スポーツバイクなどで、バイクのタンクに黒いゴムのような物を貼り付けているのを見かける事があるけど、あれって何なんだろう?と思った事ありませんか?アレは、”ニーグリップパッド”というアイテムで、黒色が多いのですが、様々なカラーのものが存在するんです。今回は、そうしたニーグリップパッドの効果や、メリットデメリットをはじめとして、実際に導入する際の貼り付け方なども紹介していきたいと思います。
ニーグリップパッドの効果
ニーグリップパッドというのは、バイクのタンクの膝から腿があたる部分に貼り付ける滑り止めです。似たようなものに、”タンクパッド”というものがあります。ニーグリップパッドの主な効果が滑り止めなのに対し、タックパッドの主な効果は、タンク正面部分の傷防止(プロテクション)といったものになります。近年では、タンクパッドとニーグリップパッドをセットとしてデザイン性を上げているものなどもあります。
メリット
ニーグリップがしやすく、乗車時やブレーキング時における体のズレを防ぐ事ができます。このような観点から、”トラクションパッド”と呼ばれることもあります。軽く挟み込むだけでも高いホールド性を得る事ができるため、ニーグリップに要する力を軽減し、疲労軽減効果も期待することができます。また、腰を大きくズラして体重移動を行うスポーツ走行などでは、タンクに脚を引っ掛けるような体勢(ハングオフ)にもなるため、そうした体勢での安定性を向上させる事も期待できます。
また、タンクパッドと同様にタンクに対するプロテクション効果も期待できます。
デメリット
バイクのサイドビューにおいて目に着く場所であるが故に、デザイン性を損ねる場合もあります。このため、ニーグリップパッドを目立たせたくない!あるいは車両のデザイン性を損ねたくない!という方は、透明なニーグリップパッドや、デザイン性の優れた車種専用のニーグリップパッドなどがお勧めです。
ニーグリップパッドをお勧めしたい人はこんな人
上記のようなメリットがあるニーグリップパッドを導入して欲しい方は、次のような方です。
スポーツライディングをする人
ニーグリップパッドは、体のズレを防ぐ滑り止めとしての役割を担うことから、やはり、スポーツライディングする方にお勧めです。激しいブレーキング時や、腰を大きくズラしたハングオフ時の体制の安定性の向上に大きく貢献してくれるでしょう。
手や腕に疲れが出やすい人
ブレーキング時等に体がズレてしまうといった理由で、ハンドルに添えた手を突っ張ってしまう方もいるかもしれません(意識しているかいないかは別として)。そうした乗り方をしている方は、手がしびれたり、肩がこり易かったり、もちろん腕も疲れやすかったりする場合があります。そうした場合、ニーグリップパッドを利用して上体の安定化を図る事で、手のしびれや肩こり、腕の疲労などを軽減する事ができるかもしれません。
タンクの傷が気になる人
タンクの膝が当たる部分は、体のズレなどにより、細かな擦り傷が付く場合もあります。ニーグリップパッドを貼り付けた場合には、そうした傷を防ぐ事もできます。また、体のズレを抑制する事ができることより、ニーグリップパッドを貼り付けた部分意外の傷も防ぐ事もできます。
どんなものがあるの?
