「コマ地図(コマ図)ツーリング」を知ってますか? 「コマ地図(コマ図)ラリー」とも呼ばれる、目的地(ゴール)はナイショのツーリング(ラリー)です。ラリー競技の一種で歴史は古く、昭和の時代から存在し競技会が開催されていました。
今回は楽しくミステリアスなコマ地図ツーリング(コマ地図ラリー)を紹介します。
コマ地図ツーリングとは?
コマ地図ツーリングとは、主催者が用意したコマ地図(目的地までの道順や分岐点、目標物、距離などの要点をたくさんのコマに分けて描いた小さい指図書)に従いナイショのゴールを目指すツーリングです。コマ地図ラリーとも呼ばれ、目的地(チェックポイントやゴール)を探し当てる、クイズの要素も加わる楽しい競技です。
スタートからゴールまでの間には数カ所のチェックポイントが設けられています。チェックポイントから次のチェックポイントの区間には所定のタイムが設定されており、通過時間は所定の時間より早くても遅くてもいけません。設定された時間と実際の通過時間に差がある場合は、ペナルティを科されます。
そして、ゴールするまでの合計時間とペナルティを足し引きした時間の合計で順位が決まるのです。
多くは正確さを競う競技として開催されています。ゴールするまでの時間を競うスプリント型のレースや競技会とは違い、正確さを競います。早ければ良いというものではありません。
コマ地図ツーリングの魅力
知力と観察力など五感を総動員して未知のチェックポイントとゴールを目指すミステリアスな競技です。競技中の緊張感と、謎を解く楽しさ。そしてゴールしたあとの達成感がたまりません。
見知らぬゴールを目指して走っているとき、思いがけず絶景に出会うこともしばしば。企画する主催者は、走行中の景色なども考慮してルートを考えているそうです。
1日の総走行距離100km以内の短距離型から、400kmを超すような長距離型までいろいろな競技が行われています。
ツーリングを主体としたゲーム・クイズ感覚の競技なので、老若男女を問わず参加できます。自分のレベルに合わせて選びましょう。
海外においても盛んに開催されており、海外の競技にエントリーする強者愛好家も中にはいます。
どこで開催されているの?
全国にコマ地図ツーリング(コマ地図ラリー)競技の団体が存在し、それぞれの主催で開催されています。
「コマ地図ツーリング」や「コマ地図ラリー」で検索すると、各地のいろいろな競技会の案内を目にすることができますよ。
参加するためには、何が必要なの?
競技を進めるためには装備が必要です。初心者のうちはいきなり高価な装備を買わず、持っているもので代用し参加すると良いでしょう。参加回数が増えて必要な装備を理解できてから、徐々に専用の高価な装備を揃えていくのがベターです。
バイク
大型より小型の方が、どちらかといえば有利です。舗装路ばかりではなく、未舗装路(林道など)を走ることもあり、ルートを間違えたときのUターンも小型バイクはラクにできます。
参加者のバイクは、中型や小型のオフロードバイクが多いです。
スマホ コマ地図アプリ
スマホのGPS機能を使います。主催者によってはコマ地図ツーリング用のアプリを使用する場合もあります。緊急時などの連絡用にも必要です。
ラリーコンピューター(またはアプリ)
チェックポイントから次のチェックポイントまでの区間距離を測るために必要ですが、ラリーコンピューターは高価です。距離を計測するためのスマホアプリも数種類存在し、ラリーコンピューターに比べると安く済みます。バイクの距離計(トリップメーター)で代用できますが、正確に計測するためには専用の距離計やアプリの方が良いでしょう。
コマ地図ホルダー(または タンクバッグ など)
コマ地図をホールド(固定)するための装備が必要です。専用のホルダーも市販されているのですが、高価なので最初のうちはタンクバッグなどで代用すると良いでしょう。自作する参加者も多いです。
自作する場合は「コマ図 ホルダー 自作」などのキーワードで検索すると、作り方を解説するサイトが見つかりますよ。
初心者でも参加できるの?
