デイトナのオリジナルブランド「ヘンリービギンズ」から、 2WAYシートバッグⅡが発売されました。前モデルの2WAYシートバッグから何が変わったのか、気になるライダーさんは多いのではないでしょうか。
そこで前モデル愛用者であるカゲモトが、ヘンリービギンズ 2WAYシートバッグⅡと前モデルを徹底的に比較します。そして、2WAYシートバッグⅡをツーリングに持ち出したレビューもお伝えします。
2WAYシートバッグⅡをよく知らないライダーさんや、買い替えを検討しているライダーさんは必見です。
ぜひ、最後までお付き合いください。
ヘンリービギンズ 2WAYシートバッグがリニューアル!
前モデルの2WAYシートバッグは、1泊までのツーリングにちょうどいいサイズで、シートバッグとしてもバックパックとしても好評なモデルです。
個人的に不満に感じる点があったので、新モデルが気になっていたところ、デイトナさんから「2WAYシートバッグⅡ」をお借りすることができました!
良い機会をいただいたので、愛用中の2WAYシートバッグと新モデルの2WAYシートバッグⅡを徹底比較し、変更点などをしっかり調べてみます。
30Lとターポリン生地が追加
2WAYシートバッグⅡでは2種類のサイズ、2種類の生地から選べます。サイズは定番の20Lのほか、30Lを新たに追加。30Lなら1泊分の荷物に加え、レインウェアやお土産なども余裕で入ります。
生地は、耐久性が高く軽量なCORDURA®(コーデュラ)と水に強いターポリンから選択が可能です。ターポリン生地なら、突然の雨や濃霧でも、落ち着いてレインカバーを被せられます。雨天時も底面からの浸水をある程度は防いでくれそうです。
前モデルと新モデルのスペックについて比較表を作成しました。
2WAYシートバッグ (前モデル) | 2WAYシートバッグⅡ 20L | 2WAYシートバッグⅡ 30L | |
---|---|---|---|
サイズ | H170×W440×D300(mm) | H170×W440×D300(mm) | H220×W470×D300(mm) |
本体重量(付属品込) | 1.95kg | 1.8kg | 2.1kg |
最大積載重量 | 5kg | 5kg | 5kg |
付属品 | イージーリングベルト レインカバー | イージーリングベルト レインカバー | イージーリングベルト レインカバー |
素 材 | ポリエステル | ポリエステル / ターポリン | ポリエステル / ターポリン |
価 格 | ¥18,700(税込) | ¥20,900(税込) | ¥23,100(税込) |
同じ20Lで比べると、新モデルの本体重量が若干軽くなり、価格が少し上がっています。30Lはサイズが違っても最大積載重量が同じ点は注意が必要です。
前モデルの不満点はすべて改善済み
私が感じる2WAYシートバッグの不満点は、以下のとおりです。
2WAYシートバッグ(前モデル)の不満点
- フラップのパルステープ(ウェビング)の向きがバックパック時に使いづらい
- ショルダーパッドのフックが弱い
- メッシュポケットの強度が不安
- バックパック時に底面の角が腰に刺さる
前モデルで感じていた不満点は、新モデルを受け取ってすぐに確認しましたが、しっかりと改善されていました。実際どのようにリニューアルされたのか、詳しく見ていきましょう。
【比較】2WAYシートバッグⅡはフルモデルチェンジ!?
2WAYシートバッグⅡと前モデルを比較すると、使いやすさや耐久性が見直され、フルモデルチェンジといっても過言ではないほど変更されています。見落としてしまいそうな細かな変更も多いので、内装と外装、その他の部分に分けてご紹介します。
フラップや裏地の強度が向上
内装を見みると、裏地は前モデルよりも明らかに厚くなっています。私のバッグは擦れて穴が開きそうになっているので、裏地の変更は羨ましいです。引っかけて穴が開きそうだったメッシュポケットも強度がアップし、赤色の裏地に変更されています。
バックパック時に天面と底面になる部分には、樹脂プレートの代わりに硬めのクッションを内蔵。大きな開口部のフラップもクッションが厚くなり、中の荷物に伝わる衝撃を軽減してくれそうです。
側面の樹脂プレートは1mm薄くなったので、シートバッグ時の型崩れが少し心配です。実際にバイクへ固定した様子は、後ほどレビューします。樹脂プレートが入るポケットの開口部は移設されてスッキリとしました。
2WAYシートバッグⅡの変更点【内装】
- 裏地の耐久性と高級感がアップ
- メッシュポケットの強度がアップ
- フラップなどにクッションを内蔵
- 側面の樹脂プレートの厚み3mm → 2mm
バックパック時の快適性も向上
前モデルでもっとも不満に感じていたパルステープ(ウェビング)の向きが変更されています。向きの変更によって、バックパック時にパルステープを活用しやすくなりました。パルステープ自体も、立体的に縫い付けたことにより、表情が豊かになっています。
ファスナー引手がタブタイプからロープタイプに変更されています。引手が大きく掴みやすくなったことで、グローブをはめたままでもファスナーの開閉がスムーズです。