ニーグリップパッドの種類を大別すると、”車種専用品”と、”汎用品”があります。
車種専用品
車種、及び年式を限定した専用品であるため、サイズ感はもちろん、単に凸凹したものだけでなくデザイン性に優れたパッドも多いように感じます。私の愛車であるBMWのF900XRに取り付けたニーグリップパッドは、タンクパッドとセットになったデカールのようなデザインのものでした。
なお、専用品がであるがゆえに、汎用品に比べて割高なものも多いです。
汎用品
車種を選ばず貼り付け可能なため、比較的古いバイクや、車種専用品が無いバイク、あるいは車種専用品はあるものの、なかなか気に入ったものが無い場合などにお勧めです。汎用品のニーグリップパッドは、一般的に、専用品よりも安いものが多いです。私のもう一台の愛車であるDucatiのS2R800に取り付けたニーグリップパッドは、透明色の汎用品です。
ニーグリップパッドを綺麗に貼り付ける方法
ニーグリップパッドやタンクパッドを綺麗に貼り付ける方法は諸説あります。
当然、そのまま貼り付けるといった方法も正解の1つですが、デザイン性が高く、位置決めが難しいものや、左右のニーグリップパッドを対称に貼り付けたい場合に有効な貼り付け方として、私自身が行った貼り付け方法は、次の通りです。
水貼り
私が行った方法は、”水貼り”という方法です。この方法は、貼り付け位置と、ニーグリップパッドの粘着面の両方に、霧吹きなどで液体を吹きかけた上で貼り付けを行うというものです。ここでいう液体は、十分な水に対して、若干の中性洗剤を混ぜたものです。
この方法によるメリットは、貼り付け面の空気が抜きやすいというものがあります。特に、ニーグリップパッドが透明である場合、貼り付け面に残った空気が外側から見えてしまいます。このため、貼り付け面に残った空気をできるだけ抜いてやる事が、かっこよく、かつ綺麗に貼り付けるコツとなります。
また、水貼りを行うもう1つのメリットが、張り直しができるという事です。ニーグリップパッドやタンクパッドの接着面の粘着力は非常に強力です。このため、貼り付け位置が思った位置からズレてしまった場合に貼りなおそうとすると、タンクに粘着剤のノリが残ってしまったり、粘着力が弱く、剥がれやすくなってしまったりします。これに対し、水貼りの場合、粘着面とタンクとの間に水が入るため、水が抜けるまでの間の粘着力を弱める事ができます。このため、位置決めがズレた場合であっても、貼り直しが可能となります。
マスキングテープ等による仮留めと位置決め
ニーグリップパッドを綺麗に貼るためには、タンクの左右に貼り付けるニーグリップパッドを対称な位置に貼り付ける必要があります。この際、ニーグリップパッドを目視で左右対称に貼り付けるのは難しいため、粘着部の保護シート(台紙)を貼り付けた状態のまま、タンクに仮止めを行い、位置決めをします。
位置決めを行った際、ニーグリップパッドの上下前後等の位置に、位置決めガイドとしてマスキングテープを貼っておくと良いでしょう。
貼り付け後の押さえつけ!
上記の位置決めを行い、水貼りを実施した後は、ニーグリップパッドをタンクに押し付けた状態を維持します。押し付けた状態の維持には、マスキングテープ等を用いると良いでしょう。一般的に、両面テープなどの粘着剤の接着強度が高まるまでの時間は、24時間程度と言われています。このため、その間ずっと手で押さえておく事は難しいためです。
オススメの汎用ニーグリップパッド
近年では、デザイン性の高い車種専用ニーグリップパッドなども多く販売されておりますが、専用品が無かったり、旧車であったり、そもそも目立たせたくないけど、プロテクション効果を期待して取り付けたいといった方もいらっしゃるでしょう。そんな方にお勧めなのが次のような商品です。
ROUGH&ROAD print ニーグリップパッド HDR ハイグリップ
汎用品として扱いやすい適度なサイズ感と、高いグリップ力、信頼性の高いブランドによる粘着力が魅力。何より、一般的なブラックの他、クリアもあるという点が、ニーグリップパッドの効果は得たいけど目立たせたくないという方にピッタリだと思います。
Daytona プログリップ バイク用 ニーグリップパッド 220×155mm 5020D 3枚セット
透明である事と、自由にカットできる点が魅力、両面テープが後付けであるため、カットしたデザインに応じて両面テープを貼り付ける事が可能です(両面テープが元から貼り付けてあるとパッド自体がカットし辛い場合もあるだめだと思われます)。
Daytona レザーニーグリップパッド
一般的には、ゴムやシリコン等の軟質樹脂で形成されるニーグリップパッドをレザー調のPVC(ポリ塩化ビニル)を使用する事で、高いデザイン性とニーグリップパッドとしての効果の双方を実現しています。クラシック系バイクでオシャレを演出しながらも、ニーグリップパッドの効果を得たいという方にお勧め。
まとめ
いかがでしたか?一口にニーグリップパッドといっても、専用品や汎用品、デザイン性、素材等、様々なものがありますよね。そのメリットに興味がある方は、自分のバイクに合うニーグリップパッドを探してみてはいかがでしょうか?
投稿者プロフィール
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BMW F900XRとDucati MonsterS2Rでチョイノリからロングツーリング、サーキット走行まで楽しむリターンライダー。
リターン後のツーリングは首都圏内での日帰りをメインとして、美味しい物や良い景色を堪能している。
ご当地"グルメ調査隊"と称してマスツーリングの企画運営なども手掛けることから、バイクの様々な楽しみ方を伝えて行く事を目標としている。
若い頃は、日帰りで埼玉-青森間を往復したことがある、 "自称"やれば出来る男。
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