はじめに
現在、ヘルメットの購入を考えているあなたに質問です。
システムヘルメットを使ったことはありますか?
使ったことがない方には、このシステムヘルメット、かなりオススメです。
ぜひ、この記事を下までサラッと眺めていってください。
この記事を読めば、システムヘルメットって何?から、メリット・デメリット、オススメ商品までが一気にわかりますよ。
すでにシステムヘルメットをご愛用中の方も、新商品が続々と登場していますので、ぜひご一読ください。
システムヘルメットとは?
システムヘルメットとは、チンガード(顎ガード)部分が可動式(脱着式)のヘルメットのことです。
チンガード(顎ガード)の部分を下げれば、フルフェイスのような防風性や安全性が確保され、チンガード(顎ガード)を上げれば、ジェットヘルメットのようなフェイス部分の開放感を感じることが出来る、どちらにも自由自在に変えられる機能的なヘルメットです。
システムヘルメットは、まさにフルフェイスとジェットヘルメットの「イイところ取りをしたヘルメット」と言えます。
システムヘルメットのメリット
チンガードを上げた時のメリット
チンガードを上げれば、視野が一気に広がり、気持ちがぐっと明るくなること間違いなしです。
フェイス部分の換気も素早くできます。
特に炎天下の信号待ちの時は、フルフェイスだと顔が熱気で蒸されてしまいがちですが、システムヘルメットなら瞬時にフェイス部分の涼しさを感じることができます。
また、ヘルメットを被ったまま、飲食や喫煙ができるので、ちょっとした休憩でもヘルメットの置き場所に手間取らずに済みます。
製品によっては、ヘルメットをかぶったままメガネやサングラスの脱着もできます。
口元が開放されるため、ツーリングでは信号待ちの時など、仲間とのコミュニケーションが取りやすくなります。
チンガードを下げた時のメリット
フルフェイスと同様に顔面を防風・防水できるため、荒天時でも運転に集中できます。
ジェットヘルメットで感じていた風切り音が、かなり軽減できます。
特に冬場は、ジェットヘルメットより防風性能があるため、暖かです。
多くの製品がインカム(ヘッドセットのついた無線機)仕様になっています。
ジェットヘルメットより静寂性が高いため、走行中でもインカムでの会話を楽しむことができます。
万が一、事故が起きた時も、チンガードが衝撃からフェイス部分を守ってくれます。
ヘルメット脱着時のメリット
フルフェイスと比べて、ヘルメットの脱着がしやすいです。
製品によってはメガネやサングラスをかけたまま、ヘルメットの脱着が可能です。
システムヘルメットのデメリット
ヘルメット内蔵の部品が多く、ヘルメット自体が重くなりがちです。
構造上、若干大きめな作りなので、原付バイクのメットインに収納できない場合があります。
システムヘルメットはチンガードの部分が可動式になっているため、事故の衝撃でチンガードが外れてしまう可能性があります。そのため、チンガードが一体化しているフルフェイスと比べると、安全性は同等か若干下がると言われています。
システムヘルメットの選び方
ヘルメットの重さ、規格、機能、安全性、サイズの種類など、ヘルメットのグレードはメーカーによって多少の差はあるものの、概ね価格に比例します。
そこで、今回はヘルメットの販売価格に準じて、システムヘルメットを次の4種類に分類しました。
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筆者の独断と偏見で、「これは!」と思うシステムヘルメットを10個に絞りました。
予算とお好みのデザインから、自分にピッタリのシステムヘルメットを選んでもらえたら嬉しいです。
システムヘルメット10選
6万円以上(ハイグレード)
システムヘルメットの中で、最高グレードのヘルメットです。
快適性、操作性、空力性、換気性、静寂性、どれをとってもピカイチ。
お財布に余裕のある方は、ぜひこちらをご検討ください。
① SHOEI(ショウエイ)NEOTEC II(ネオテック ツー)71,500~79,200円(税込)※1
システムヘルメット全てにおいてトップクラスと言える製品です。
個人的には密閉度が非常に高く、静寂性に優れたヘルメットという印象が強いヘルメットです。
音楽やインカムでの仲間との会話を楽しみたい人にはうってつけのヘルメットと言えます。
それでいて、ベンチレーション機能も3段階で調節可能なので、季節やスピード合わせて快適な換気が出来そうです。
チンガードの高さは2段階に調整できます。
NEOTEC IIの重さは、Mサイズ平均で1697g。
同社のツーリング用フルフェイス「GT-AirⅡ」のMサイズ平均重量が1,563gなので、わずか130g程の重量差しかありません。
⇒NEOTECⅡのご購入はコチラか、各用品店などでどうぞ。
② SHOEI(ショウエイ)NEOTEC 3(ネオテック スリー)79,200円(税込)※1<2023年12月~発売予定>