競技会には初心者向けの大会もあります。初心者向けとベテラン向けのクラスを分けて企画し、同日に開催している競技会もあります。
スピードではなく正確さを競う競技なので、初心者のライダーもクイズを解くような感覚で楽しく参加できますよ。
気になる競技会を見つけたら、問い合わせをして申し込みをしてみましょう。
競技会当日の流れ
受付
申し込みの内容を伝え、コマ地図、ゼッケンなどをもらい、スタート時刻などを確認します。
受付時に車検を実施する競技会もあります。違法改造していたり、騒音が激しいバイクは車検を通してもらえず、参加できない場合があります。
ブリーフィング
スタート前のミーティング(説明会)です。チェックポイントや注意事項などの重要な説明があるので必ず参加しましょう。
スタート
いよいよスタート。時間をずらして数組ずつ順にスタートするパターンが多いです。スタート後はコマ地図をよく見て、落ち着いて進みましょう。
チェックポイント
コマ地図をみながらチェックポイントを目指します。焦りは禁物。コマ地図と実際の道路状況をよく見比べて慎重に正確に進みましょう。
コマ地図に看板や標識が記載されていれば、それらを確認しながら進みます。
チェックポイントを通過する際は、スタッフにゼッケンと氏名などを伝えて必ずチェックしてもらいましょう。
ゴール
全てのチェックポイントを通過してゴールにたどり着くまでは気を抜かずに進みましょう。ゴールしたらスタッフの指示に従い、表彰式(閉会式)まで待機します。
表彰式
スタッフが参加者の合計時間を算出し順位が決まります。
表彰された参加者には惜しみない拍手を送りましょう。次はあなたが表彰される番ですよ。
参加する際の注意点は?
走行に関しては普段のツーリングと大差ないのですが、コマ地図ツーリングならではの注意点があります。
バイク
当然のことですが、普段のツーリングと同じように点検整備をして臨みましょう。公道を走るので、爆音マフラーなどの違法改造をしているバイクはNGです。
服装と雨具
山間部などの自然に囲まれた場所で開催されることが多い競技です。気温に合わせた服装を選びましょう。また、雨天決行の場合が多いので、雨具を忘れず準備しましょう。
ロスト(迷子)
競技の途中でロスト(迷子)になったら、落ち着いて直前のルートに復帰しましょう。それでもわからないときは、携帯電話などで主催者に連絡しましょう。
事故やアクシデント
万一、事故に遭ったりアクシデントが発生したときは、速やかに主催者に電話で報告連絡しましょう。
競技中の事故に備えて、1日限りの掛け捨て保険に入るのも良い方法です。コンビニで簡単に手続きできます。
リタイア
アクシデントなどでやむを得ず途中リタイアする場合は、必ず主催者に連絡しましょう。途中であきらめて帰りたくなっても、勝手に無断で離脱して帰宅するのは絶対ダメです。
主催者はゴールに戻らない参加者が見つかるまで、捜索することになってしまいます。
リタイアする際は、必ず主催者に連絡しましょう。
コマ地図ミステリーツーリングを楽しもう!
一年を通していろいろな主催者が各地でコマ地図ツーリング競技会を開催しています。ラリーに参加しているような緊張感と目的地を知らされてないミステリアスなツーリングを体験したいライダーは、ぜひ参加してみてください。
今まで知らなかったバイクの楽しみ方を発見できますよ。
読者の皆様の楽しいバイクライフを応援しています。
それでは、また。
投稿者プロフィール
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熊本県在住。生まれも育ちも熊本。
阿蘇をこよなく愛する生粋の熊本人。
昭和の時代に限定解除し、原付/中型/大型の所有歴あり。
現在の愛機はKawasaki 250TR。
愛機250TRで一日500km(下道)を走破することもある、元気おやじライダー。
「安全第一、無事帰る」をモットーに、今も安全運転を模索しながら走り続けている。
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