2023年7月15日の発売にさきがけ、7月12日(水)に袖ヶ浦フォレストレースウェイで行われたカワサキのニューモデル「Ninja ZX-4R」のプレス試乗会に、MotoConnect編集部とともに私ステップ堀田も参加しました。
運転の上手いプロライダーの試乗インプレッションは他メディアの皆様にお任せして、私は平均的なスキルのバイク乗り代表として一般ユーザーでの目線で「Ninja ZX-4R」はどんなバイクなのか?
最新の400ccスーパースポーツの乗り味をレポートします。
ステップ堀田
身長:177cm
体重:78kg
バイク歴:39年
愛車:隼&T-MAX530
好き:ワインディング
スキル:サーキットでちょっと膝が擦れるくらい
外観
まずは外観から見ていきましょう。
カウルのデザインなどはNinja ZX-25Rのイメージを踏襲。フレームはZX-25Rとほぼ同じで400ccとしては非常にコンパクト。
押し引きしてみましたが取り回しも軽く、小柄な方でも安心して移動できると思います。
足つきは以下の写真の通り。車体が軽いので、多少足つきに不安のある小柄な方でも扱いやすいはずです。
フロントブレーキはパワーアップに対応しダブルディスク化されて強化されていますが、ブレーキディスクの径は25Rよりも小径化してコントロール性も確保しているとの事。
160サイズのリアタイヤは400㏄らしさを感じるグッとくるポイントのひとつです。ちなみに新車装着のOEMタイヤはダンロップのGPR300でした。
メーターは4.3インチフルデジタルTFTカラー液晶ディスプレイで、表示デザインも細かく設定出来ます。
スピードが大きく表示される通常モードと、計測したラップタイムが大きく表示されるサーキット向けモードなど、使用シーンによって欲しい情報を大きく表示できるのが非常に便利でした。
USBソケットやフレームスライダーが標準装備のZX-4R SEに対して、サーキット走行を意識したZX-4RRはそれらがオプション設定となる替わりに、リヤサスペンションがSHOWA製BFRC-liteと減衰調整機構が追加された上位グレード仕様とするなど走行性能に特化した設定としているのが実に潔くて私としては好印象でした。(SEのリアサスサスペンションはプリロードのみ調整可)
試乗インプレッション
今回は15分×3回の試乗の機会があったので、色々な走行シーンを想定して試乗する為にトラクションコントロールとパワーモードを最適な数値で設定してくれるインテグレーテッドライディングモードを以下のように設定してみました。
昨今のバイクは設定が細かく出来過ぎて逆にどうして良いのか分からないので、メーカー推薦の設定があるのは嬉しいです。
走行1本目は4RRでモードは中間の「ROAD」、2本目はSEでモードは同じく中間の「ROAD」、3本目は再び4RRでモードは最高出力の出る「SPORTS」で走行して感じた事をお伝えしていきます。
会場はサーキットですが、街中やワインディグを想定した低速走行も実施してZX-4Rの総合性能を見極めていきたいと思います。
では各部分の試乗インプレッションをお届けします。
エンジン
400ccとしては脅威の最高出力80ps、最大トルク4.0kg-mと言うスペック数値からハードな印象を持っている方もいそうですが、1本目を走り始めてすぐに感じたのは回転上昇のスムーズさ。
あっと言う間に10,000rpmを超え、それでも「もっと回して!」とエンジンに言われているような感覚でしたが過激さは皆無。どんどん回していきたくなるとにかく気持ちいい楽しさのあるエンジンです。
そして、高回転でのトルク感の薄さが少し気になる25Rと比べると、しっかりと車体を前に進めるトルク感があるので1つ上のギアでもストレス無く加速できるのが400ccのメリットですね。
2本目はZX-4R SEで街乗り想定の速度域でも走行してみました。
街中の速度域(30~60km位まで)なら3~4速で5000rpm前後での走行が快適な感じです。
高速道路(~100km位)なら6速/6,500~7,000rpmで約100km前後となるので、すぐに6速まで入れてしまってアクセル操作のみでも全然快適にクルーズ出来ると思います。
3本目はSPORTSモードで私なりのアタック走行をしてみましたが、走行時間短縮の影響もあり正直私には大きな違いは感じ取れませんでした。。。ROADモードでも十分速い!
最後にマフラー音、並列4気筒の高回転サウンドはやっぱり最高に気持いいです。
是非動画の方で実際の排気音を聞いてください!
車体廻り
私が一番驚いたのは乗車姿勢のラクさ。
特に私の様に80~90年代のレーサーレプリカ世代おじさんの皆様!見た目のレーシーなイメージから、勝手に低いハンドルと正座のようなバックステップを想像していませんか?
ZX-4Rはセパレートではあるものの、十分高めなハンドル位置と自然な位置のステップでびっくりすほどラクなポジションです。街乗りはもちろん、長距離ツーリングでも全く問題の無いであろうポジションなのにサーキットもしっかりと攻められる。
エンジン性能に目がいきがちですが、これぞ進化を続ける技術積み重ねなのでは?と思います。
あの頃を知る皆様。是非一度跨ってみてください!
ちなみに、SEとRRで違うリアショックの性能差は私にはSEのSTDショックの方が少し硬く感じるくらいの差しか分かりませんでしたが、細かいセッティングの出来るRRのショックは自身に合わせた調整をすればよりSTDとの差が出そうですね。
電子制御
トラクションコントロールやパワーモードが優秀なのはもちろんですが、個人的には上下対応のクイックシフターが非常に快適で、高回転時も最低作動回転数の2,500rpm付近でも変速ショックが本当に少なく違和感なく変速が出来るのは感動的でした。
開発責任者にインタビュー
走行終了後に感じた事をいくつかZX-4R開発プロジェクトリーダーに伺ってみました。
まず、気になっていた本当にフレームはZX-25Rと共通なのか?ですが、これは本当にほぼ共通で400cc搭載に伴う補強程度の違いとの事でした。あまり公表はしていないものの、25Rの開発時から400ccエンジン搭載の想定がある程度ある状態でフレーム設計がされていたとのお話を聞く事が出来ました。
開発陣としては並列4発が多数あった当時を知る我々ステップ堀田世代にもう一度乗ってもらう事はもちろん、パワーモードをローモードにする事で初心者や初めてのバイクがZX-4Rと言う方にも不安無く楽しんでもらえるような車体に仕上げる事を目標に開発を進めたとの事でした。
まさに今回の試乗会でもプロライダーから私のような一般ライダーまで様々なスキルのライダー皆から高評価を得ていたので、開発陣の狙い通りの車両に仕上がっている事が証明されたのではないでしょうか。
まとめ
今回は一般ライダー代表としてカワサキの大注目最新モデルZX-4R SE/ZX-4RRの試乗インプレッションをお届けしました。
今回の試乗を通して速い!軽い!止まる!この3つが揃ったバイクはいつ乗っても楽しいしワクワクする事を改めて思い出しました。
Ninja ZX-4R SE/ZX-4RRは間違いなく大人気の車種となる事でしょう。
当時、ヨンヒャクに乗っていたステップ堀田世代の皆様、
Ninja ZX-4Rでもう一度バイク乗りになりませんか?
スペック等の詳細は以下関連記事からご覧ください。
投稿者プロフィール
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やぁみなさん、こんにちは!
普段はラジオNIKKEIのバイクラジオ、ライダーズのパーソナリティとして活動しているステップ堀田と申します!
プロライダーでもなく、ジャーナリストでもなく、
一人のバイク好きとして多くの人にバイクの楽しさを伝えられるように、様々なバイク情報発信をしています!