現行品のNEOTEC II(ネオテック ツー)から、さらに密閉性能などの機能性と、快適性を追求したSHOEIの最新モデルです。
密閉性の向上を追求したシームレスデザインや、ヘルメット下端部からの風の侵入を防ぐチークパットの緻密な改善は、特に高速運転時の静寂性の向上を期待してしまいます。
NEOTEC II(ネオテック ツー)の受注は2023年8月末に終了したので、NEOTEC 3(ネオテック スリー)の販売が待ち遠しいですね。
⇒NEOTEC3のご購入はコチラか、各用品店などでどうぞ。
4万円以上~6万円未満 (ミドルグレード)
価格を抑えながらも、性能はハイグレードなシステムヘルメットです。
③【OGK カブト】 RYUKIシリーズ41,800円~45,100円(税込)〈外装デザインによって値段が変わります〉※1
軽量、快適、高機能のフルスペックヘルメット。
値段と比較すると、コスパ最強という声も聞こえてきます。
シールドには、紫外線と赤外線をカットする『UV&IRカットシールド』を採用しているので、太陽光によるヘルメット内の温度上昇を抑えてくれます。
ヘルメットの重量も、Mサイズで約1650g、L・XLサイズで約1730gと、システムヘルメットの中ではかなり軽い方に入ります。
また、メガネライダーさんには嬉しい、ヘルメットを装着したままでメガネが脱着できる構造になっています。
国内メーカーというのも安心ですね。
④【ASTONE】カーボンシステムヘルメット RT1500 CARBON AI7 44,000円(税込)※1〈先行予約販売 2024年1月下旬から2月に入荷予定〉
なんと、カーボン素材を使用して、ヘルメットの重さが1430g±50g(バイザー除く)という、システムヘルメットの中では脅威の軽さを実現したヘルメットです。
これはフルフェイスヘルメットと肩を並べる重さと言えます。
安全性は大丈夫なの?と、少し心配になりますが、国の定めた安全基準に合格したPSCマークも取得しています。
特に、チンガードにはカーボンとABS樹脂のハイブリットで剛性を確保しています。
2万円以上~4万円未満(エントリーグレード)
初めてシステムヘルメットの購入を考えているユーザー向けです。
最低限必要な性能を備えつつ、高品質かつ安全性も確保されているグレードをご紹介します。
⑤【リード工業】 reise (女性向け)25,300円(税込)※1
リード工業とガールズバイカーのコラボによって誕生した女性バイカー向けのモデルです。
内装は、ファンデーションやチーク、アイブロウなどの汚れが目立ちにくいブラウンを採用しています。内装は脱着式なので洗えます。スペアも付いています。
バックルがラチェット式なので、ワンタッチでジャストフィットに装着できます。
サイズはMのみです。
⑥【リード工業】REIZEN(男性向け)27,500円(税込)※1
スタイリッシュなデザインに惹かれる方も多いかと思います。
チンガードの下(顎の下)にあるリリーススイッチで、片手での開閉操作が可能です。
バックルがreiseと同様にラチェット式なので、ワンタッチでジャストフィットに装着できます。
Mサイズは約1700g、L/LLサイズは約1850gと、この値段帯では堅実なレベルです。
サイズはM~XLまで。
⑦【YAMAHA ワイズギア】 YJ-21 ZENITH(ゼニス)シリーズ 33,000~35,200円(税込)※1〈外装デザインによって値段が変わります〉
ヘルメットの重さはLサイズで約1800g(ノーズガードとチンガード除く)と、前出のLEADのREIZEN(ライゼン)とほぼ同じですが、割高な分、使用しているパーツがしっかりしている印象です。
筆者もYJ-21 ZENITH(ゼニス)を1年前に購入し、ほぼ毎日スーパーカブ110で使用しています。
いまのところ、何らトラブルもなく、快適に使えています。
個人的には以下のポイントでお勧めします。
- 重く感じない:ヘルメット重心のバランスが良いのか、1800gという重さをほとんど感じません。但し、私がスーパーカブのような直立した姿勢で使用しているからかもしれません。前傾姿勢でバイクに乗る方は慎重に検討された方がいいでしょう。
- 比較的静寂性が高い:チンガードを下した状態だと、60㎞/hくらいまでのスピードであれば、風切り音も少なく快適に運転できます。ただ、80㎞/hに達すると、風切り音が目立つ印象です。
- 内装のパット類は高い耐久性:これまでに何度か洗濯ネットに入れて洗っていますが、型崩れもなく、表面のガサツキもほとんどありません。
- シールドメカが頑丈:シールドの開け閉めは某メーカーのシールドメカは壊れやすく、年に一度は交換していたのですが、YJ-21 ZENITHのシールドメカは今の壊れそうな気配はありません。
