサラッと快適に被ることができます!
個人的にはASTONEのロゴが入りまくった内装の主張の激しさも、いかにも海外製品っぽくて好きです。
さらにもう一点、内装を外してみて気が付いたポイントが、インカム用のスピーカーホールがあることです(有能か!)
今時はヘルメットにインカムを取り付けるのが当たり前なので、これは素直に嬉しいポイントです。
ちなみに僕のインカムのスピーカーのサイズは「直径40mm・厚さ13mm」なので、少なくてもこれ以下のサイズのものであれば取り付けできるはずです。
早速手持ちのインカムのスピーカーを当てがってみたところ、恐ろしいまでジャストミート!もとい、ジャスフィットでした!
GT-1000Fのサイズと被り心地
GT-1000Fには「M・L・XL」の3つのサイズがありますが、基本的には国産メーカーのヘルメットと同じサイズを選べばOKです!
僕は普段「アライ:ツアークロス3」のMサイズを被ってますので、GT-1000FもそのままMサイズをチョイスしました。
しかし、実際被ってみるとツアークロス3のようにヨイショ!と気合を入れて被るどころか、スポッと簡単に被れてしまったので「あれ?もしかしてサイズ合ってない?」と少々不安になりました、、、
要は被り心地としては「キツめの欧州フィット」ではなく「緩めのアジアンフィット」な感じですが、しかし厚めのチークパッドのホールド感はしっかりと感じます。
走行インプレッション
さて、ここまで色々とGT-1000Fの説明をしてきましたが、やはり「ヘルメットは実際に被って、バイクで走ってなんぼのもの」ということで、いよいよお待ちかねの走行インプレッションをお届けします。
まず走り出してすぐに感じたことは「視界の広さ」で、縦横共にワイドな感じで、周辺の状況を把握しやすかったです。
そして、テスト走行当日は結構な風が吹いてましたが、それでも風切り音が少ないことにも驚きました!
これは恐らくヘルメットの機密性が高いからで、その証拠に今年北海道で大量発生している通称「雪虫(アブラムシの一種)」が当日も大量に舞ってましたが、内部に侵入することがありませんでした(普通は侵入してきます・苦笑)
はじめて被った時は「ちょっと緩めかな?」と思った被り心地も、それこそ風が強い日でしたがヘルメットがブレることはなく、しっかりと「頭を守ってくれてる感」を感じました。
実は内装の裏側に大きめのクッションがあるので、恐らくそれと厚めのチークパッド、そしてトップ内装のフローティング仕様が良い仕事をしているのだと思います!
実は個人的には緩めのフィット感の方が好きなのですが、しかし「緩めだとヘルメットがブレて危険、、、」という固定概念が一気にぶっ壊れました(素晴らしい)
続けてテスト走行中に運よく逆光に遭遇したので(?)インナーバイザーをONにしてみましたが、程よく視界を覆ってくれて暗過ぎず良い感じでした。
イメージとしては黒というよりは茶色っぽく見える感じで、バイザーONの操作はちょっと慣れが必要ですが、前述の通りOFFの操作はカチッと本当に気持ちが良いです!
さらに言うと被ってる時は全然気が付かないけど、バイクを降りてヘルメットを持つと改めて「軽い」という事実に気が付きます!
そして、海外製ヘルメットは割と大きいものが多いので、せっかくトップケースがあっても収納できないケースがありますが、ところがGT-1000Fは入れ方や蓋の閉じ方を全く気にせず「普通に」トップケースに収まってくれるのもナイスなポイントです(BMW純正トップケースの場合)
極め付けは「イリジウムカラーは汚れが目立ちにくい」というメリットで、アラフォーおじさん、、、じゃなくておに〜さんの僕がベタベタ触っても、指紋が目立たない素敵仕様に心奪われました!
今回はBMWのG310R、それからR1200GSに乗ってGT-1000Fを検証しましたが、デザイン的にオンロード車のG310Rにマッチすることは容易に想像できましたが、意外とアドベンチャーのGSにもマッチしているように思いました!