2WAYシートバッグのリニューアルで大きな改良点といえるのが、ショルダーパッド周りです。ショルダーパッドの取り付け角度を見直すことで、身体にフィットしやすくなりました。ショルダーパッドの厚みも増したので、長時間背負っていても快適です。貧弱だったフックも丈夫なものに変更されています。
効果の薄かった腰パットは廃止され、背面全体にクッションが内蔵されています。前モデルではバックパックとして背負えるのはオマケ程度に感じていました。しかし、2WAYシートバッグⅡはバックパックとしての完成度が向上し、スキのないバッグに生まれ変わっています。
2WAYシートバッグⅡの変更点【外装】
- パルステープ(ウェビング)の向きを変更
- ファスナー引手の変更
- ショルダーパッドの取り付けと厚身の変更
- ショルダーパッドのフックの強度がアップ
- 腰パッドの見直し
細かな改良で使いやすくなった
変更点は、見逃してしまいそうな細かな点にまで及びます。ブランドエンブレムが金属製から布製へ変更されたのはうれしい点です。前モデルのエンブレムは良くも悪くも目立ち、金属製なので、バイクに傷がつかないか心配でした。
新モデルのエンブレムは布製でフラットな形状に変わったので、バッグになじんでいます。積載時に役立つノンスリップシートとスライドストッパー(赤いテープ)の幅が広がったことも見逃せません。幅が約2cm広がったことにより、積載のしやすさが向上しています。
2WAYシートバッグⅡの変更点【その他】
- ブランドエンブレムが金属製から布製へ変更
- ノンスリップシートとスライドストッパーの横幅がアップ
付属品も密かにパワーアップ
付属のイージーリングベルトがさらに使いやすくなりました。バイクへの固定方法が増え、イージーリングベルトをシート下に通せないバイクでも固定が可能です。固定方法については、後ほど紹介します。
レインカバーも、前モデルと比べ、若干生地がしっかりしているように感じます。ただし、品番が変わっていないので、性能に変化はないかもしれません。変更点は他にもあり、開口部やフラップの形状やDカンの取り付け方法など、細かな部分まで見直されています。
【レビュー】2WAYシートバッグⅡ20L ターポリンでツーリング
2WAYシートバッグⅡの固定のしやすさと背負いやすさを、ツーリングに持ち出して検証してみました。使用したのは20L ターポリンですが、積載性と快適性はすべてのラインナップに共通しています。中でも、ターポリンはハードな使用にも耐えてくれそうです。
どんな車種でも簡単に積載が可能
2WAYシートバッグⅡとイージーリングベルトはバイクへの固定方法が増え、車種やジャンルを選ばず簡単に積載できるようになりました。実際に、ネイキッドとアメリカン(クルーザー)、オフロードに積載してみます。
細くて尖ったシートを持つバイクへの固定は、2WAYシートバッグⅡの得意分野です。特徴的なNUDA900Rのシートでもしっかりと固定ができます。新モデルからイージーリングベルトのリングが大きくなり不安でしたが、問題なくシート下に通すことができました。
スライドストッパー(赤いテープ)を、リアシートやカウルに通すことで、前方へのズレを軽減します。あとは、4か所のバックルをカチッと留め、均等にベルトを縮めれば完了です。取り付けは5分もかからず、簡単に固定ができました。
XL883Rはシート自体にガタがあり不安定で、イージーリングベルトをシート下に通す方法が使えません。しかし、新たに加わった固定方法なら、しっかりと固定ができました。
新しくなったイージーリングベルトは、リングからベルトを取り外すことで、4本のベルトを個別に使用できます。リングが通っていた輪をシートフレームに通し、輪にバックルを通すことで、ベルトの固定ができます。輪を通す場所がない場合は、荷掛けフックなどを追加で取り付けてもいいですね。
注意したいのは、XL883Rのように丸みを帯びたシートの場合、バッグが変形してしまいます。また、新モデルから側面の樹脂プレートの厚みが減り、固定作業時もプレートの薄さを感じました。バイクに固定する際は、ベルトを引き締めすぎないよう注意が必要です。
オフロードの場合、イージーリングベルトはシート下を通すか、ベルトをフレームに固定します。トリッカーのようにキャリアを装備していれば、キャリアにベルトを固定でき、簡単にバッグの積載が可能です。
2WAYシートバッグⅡは車種やジャンルを問わず簡単に積載ができます。これまでシートバッグの固定に悩んでいたライダーさんの救世主になるアイテムだと感じました。私が特にオススメしたいのが下記ジャンルのバイクです。
2WAYシートバッグⅡをオススメするジャンル
- スーパースポーツ
- ストリートファイター
- オフロード
- モタード
厚みのあるショルダーパッドで散策が快適
リニューアルされた2WAYシートバッグⅡは積載性の向上だけでなく、バックパックとしても改善されていました。前モデルでは機材の重さがショルダーパッドにズシッとのしかかってきますが、2WAYシートバッグⅡでは重さが分散されているように感じます。