⑧【KOMINE】 HK-171 FL 24,200円(税込)※1
マットなカラー(グレー、オリーブ)のほかに、ガンメタル、パールホワイトの個性的なカラーリングのラインナップのヘルメットです。
フォルムも美しいですね。
基本的な機能は、ほぼ全て装備されていますが、その中で特筆すべきは、バックル(あごひも)の磁力による固定システムです。
磁石で固定しているため、タブを引っ張るだけで簡単に固定を解除できるという便利機能です。磁石で大丈夫?と思われるかもしれませんが、タブを引かない限り、決して外れません。国内でこの機能を採用しているのはKOMINEだけだそうです。
重さは約1800gとREIZENやYJ-21 ZENITH、とほぼ同じ重さです。
安全規格(SG、PSC)も取得済みですので、安心して使えますね。
サイズはM、L、XLと3種類ありますが、帽体のサイズは一つなので内装の厚さでサイズ調整しているようです。
⑨【HJC】HJH222|i90 アヴェンタ ¥29,920 (税込)※1
HJCは、韓国のヘルメットメーカーです。
本体重量は約1820g(Lサイズ)です。
一般的なシステムヘルメットの機能は、ほぼ全て装備されています。
日本人の頭の形に合った内装(Japan fit)を装備しています。
チークパットやインナーライナーに各サイズ「ゆるめ」と「きつめ」のオプションが用意されており、より厳密なフィッティングが可能です。
2万円未満(ライトグレード)
品質にバラつきがあるようですが、とにかくシステムヘルメットを安価で購入したい人向けのグレードです。
サイズの種類は限られている場合が多いですが、デザインやカラーバリエーションは豊富な商品が目立ちます。
気軽にシステムヘルメットを楽しみたいユーザーさんにおすすめです。
⑩【NEORIDERS】 FX8 9,900円(税込)※1
内装にはメガネスリットが入っているので、ヘルメットを装着したままでメガネの脱着が可能です。
内装パットは、取り外して洗えます。
ヘルメットは全8色、カスタマイズ用のシールドも全8種類別売りされているので、自分好みに合ったカスタマイズが可能です。
安全規格のSGマーク、PSCマークが付いています。
重量は約1700gと軽めです。
※1:各価格は記事執筆時の参考価格となります。
まとめ(ご注意!システムヘルメットの使い方を間違えると・・・)
いかがでしたか?
この記事を読んで、システムヘルメットに興味を持っていただけたら幸いです。
利便性の高いシステムヘルメットですが、間違った使い方をしてしまうと、事故に発展する可能性があるので、注意が必要です。
それは、「チンガードを上げたまま運転する」ことです。
そういう私も、チンガードを上げたまま走るのが好きだったのです。
気持ちがいいですからね。
でも、ある日、死ぬかと思いました。
チンガードを上げたまま、走り慣れた急坂をスイスイ下っていたんです。
突然、脇道から車が出てきたので、びっくりして急ブレーキをかけました。
そうしたら、突然、私の眼の前が真っ暗になって、何も見えなくなったんです。
そうなんです。
頭上で固定されているはずのチンガードが、急ブレーキの衝撃でロックが外れてちょうど私の眼の高さまで下りて止まり、視界を塞いだのです。
急ブレーキはしたものの、まだバイクは止まっていません。回避しようにも何も見えないから、私には全力でブレーキを掛けることぐらいしか出来ませんでした。
幸い、車をギリギリ回避して停車することが出来たのですが、いやー、今思い出しても恐怖です。
当時、私の使っていたシステムヘルメットは、使用年数を過ぎていて、チンガードのロックが甘くなりはじめていたことも影響していたと思います。
それ以来、新しいヘルメットになっても、チンガードを上げるのは、信号待ちなどの停車中になりました(チンガードの上げたままの走行は、メーカーも禁止しています)。
最後に、少しゾッとする話をしましたが、私の経験が皆様の安全運転につながれば幸いです。
皆さんのバイクライフが、今後ともハッピーでありますように。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
投稿者プロフィール
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【チャリダーからライダーへ】8年前、自転車整備の延長で、ほぼ一人でメンテできるスーパーカブ110(ja10)と出会い、世界が広がる。
【スーパーカブ】走行距離9万キロ。試行錯誤のメンテで失敗(エンジン焼き付き)もあるが、不調から回復するカブから元気をもらっている。
東京生まれ。沖縄在住25年。50歳で人生初の脱サラ。2023年からライターとして活動。「自分で直せる」を皆さんにお伝えできたら嬉しいです。
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