今までは主に「ツーリングバッグ」をリリースしていたTANAXから、突如「高機能バイク用スマートモニター」が出るという衝撃のニュースに沸いた昨今のバイク業界ですが、恐らく多くのライダーは「そもそもスマートモニターって何なの?」と困惑していると思います。
そこで、自称ガジェットマスターの僕が「スマートモニターとは何ぞや?」という基本を解説しつつ、今買える、もしくはこれから登場する製品をまとめて紹介します。
スマートモニターとは?
近年バイク業界を問わず「スマートモニター(ディスプレイ)」というワードが沸騰していますが、これは「IoT対応 マルチメディア情報端末」のことです。
ちなみにIoTとは「Internet of Things」の略で、ありとあらゆるデバイスがネット接続されたデジタル社会を指します。
要は「ネット接続機能を備えたディスプレイ全般をスマートモニター」と呼び、四輪の世界では数年前から普及が始まっていますが、これが遂に二輪の世界にも本格的にやってきた、、、というのが今の現状です。
バイク用スマートモニターの特徴
バイク用スマートモニターは車体のハンドル周りにマウントして使用します。
となると、当然雨風に晒されることになるので、防水防塵仕様かつ振動にも強いことも要求されます。
加えてバイクは積載スペースが限られているので、自前の通信モジュールは搭載せず、スマートフォン経由でネット接続するのが一般的です。
と、ここまで説明すると、わざわざスマートモニターを用意しなくても、現在多くのライダーが活用している「スマホホルダー+防水スマートフォン」の組み合わせでいいのでは?と思うかもしれません。
しかし「バイクの振動によりスマートフォンのカメラが故障する」というケースが近年認知されており、あのAppleが公式で見解を出すほどに問題視されています。
加えて、昨今の夏の暑さによる熱暴走の懸念もあり、年々高額化するスマートフォンを「振動・気象リスクに晒したくない」というニーズ対しての答えがスマートモニターなのです。
スマートモニターの機能
スマートモニターの各種機能を、話題の「TANAX スマートライドモニター」を例に紹介します。
CarPlay・Android Auto機能
バイク用スマートモニターのメインコンテンツかつ、ネット接続を実現させる機能が「CarPlay・Android Auto」です。
ちなみ前者はiPhone、後者はAndroidスマホの機能で、スマートモニターとワイヤレス接続をすることにより、いつも使っているアプリや機能をスマートモニター上で使用できます!
つまり、iPhoneやAndroidの画面をスマートモニター上に投影しているイメージで、例えばナビや音楽再生、電話、メールやSNSなどをいつも通り使えますし、もちろん常にネットに繋がっている状態です。
これこそがスマートフォンを安全な場所に置いたまま、つまりは振動や気象リスクに晒されず、スマートモニターを通じてその機能だけを使える仕組みです。
基本的にバイク用スマートモニターは「CarPlay・Android Auto」がメインで(それだけのものもあり)そのほかの機能はメーカーや機種ごとに異なります。
ドライブレコーダー機能
スマートモニターには「ドライブレコーダー」を搭載している機種もあり、モニター上で各種操作が可能です。
しかも、リアカメラの映像をリアルタイムでモニターに表示させれば、事実上「後方モニター」としても利用できます!
BSD・BSM機能
一般的にライダーの死角となりやすい、左右後方から迫ってくる車両をセンサーで感知し、それをスマートモニター上で通知・警告してくれる機能が「BSD・BSM」です。
ちなみにBSDは「Blind Spot Detection(Detection:検知)」BSMは「Blind Spot Monitor」の略で、どちらも同じ意味合いです。
例えば交通量の多い場所での車線変更時に役立つ機能で、四輪では主にミドル〜高級車に搭載されている機能ですが、スマートモニターを通じてバイクでも使えるようなります。
僕は以前、世界初のバイク用後付けBSMをレビューした経験がありますが、想像以上に死角から迫ってくる車両を検知してくれて驚きました!
それを見やすいスマートモニター上で通知・警告してくれるとなると、かなりの安全性を担保できるはずです(個人の主観です)
タイヤ空気圧モニター機能
タイヤの空気圧をリアルタイムでモニタリングできる「タイヤ空気圧モニター」もまた、スマートモニターの機能のひとつです(対応機種のみ)
専用のエアバルブを装着することにより、空気圧情報をBluetooth経由でスマートモニターへと送り、現在の空気圧を把握できるシステムです。
タイヤ空気圧モニターに関しても、僕は以前スマホで空気圧を見れるタイプの商品レビュー経験がありますが、ツーリングに行く際にサッとスマホを確認するだけで空気圧を把握できるので、今でも重宝しています!
