こんにちは整備士ライダーのヨシキです。この記事に目を通していただいているということは、きっとあなたはモトクロスのジャンプに苦手意識を持っていますね?
モトクロスの花型ともいえるジャンプはみんなが憧れるセクション。しかし、いざやってみようと思ってもなかなかうまくいかないのではないでしょうか。
恐怖心が邪魔をしてキレイに飛べなかったり、空中でバランスを崩して怖い思いをしたりと、ジャンプを苦手に感じる要素はたくさんあります。
そもそも、バイクが宙を舞うなんて普通に乗っていたら絶対起こり得ないシチュエーションに恐怖を感じない方はいないでしょう。
しかし、ジャンプは練習さえすれば誰でも飛べるようになります。プロライダーが飛ぶようなビックジャンプは無理でも5メートルくらいの小さなテーブルトップなら1か月も練習すれば飛べるようになるでしょう。
そこで今回のヨシキのライテク講座は、モトクロスの“ジャンプ”について詳しく解説していきます。これさえ読めばあなたも明日から憧れのモトクロスジャンプができるかも⁉
是非お付き合いください。
ジャンプの練習は小さな山から挑戦してみよう
ジャンプの練習の基本は小さな山から。この小さな山を飛べるように練習するのが第一ステップです。手前で軽く助走をつけて斜面に入ったらアクセルオフ。この姿勢でまっすぐキレイに飛べるようになればOKです。
このとき、飛距離を気にする必要はありません。バイクが完全に空中に浮くことが大切です。
これが出来るようになれば徐々に助走スピードを上げて少しずつ飛距離を伸ばしていきましょう。スムーズに飛べるようになれば次のステップです。
恐怖心を感じない程度のジャンプから練習するのがおすすめ
とはいえ、最初のジャンプはかなり恐怖を感じるはず。まずは怖くないくらいの小さなジャンプから練習するのがおすすめ。
特にジャンプはシングルジャンプよりもテーブルトップの方が安全な形状であることが多いので、小さなテーブルトップを見つけて練習すると恐怖心が和らぐはずです。
始めは飛び出しも着地もまっすぐで路面が荒れていないジャンプを選ぶべし
初心者が安全にジャンプの練習をするには、簡単なジャンプであるかどうかの見極めも重要です。練習に向いているジャンプの特徴は、
- 飛び出しが荒れていない
- ジャンプがまっすぐ
- 着地が長い
- 飛び出しが緩やか
- テーブルトップ
これらの条件を満たすもの。反対に練習に向いていないジャンプは
- 飛び出しが荒れている
- 飛び出しがしゃくれている
- ジャンプが曲がっている
- 着地が短い
- ダブルジャンプやシングルジャンプ
などなど。基本的にはまっすぐでキレイなテーブルトップが練習におすすめのジャンプですね。
2連ジャンプはテーブルトップが飛べるようになったら挑戦してみよう
テーブルトップは飛べるんだけれど2連ジャンプが飛べない。
そんな方はまずテーブルトップがキレイに飛べるようになってからチャレンジしてみましょう。2連ジャンプは一気に飛びきらないと痛い思いをする難易度の高いジャンプ。キレイにクリアするには飛び出しから着地までの飛距離を調整する技術が必要です。
まずは初見のテーブルトップをキレイに飛べるくらいのスキルを身に付けてから挑戦するといいでしょう。
ジャンプが上手くいかない時の対処法
ある程度ジャンプが飛べるようになってきたら、次は空中での姿勢や上手くいかなかった時の対処法を練習していきましょう。これらの操作は何十回もジャンプを練習して徐々に体に覚えさせていくのですが、まずはケガをしないためにも基本操作を頭に叩き込んでイメトレから始めていきます。
フロントが上がり過ぎてしまっている
空中でフロント上がり過ぎて怖い。このような症状で考えられる原因は次の2つ。
- 腰が引けて後ろ加重になっている
- 飛ぶ気持ちが強すぎて飛び出しまでアクセルを開けてしまっている
このうち腰が引けてしまっていてフロント上がりになっている場合は、なるべく前に乗るように意識をするなど、ジャンプ前のフォーム改善で対処できます。しかし、後者のアクセル操作によってフロントが上がってしまっている場合は空中でリアブレーキを踏むと対処できます。
これは空中でリアブレーキをかけることでリアタイヤの回転が停止。すると慣性の勢いが働いてフロントが下がるという仕組みです。
最近ではあまり見ることが無くなったテクニックですが、姿勢制御の一つとして覚えておくと空中の操作に役立ちます。
ちなみにリアブレーキをロックさせるのでクラッチも一緒に握るのをお忘れなく。
フロントが下がって怖い思いをした
フロントが下がって怖い思いをしたときの対処法はとにかく空中でアクセル開けるしかありません。これはフロントを下げる操作の反対で、勢いよくリアタイヤを回すことで、慣性の力がフロントを上げる働きをしてくれます。
空中でフロントが下がり過ぎたかも!と思ったらアクセルを勢いよく開けましょう。
着地の衝撃が大きくて怖い
着地の衝撃が大きくて怖いときは、なるべくリアタイヤから着地するようにして、着地の少し前からアクセルをワイドに開けると克服できます。
ジャンプでリアタイヤから着地すると、特別な操作をしなくてもリアサスはしっかり働いてくれます。こうすることで足でバイクに踏ん張れるようになり、姿勢が安定。衝撃が小さくなります。
次に、空中からアクセルをあけておくことで着地の衝撃を前に逃がします。着地の勢いを前に分散することで衝撃が小さくなり、何度も練習しているうちに少しずつ恐怖心が和らぎます。
恐怖心を克服するにはどうすればいいの?