それそこ普段はアドベンチャーヘルメットを被ってGSに乗っているので、これならフルフェイスでアドベンチャーもありだな!と新たな発見をした次第です。
GT-1000Fの気になった点
基本的には大満足のGT-1000Fですが、一つだけ気になった点があります。
それはピンロックシートに対応していないことで、というのもテスト走行当日は気温5〜10度くらいでしたが、機密性が高いがゆえに停車中は結構な確率でシールドが曇りました。
もちろん走り出せば曇りは取れましたが、恐らく北国の秋冬や雨の日は曇りがちになるかもしれません。
しかし、近年は汎用のピンロックシートがバイク用品店やネットで売ってますので、そういったものを活用すれば問題ないかと思います。
システムヘルメット:RT1500
今回、実際に被って検証したのは「GT-1000F」ですが、同じくカーボン仕様の軽量なシステムヘルメット「RT1500」がASTONEからリリース予定です(2024年1月下旬から2月に入荷予定)
基本的にシステムヘルメットは構成パーツが多いので、どうしても重くなりがちですが、ところがRT1500は1430g±50g(バイザー含まず)という驚異的な軽さを実現しています!
それどころか、どちらかといえば大柄でイカつい見た目のものが多いシステムヘルメットですが、RT1500はチンガードを閉じてる通常モードでは、普通にスリムなフルフェイスヘルメットにしか見えません。
ちなみにチンガードの素材はABS樹脂とすることで、コストを抑えつつ剛性を確保しています。
チンガードの開閉ボタンは顎の部分に付いており、グローブを付けたままでも操作できるように大きめに作られています。
もちろんGT-1000Fと同じく「PSC・SG規格」を取得しており、ベンチレーションやインナーバイザーなどのユーティリティも装備しています。
さらにあご紐がDリング式であること、内装のフル脱着が可能であることもGT-1000Fと同じで、サイズも「M、L、XL」の3つの設定になっています。
なお、RT1500のカラーリングは「ブラックレッド・ブラックグレイ」の2種類が用意されています。
システムヘルメットのメリットは、状況に応じてジェットヘルメットの爽快感とフルフェイスヘルメットの快適性を切り替えられることで、休憩中にヘルメットを脱がずに飲み物が飲める、他のライダーと会話がしやすいというメリットもあります。
それこそ、GSのようなアドベンチャーバイクでロングツーリングを楽しむなら、GT-1000FよりRT1500を選んだ方が、より快適でシステマチックなツーリングを楽しめるはずです!
気になるGT-1000FとRT1500の価格を発表
さてさて、大変お待たせいたしました!
ここまでASTONEのカーボンヘルメットの魅力を語り尽くしてきましたが、皆さんが知りたいのは「で、おいくら万円ですか?」ズバリこれですよね?
ということで、冒頭でざっくり3万円台とはお伝えしましたが、いよいよGT-1000FとRT1500の価格を発表したいと思います。
まずはGT-1000Fですが、これがなんと¥31,900(税込)と衝撃的な価格です!
きっと多くの方は「3万円台=39,800円」くらいだと予想してたと思いますが、まさかの3万円台前半でした!
しかも、これは今回紹介したイリジウムカラーの価格で、通常カラーはなんと¥26,800(税込)と頭の中が?だらけになる、もはや意味不明な価格です。
繰り返しますがフルカーボンで機能満載のヘルメットです、決して安かろう悪かような代物ではありませんので、どうぞよろしくお願いします。
そして、極め付けはシステムヘルメットのRT-1500の価格で、こちらは¥39,800(税込)とギリ3万円台ですが、くどいですが「カーボンのシステムヘルメット」です(発売前なので予定価格です)
普通なら絶対にあり得ない価格なんですが、なんといってもASTONEは自社で製品を製造していて、しかも「DtoC」と呼ばれる中間業者を通さない、自社ECサイト販売を徹底しているので、だからこそこの驚異的な低価格を実現できるんです!
ASTONEは欲しいから買うヘルメット!
一般的に「コスパが良い」と言われているヘルメットは「本当はアライとSHOEIが欲しいけど、高価だから何かを妥協して買う、、、」という感じのものが多いですが、ところがASTONEのヘルメットは「欲しいから買うヘルメット」に仕上がっている!というのが今回実際に使ってみた忖度なしの感想です。
軽量で丈夫なカーボンを贅沢に使っていて、個性的なカラーリングがあって、それでいて機能や装備は一定の基準を満たしている、そしてリーズナブル!これって控えめに言って最高じゃないですか?
ということで、次回のヘルメット購入の際は、ぜひASTONEも選択肢に入れることをおすすめします。
投稿者プロフィール
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バイクで日本2周、オーストラリア1周済みの放浪系バイク乗り「さすライダー」です。
2019年に大好きな北海道へと移住して、夏も冬もバイクライフをエンジョイしています。
好きな言葉は「自由」嫌いな言葉は「集団行動と就職」
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