これは、前モデルよりも身体への接地面積が増えたことによって軽く感じるようです。持ち歩くのが快適になったおかげで、前モデル以上に散策がはかどります。
新たに追加されたターポリンは水に強いだけではありませんでした。走行中、水たまりに入ってしまい、借り物のバッグが汚れてしまいましたが、サッとひと拭きでキレイになりました。ターポリン生地は撥水性が高く汚れも弾くので、ハードな環境でも安心して使用できそうです。
カゲモトの収納術をご紹介します
前モデルと同様にパルステープ(ウェビング)を活用することで、自分好みのカスタマイズが可能です。ヘンリービギンズでは、大小さまざまなサイズのポーチやドリンクホルダーがラインナップされています。
パルステープはMOLLE(モール)システムという規格にもとづいて設計されているので、MOLLE対応の製品であれば他社製品でも取り付けられます。私はツーリングでカメラは欠かせないので、2WAYシートバッグにカメラインナーケースと複数のMOLLE対応ポーチを取り付けて、カメラバッグとして愛用しています。
詳細は個人ブログで解説しているので、ぜひご覧ください。
< カメラバッグは不正解!?ツーリング×カメラならヘンリービギンズ2WAYシートバッグ DH-751 がオススメ! >
2WAYシートバッグⅡの気になるところ
2WAYシートバッグⅡのちょっと気になる点をまとめました。購入を検討しているライダーさんは参考にしてください。
ターポリンでも完全防水ではない
水に強いターポリンですが完全防水ではない点は要注意です。2WAYシートバッグⅡは全てのモデルで通常のファスナーを採用しています。止水ファスナーではないので、ターポリン生地でも水を完全に防ぐことはできません。
付属のレインカバーを使用しても、バッグ底面から浸水の可能性があります。雨天の使用時には、荷物を防水バッグなどに入れるなどの対策が必要です。
ショルダーパッドを収納すると内側に響く
ショルダーパッドの厚みが増したことで、バックパック時は快適ですが、ショルダーパッドが収納しづらくなりました。また、シートバッグ時はバッグの内側が膨らんでしまうので、ショルダーパッドが重ならないように収納しましょう。
ファスナー引手は使いやすいけど目立つ
ファスナー引手がタブタイプからロープタイプに変更され、使いやすさは向上しましたが少し目立ってしまいました。開口部の開閉時に、中のファスナー引手が引っかかってしまうこともあります。ファスナー引手は簡単に取り外せるので、お好みのファスナー引手を取り付けても良いですね。
2WAYシートバッグⅡのファスナー引手の交換と、パルステープを活用したカスタマイズに挑戦してみました。
< ヘンリービギンズ 2WAYシートバッグⅡと前モデルを徹底比較!理想のバッグにカスタマイズしてみた >
側面開口部は逆側の方がうれしい
2WAYシートバッグⅡを固定すると、側面開口部(バックパック時の天面)が地面の方へ向いてしまいます。荷物を取り出すときに中の荷物が転がり出てしまうので、メッシュポケットにアクセスする際に注意が必要です。
解決策として、シートバッグ時に向きを逆に固定することで、側面開口部が使いやすくなります。ただし、スライドストッパーが使用できないので自己責任で試してください。
カラーが増えたらもっとうれしい
カラーがブラックだけなので、タンやオリーブなどの選択肢があるといいなと感じました。せっかくミリタリーテイストあふれるデザインなので、選べるカラーが増えるともっとうれしいですね。
まだ持ってない人も前モデル愛用者もオススメのアイテムです!
ヘンリービギンズ 2WAYシートバッグⅡについて、前モデルとの比較とレビューを行いました。前モデルからの変更点は多く、フルモデルチェンジといっても過言ではありません。実際の商品を受け取るまではパルステープの向きが改善されただけと考えていましたが、大幅にアップグレードされています。
前モデルで感じた不満点は、2WAYシートバッグⅡでしっかりと改善されています。まだ持ってない人はもちろん、前モデル愛用者にもオススメできるツーリングバッグです。
2WAYシートバッグⅡがあれば、積載のしづらさや持ち運びづらさから解放され、ツーリングが快適になります。この機会にぜひ購入してみてはいかがでしょうか。
ではまた!
投稿者プロフィール
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バイクと旅が大好きな夫婦ライダー、カゲモトです。ハネムーンの東本州1周をきっかけに、北海道1ヵ月旅、九州1年移住をへて、全国を走破しました。
今は関西を拠点に日本中を走り回って、ご当地グルメやB級ツーリングスポット、ミニマムキャンプを楽しんでいます。
愛車はNUDA900R・トリッカー・XL883R改。
執筆担当のカゲ太とご意見番のカゲ美が「実体験にもとづいたモトライフを楽しむヒント」をお届けします。
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