バイクの定期点検(12ヶ月点検・1年点検)は、みなさん、やっていますか?
「面倒だし、お金もかかるからな」と思っているなら、実は、絶対にやった方がお得です。
「定期点検をやるかやらないかで、普段の性能に大きな差が生じる」からです。
そもそもオートバイ(原付を除く)の日常点検と12ヶ月点検は道路運送車両法によって義務付けられていますが、車検のない250cc 以下のバイクは点検をしなくても「罰則」が無いので、この法律の事自体忘れてしまっている方が多いのではないでしょうか。
「エンジンオイルだけ交換しておけば、とりあえず大丈夫でしょ?」と思っている方も注意が必要です。
それだけだと、バイクの寿命を縮めているかもしれません。
ここでは、「定期点検のメリット」を中心に、なぜ定期点検が必要なのかお伝えしていきます。
定期点検(12ヶ月点検)をするメリット
上記の様に法律で義務付けられているという理由に加え、定期点検をする実際的のメリットは次のとおりです。
予備整備で大きな出費を未然に防ぐことができる。
「定期点検は、お金がかかるからな~」と思っている方。
いえいえ、長い目で見たら定期点検しないほうがバイクの寿命を縮め、お金がかかるかもしれません。
放っておいたら高価な部品の修理ができない状態にまでなってしまい、大掛かりな交換などが必要になることもあるのです。
1年毎の定期点検をしておけば、消耗部品の交換やメンテナンスで済んだり、いずれ交換が必要な部品を把握したりすることも出来ます。
これを予備整備や点検整備とも言います。
事前に交換部品が把握できれば、その部品を準備・購入しておけるので、部品が届くまで待つ必要もなく、スピーディーな修理・交換が可能となります。
時間がある分、部品をお得に購入することも出来そうですね。
バイク性能を高く維持できる
バイクの性能低下は気づきにくい
バイクは、走行距離や時間とともに性能がゆっくり低下していきます。
性能の低下は、「ガソリンの燃料メーター」とよく似ています。
ガソリンタンクを満タンにすると、しばらく燃料メーターが「減らない」ことありませんか?
これを見て「このバイクめちゃめちゃ燃費良い」と勘違いしてしまいますが、一度減りはじめたらみるみる減っていく現象です。
これって、燃料は最初からしっかり減っているけれど、メーターの特性上、そう見えるだけなんですね。
バイクの性能も同じで、「新車から1~2年は、性能の著しい低下に気づきにくい」のですが、実は、ゆっくり低下しているのです。
定期的点検・整備でベストコンディションに戻す
それを1年毎に定期点検することで、バイクの本来持っている性能に戻すことが出来ます。
定期点検をしていれば、新車のときに感じた快適な運転フィーリングがよみがえります。
これって、高価なパーツを購入するよりも、効果があると思いませんか?
安全性が確保できる
定期点検をすることの3つ目のメリットは、性能が維持できるだけでなく、安全性も確保できることです。
部品の摩耗等による劣化を年に一度点検することで、突然やってくるバッテリー寿命や、タイヤのバースト、エンジンストップ等による走行不能や事故を未然に防ぐことができるのです。
定期点検ってどうしたらいいの?
定期点検は大きく分けると、「自分でやるか」、「プロにまかせるか」、のどちらかです。
私は、一度「プロにまかせる」ことをおすすめします。
理由は次の通りです。
定期点検はプロにまかせましょう
意外とお手頃価格
バイクの排気量によって違いますが、定期点検代は概ね8,000円~15,000円が相場のようです(部品交換は除きます)。
一年に一度このくらいの捻出で安心が確保できるのであれば、安いものですよね。
後述しますが、点検する項目は結構多いので、慣れていないと自分でやるのは大変かもしれません。
定期点検は半日か1日で完了
通常、点検にかかる時間は半日~1日程度です。
事前に予約しておけば、予想外に待たされることもなくなります。
代車があるかどうかも確認しておきましょう。
感動する仕上がり
プロに点検・調整してもらうだけで、ブレーキの効き具合や、エンジンの状態が、素人には出来ない「シャキッと感」が出ます。
こんなに自分のバイク楽しかったっけ?と思うくらい動きが変わります。
プロの技量を試す機会
行きつけの信頼できるバイク屋がない人は、定期点検を通してそのバイク屋の技量を知る良い機会とも言えます。
長くお付き合いできるかどうかの判断を定期点検でしてみてはいかがでしょうか。
新車でも1年乗れば、ブレーキワイヤーやチェーンは伸びるし、新品時の運転フィーリングとは変わっています。定期点検に出して、殆ど変わらない状態で戻ってきたとしたら、そこはあまり良いお店とは思えません(そんなお店は無いと信じたいですが)。
プロに教わる良い機会
自分でバイクメンテナンスしている人は、定期点検を通して、自分の調整の仕方にプロから直接アドバイスをもらえる良い機会です。
程度にもよりますが、一言でも「個人指導してもらえる」と考えれば、自分のメンテナンス技量を上げる良い機会にもなります。
それでも自分で点検したい場合
12ヶ月点検での点検項目は30~40項目あります。(走行距離が短い場合は一部省略可) 参考までにホンダの主な点検項目は下記の通りです。
【主な点検項目】
〇ステアリング・ステムの軸受け部のがた
〇ブレーキべダルおよびブレーキレバーの遊び
〇ブレーキの効き具合
〇ブレーキロッド及びケーブル類の緩み、がた及び損傷
〇ブレーキホースおよびパイプの漏れ、損傷および取り付け状態
〇マスタ・シリンダ、ホイール・シリンダ及びディスク・キャリパの液漏れ
〇ホイール・ナット及びホイール・ボルトの緩み
〇クラッチレバーのあそび
〇ドライブチェーンのあそび
〇ドライブ及びドリブン・スプロケットの取付状態及び摩耗
〇点火時期
〇バッテリー・ターミナル部の接続状態
〇エンジンの低速及び加速の状態
〇排ガスの状態
〇エンジンオイルの漏れ
〇燃料の漏れ
〇燃料装置のリンク機構の状態
〇スロットル・バルブ及びチョーク・バルブの作動状態
〇冷却水の漏れ
〇エキゾースト・パイプ及びマフラーの取付けの緩みと損傷
〇フレーム緩み及び損傷
〇シャシ各部の給油状態
おわりに
定期点検をしてないバイクに起きるトラブル(例)
点検を怠っていると、突然やってくる大きなトラブルは次のとおりです。
- 突然バッテリーの寿命が来る
- ブレーキ・シューが無くなって、ブレーキが効かなくなる。
- タイヤの経年劣化でヒビが入り、走行中にバースト
- オイル劣化によるエンジン焼付
- 走行中にチェーンが切れる
などなど、
もし、上記のトラブルが走行中にやってきたら、「周囲の走行車両や歩行者にも被害が及ぶかも」しれません。
ちょっと想像するだけでゾッとしますね。
12ヶ月点検は、法律でも義務となっています。
安心・安全のためにも確実に実施していきましょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
投稿者プロフィール
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【チャリダーからライダーへ】8年前、自転車整備の延長で、ほぼ一人でメンテできるスーパーカブ110(ja10)と出会い、世界が広がる。
【スーパーカブ】走行距離9万キロ。試行錯誤のメンテで失敗(エンジン焼き付き)もあるが、不調から回復するカブから元気をもらっている。
東京生まれ。沖縄在住25年。50歳で人生初の脱サラ。2023年からライターとして活動。「自分で直せる」を皆さんにお伝えできたら嬉しいです。
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