これがスマホではなく、スマートモニター上で他の情報とまとめて管理できるとなると、やはり便利な未来しか見えません。
通話や通知、音声コマンド機能
CarPlay・Android Autoでスマートモニターとスマートフォンを接続させれば、電話や各種アプリの通知もスマートモニター上で確認できます。
もちろんインカムを通じて走行中の通話も可能ですが、通知に関しては走行中は確認のみで済ませましょう(停車してから内容を確認しましょう)
それとSiriやGoogleアシスタントを起動して、音声コマンドによる操作も可能です(インカム必須)
スマートモニターの取り付け方法
スマートモニターをバイクに取り付けるためには、本体をハンドルなどにマウントする作業と、ある程度の配線知識・作業が必要になります。
具体的にはイグニッションのON・OFFと連動して通電・遮断される「ACC電源」を探す必要があり、これとバッテリーのプラス極、それからアースに各ケーブルを接続する必要があります。
僕は以前バイク用ナビゲーションのレビューにて、ACC電源を探したことがありますが、これがなかなか厄介なので、自信がない場合はバイクショップで取り付けてもらうことをおすすめします。
特に電子制御バリバリのマシンの場合は、誤ってそれに関係のある配線をいじってしまうと大変なことなるので、、、素直にショップに任せましょう。
今買える・これから登場するスマートモニター
最後に2023年10月時点で購入可能なスマートモニターと、これから登場予定の主な製品を紹介します。
発売予定:TANAX SRS-001スマートライドモニター AIO-5 Lite
現在バイク業界で最もホットな存在と言えるスマートモニターが「TANAX SRS-001スマートライドモニター AIO-5 Lite」です。
高性能なバイク用ドライブレコーダーをリリースしている「AKEEYO」の同名商品のOEM版で、TANAXのロゴが入っています。
機能としてはCarPlay・Android Autoはもちろん、ドライブレコーダー、BSD、タイヤ空気圧モニターと現時点では最強の全部入りです!
おそらくこれの発売をトリガーに、バイク用スマートモニター市場が一気に盛り上がることは間違いなく、11月末の発売日が今から楽しみな製品です。
TANAX SRS-001スマートライドモニター AIO-5 Lite
サイズ・重量:136.2×78.8×26.8mm / 320g
機能:CarPlay・Android Auto、ドライブレコーダー、BSD、タイヤ空気圧モニター
防水防塵スペック:IP67
販売予定価格:82,500円(税込)
発売予定日:2023年11月末
発売予定:デイトナ モトスマートモニター
本来は2023年9月に発売される予定でしたが、残念ながら発売延期(未定)となった幻のスマートモニターが「デイトナ モトスマートモニター」です。
各地のモーターサイクルショーなどで実機が展示され話題となり、本来は日本初の本格的なバイク用スマートモニターとして登場する予定でした。
機能としてはCarPlay・Android Autoとバックモニターを搭載しており、全部入りのTANAXよりは価格が抑えられています。
デイトナ モトスマートモニター
サイズ・重量:115×182×24mm / 520g
機能:CarPlay・Android Auto、バックモニター
防水防塵スペック:IP66
販売予定価格:66,000円(税込)
発売予定日:未定
発売中:三金商事 SPDA-05B
機能をCarPlay・Android Autoだけに絞った、コストパフォーマンスに優れたスマートモニターが「三金商事 SPDA-05B」です。
なんと!税込29,800円というインパクトのある価格で、防水防塵・耐振動などバイク用スマートモニターとしての基本スペックは満たしています。
いわゆる「中華ガジェット」に分類される商品ですが、日本の三金商事が代理店として輸入・販売を行なっているので、きちんとしたサポートとアフターサービスを受けられます。
実は2023年6月の時点で購入可能だった商品なので、新しいもの好きライダーの中で密かなブームとなった商品です(YouTubeでレビュー動画を上げているライダーもいます)
三金商事 SPDA-05B
サイズ・重量:150×99×20mm / 205g
機能:CarPlay・Android Auto
防水防塵スペック:IP67
販売価格:29,800円(税込)
主要販売チャンネル:Amazon
バイク用スマートモニター時代が来る!
四輪で流行ったものや普及したものは、数年遅れて二輪業界に来る、、、まさに今、この流れに乗っている商品がバイク用スマートモニターです!
事実、ホンダのアフリカツインなどの一部車種には、既に純正でCarPlayやAndroid Autoを使えるモニターが実装されており、遅かれ早かれスマートモニター時代が来るのは確実です。
個人的には昭和仕様のバイクを一気に令和仕様にできるのが、実は最大のメリットかと思っています(セロー225に取り付けたい)
投稿者プロフィール
-
バイクで日本2周、オーストラリア1周済みの放浪系バイク乗り「さすライダー」です。
2019年に大好きな北海道へと移住して、夏も冬もバイクライフをエンジョイしています。
好きな言葉は「自由」嫌いな言葉は「集団行動と就職」
最新の投稿
- お役立ち2024年11月18日【2024年最新版】北海道民が選ぶ最強のバイク防寒装備はこれだ!
- まとめ2024年11月16日いつもとは違うバイクの遊び方 10選 【最近マンネリ気味なライダー必見!】
- お役立ち2024年11月13日【日本2周ライダーが解説】バイクの荷物積載方法5選!これであなたも積載上手?
- アイテム2024年10月29日【バイクの盗難対策】タイプ別防犯カメラおすすめ製品まとめ