“どんな練習法であっても怖いものは怖い!ジャンプの恐怖心を克服できる方法はないのか?”
この悩み、よくわかります。しかし誤解を恐れず言うなら、ジャンプの恐怖心を簡単に克服できる方法はありません!慣れるまで何度も反復練習をするのみです。
恐怖心を克服するには反復練習あるのみ
そもそも当たり前ですが、人は危険を感じる行為に恐怖を抱く生き物です。危険なチャレンジが怖いのはバイクに限った話ではありません。身近なものでも心当たりはありませんか?
例えば、バイクに乗りたてのときはスピードを出すのも怖かったという人でも、バイクにたくさん乗って慣れるうちに少しずつ軽快に走れるようになったという方もいるでしょう。モトクロスのジャンプも同じ。まずは飛ばなくてもいいのでジャンプセクションに何度も挑戦することが大切です。
すると少しづつバイクが浮くようになり、最終的には恐怖心が薄れてきます。恐怖の度合いは人それぞれかもしれませんが、地道に反復練習をすればきっとジャンプへの恐怖心は克服できるようになりますよ。
ウイップをやってみたい人へ
ここからはおまけ。ジャンプは飛べる、ウイップがしたい。そんな貪欲なあなたにウイップのやり方を解説します。ちなみに今回紹介するウイップは厳密には“スクラブ”です。まあ、どちらも空中でバイクを寝かせるジャンプですので細かいことにはこだわらず、“ウイップのやり方ってそうなんだ”くらいの観点でお付き合いください。
ウイップをしたいなら、まずはサスの動きを感じられるようになろう
ウイップは、ジャンプの飛び出しで縮んだリアサスを横方向に伸ばしてやることでバイクを寝かせる技術です。なのでウイップをしたければまずはジャンプの飛び出しでバイクのサスの動きを感じれなければいけません。
まずはサスが思いっきり縮むようなジャンプを飛んで、サスの動きを感じられるように練習しましょう。
まずはまっすぐジャンプでサスの力抜いてあげる必要がある
ジャンプでサスの動きが感じられるようになったら、次はバイクを寝かさずに手足を曲げて飛び出し前にサスの力を抜いてあげる練習をします。いわゆる抜重ですね。
サスを使ったときと抜いたときでジャンプの高さが変わるくらいコントロールできれば寝かせる準備はOKです。
最後にテイクオフの瞬間にハンドルをこじればウイップの出来上がり
ここまで出来たら最後はもっとサスの力を抜いてあげるためにテイクオフの瞬間にハンドルを切って手足を曲げれば完成です。このとき、ハンドルを切った方の手(右に切ったなら右手)でバイクを地面に押してあげればもっと寝るようになります。
戻るときはハンドルをまっすぐにすれば勝手に戻ります。
正直、この動作を文章で伝えるのは非常に難しく、感覚的なものも大きいのが本音です。なので本気で練習するときには実際にできる人に教わると良いでしょう。
逆にこの文章で大体どうすればいいのかイメージが湧いている方は、すぐにウイップができると思います。まずは15メートルくらいのジャンプで練習してみてはいかがでしょうか。
自分のペースで練習して、ケガをしないようにジャンプをマスターしよう
ジャンプはモトクロスの中でも危険なセクションです。もちろん練習中のケガも多発します。モトクロスの練習中にケガをしてしまうのは本当にテンションが下がりますよね。
早くジャンプが飛べるようになりたいのはとても良く分かりますが、自分のペースで、ケガをしないように練習するのがジャンプ克服の一番の近道でしょう。
かっこいいジャンプが飛べるように応援しています!
投稿者プロフィール
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元モトクロス国際B級ライダーのヨシキです。
趣味は林道探検、オフロードバイクでどんな山道も散策します。
今は整備士として活躍しているので、メンテナンス、DIYでできる整備など、お役に立てる情報を発信していきたいと思います。もちろんレーサーならではのライテク記事も執筆していくのでおたのしみに。
【愛車たち】
SUZUKI RM-Z250,HONDA CR125,SUZUKI RM80L
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